PHP『心に響く・名経営者の言葉』
第2章 成功する人のお金の使い方、生かし方・No.002
「経営とは数字である。同じく仕事も数字である」
鈴木 修 スズキ社長・会長(1830~)
鈴木修は、岐阜県の松田家に生まれた。
昭和28(1983)年に中央大学を卒業すると、中央相互銀行(現在の愛知銀行)
へ入行。しかし、昭和33年に鈴木俊三(スズキの二代目社長)の娘婿となった
関係でスズキヘ入社した。
鈴木は、昭和38年にわずか33歳で取締役に就任した後、常務取締役、専務取締役
などを経て昭和53年に社長へ就任。
それから30年近くにわたってスズキのトップにあり続けている。
その間に、アルト、ワゴンRなどのヒット商品を生み出すと同時に、昭和56年には
ゼネラルモータース(GM)との業務提携を行ない、就任時には1700億円だった
売上高を三兆円以上にまで伸ばしたのである。
30年近くも企業のトップに君臨し続ける経営者というと、守備型というイメージを
抱きかねないが、鈴木は「締めるところは締め、使うべきところは使う」という、非常に
バランスのとれた考えの持ち主である。
たとえば、鈴木は自動車メーカーを持たない発展途上国へ積極的に進出し、生産拠点を
展開し、自動車の販売を行なっている。
しかし、発展途上国への進出は「売上げ的にはメリットがなく、オールデメリット」
(鈴木)だという。経営が数字というなら、なぜそのようなデメリットを続けているの
だろうか。その理由について鈴木は次のように話している。
「アメリカのおかげで日本は戦後の焼け跡から立ち犬がることができた。
発展途上国ヘモノづくりを伝えるのは、その恩返しなんです」
経営が数字というのは紛れもない事実である。
しかし数字ばかり追い求めていてはすばらしい人材は集まらないし、
お客の心をつかむこともできない。
心をつかむためには心が大切ということを知ったうえで、数字に
ついて述べるべきだろう。
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