飯田橋ライブラリー

飯田橋ライブラリーを運営する図書委員会からのお知らせを掲載しています。

「あつい」という字は

2024-08-12 12:42:00 | 日記
飯田橋ライブラリー図書委員会です。
暑いですね!

さっき少しだけ外に出たんですが、「暑い」ではなくて「熱い!」の方がふさわしい…🥵
同訓異字で「あつい」を習った人も、その既定概念を揺るがすような気候。
一体どうなっちゃうの???

さてさて、飯田橋ライブラリーでは現在「POPコンテスト あなたの推しをPR」を開催中!
自分の推しの「本・マンガ・アニメ・映画」のPRコメント50字を書いて応募しましょう!
今回は対象に「パリ五輪の試合」も緊急追加しましたよー
あの感動と喜びや涙をみんなと分かち合う絶好のチャンス!!
誰でも何度でも応募できます。
最優秀賞に選ばれるとAmazonギフトがもらえます!
そして飯田橋ライブラリー所蔵本の作品はもれなくライブラリーにPOP掲示しますよ!!

締切は8月20日、応募は2階ライブラリーの応募用紙またはキャンパス内ポスターに掲載されているQRコードを見てね。

たくさんのご応募お待ちしてます🤲

創作 テーマ「綿矢りさ『蹴りたい背中』へのオマージュ」

2024-08-07 13:45:00 | 日記
創作 テーマ「綿矢りさ『蹴りたい背中』へのオマージュ」作:林美沙希

 僕はあの日からずっと、同じような夢を見る。真っ黒なモヤが蠢いて、モゾモゾと形を変える。それはそこまで怖くはないが、問題は起きたあとだ。黒いモヤが見える。奴は毎日僕の背後にまとわりつき、寝るときは天井に張りつく。今日で1週間が経つ。もう慣れたものだが、驚いた。今背後にいる奴の姿は、人型だ。僕の肩ほどの背丈。あいつとそっくりで、気味が悪い。

 部屋を出ると、いつも通り騒がしい。言い争って、火花は僕に飛んでくる。お前が死ねばよかっただのこういう時だけ実物として扱われ、痣だらけになる。もういっそのこと、殺してくれないだろうか。

 なんで僕は、生きているのだろう。親に殺されるのと、奴に呪い殺されるのだったら、どちらが良いか。枕の下にあるナイフを手に取り、深呼吸をする。そんなことを真剣に頑張るのが僕の日課だ。死ぬために生きる。毎日続けていたら、いつかやり遂げるかもしれない。

 さて、あとは寝るだけだ。布団に潜ると、突然奴が動き始めた。居てもたってもいられず後をついて行く。僕について来てとでも言うように、振り返ってくる。外に出て、立ち入り禁止のテープを越えて、あの場所へ。予想していた通りだ。つまり僕は、これから死ぬのだろう。でも奴は何もしてこないから、だんだんと、話したくなった。素直になれなかった弟に。

 殺すつもりはなかった。お前はこんな僕にも優しかったから。死ぬと分かっていたら、この川に落としてなかった。なんでも出来るお前が、褒められているお前が、大嫌いで憎かったけど、大好きだった。涙があふれる。早く、殺してくれ。生暖かい風が吹いたそのとき、あの優しい声が聞こえた。

「恨んでないよ」

気づいてないふりをして何食わぬ顔でそっぽを向いたら、はく息が震えた。