写真は日本経済新聞2010年3月17日(水曜日)朝刊に掲載されたもの。私はこの写真に釘付けになり、美しさに心打たれた。表題には「豊ノ島 走った 粘った 土俵際、脚に食らいつく」とあった。
写真左は大関 魁皇。苦しみに満ちた表情。右足の甲は、完全に返って死に体になっている。
関脇 豊ノ島は渡し込むように左手で大関の右ひざ裏をつかみ、食らいついた。土に着かないように身長170センチの小さな体が水平になり、爪先が伸びきっている。豊ノ島の体が土に着くのが早いだろうか?と言う一瞬である。
行司は勝負を見切ろうと、一文字腰に体を沈めている。腹には懐剣が垣間見える。この懐剣は、指し違えた時(軍配を負けたほうに上げてしまうこと)に切腹をも辞さない覚悟の象徴であるという。
最近の相撲界は、某横綱の暴力事件から引退劇・理事選挙など、醜聞に事欠かなかった。基本的に人間であれば金と欲の問題は、綺麗とか汚いの問題ではなく、必要範囲か逸脱かの間尺でみるべきであると思う。しかし財団法人という公器であれば、より公正さが求められて当然である。土俵の外のことはほどほどで良く、土俵の中でさえしっかりしていれば良いなどというのは、時代感覚を逸脱しているともいえる。
しかしそれでもこの相撲、大関・関脇・行司の心技体、実に見ごたえがあり美しい。久々納得の勝負を見させていただき、気持ちが奮い立った次第です。
写真左は大関 魁皇。苦しみに満ちた表情。右足の甲は、完全に返って死に体になっている。
関脇 豊ノ島は渡し込むように左手で大関の右ひざ裏をつかみ、食らいついた。土に着かないように身長170センチの小さな体が水平になり、爪先が伸びきっている。豊ノ島の体が土に着くのが早いだろうか?と言う一瞬である。
行司は勝負を見切ろうと、一文字腰に体を沈めている。腹には懐剣が垣間見える。この懐剣は、指し違えた時(軍配を負けたほうに上げてしまうこと)に切腹をも辞さない覚悟の象徴であるという。
最近の相撲界は、某横綱の暴力事件から引退劇・理事選挙など、醜聞に事欠かなかった。基本的に人間であれば金と欲の問題は、綺麗とか汚いの問題ではなく、必要範囲か逸脱かの間尺でみるべきであると思う。しかし財団法人という公器であれば、より公正さが求められて当然である。土俵の外のことはほどほどで良く、土俵の中でさえしっかりしていれば良いなどというのは、時代感覚を逸脱しているともいえる。
しかしそれでもこの相撲、大関・関脇・行司の心技体、実に見ごたえがあり美しい。久々納得の勝負を見させていただき、気持ちが奮い立った次第です。