楽心館 秋季審査会 令和元年中野体育館 。
令和とは?審査会の挨拶で、お話させていただきました。
この新しい時代の名称は、万葉集から引用されました。今から1250年くらい前の奈良時代に、編纂された歌集です。
編者は大伴家持、その父は大伴旅人という大宰府にいらした高級役人です。令和とは、大伴旅人の屋敷で初春の令月、氣淑く風和らぐ日に、梅を鑑賞する宴が開かれた。そのような平和な一日を、歌ったものです。
しかしこの時代、けっしって平和な時代ではありませんでした。外交では中国に唐という強大な国があり、国内は疫病と飢饉がありました。そこで機運を改めるため、東大寺に世界最大の金銅仏を造っています。いわゆる末法思想の世の中でした。
はたしてこれは過去のことでしょうか?私は常に問題に直面する人類は、この時代状況と変わらないと思います。地球温暖化・行き過ぎた遺伝子組み換え作物から医療・人種国境の争い。現代も末法思想は蔓延しています。
これを救うのは、どのような思想ですか?
私は武道でいう道。すなわち自己抑制の心。ブレーキを踏む知恵。これもその一つと思います。
武道は暴力とは違う。それは自己抑制を養う訓練だからです。これをイギリスでは「ペンは剣より強し」といいますね。武力は大切ですが、平和はもっと大切です。自己抑制の心を養いましょう。