真衣歌の心~蛸壺の中で

生きているとあれやこれやあるわねえ

春の夜の夢

2020-05-27 02:19:29 | ショートストーリ~
コロナ禍の後に不況の嵐が世界に吹き荒れた
どの国も国民総生産が落ち込み
異常気象のせいもあって食料不足にあえぎ
新型コロナウイルス感染者を世界中にばら撒いた国が
香港に触手を向け見事に手中にした
その後台湾に目を向けた
そろそろ年貢の納め時だ
いい加減中国に帰属させねばならない

コロナをばら撒いたのは中国に決まっている
そう言ってアメリカが中国に敵意を露わにしてきた
その為台湾を取り込み中国に制裁の一歩を踏み出した
どうせアメリカは本土にまで中国兵はやってくるわけじゃない
アメリカは後ろで見ていればいいのだと思っている訳じゃないだろうな?
日本は同盟国だから、台湾・日本で中国に歯向かわせればいい
トランプにとって「日米安保条約」は
自国を守るのはあくまで自国だという考えだ
日本を守ってやるじゃなくて「米軍費を出せ」だ
何処の国も自国第一主義なのは仕方がない
それが、ベトナム戦争といい アフガン出兵といい
特に 湾岸戦争に至っては哀れな勘違いの同士討ちの繰り返しが起こり
大量の兵士が無駄な戦死を遂げている過去がある

ああ、ここからが問題だな
日米安保条約を締結しているとは言え
アメリカは日本に台湾共々第一線で自衛隊に戦わせる気だ
今まで早く自衛隊を軍隊に変えてしまえと尻をつついていたよな
いまだ憲法は改定されていないにもかかわらずだ
自衛隊は自衛隊のままだ
韓国はとうの昔に中国にすり寄っていて
もしくはそろそろ北に吸収合併されているか
どのみちコロナの後は社会主義に変わっているから
昨日の友は明日の敵だ もとい友じゃなくて腐れ縁か
ならば東アジアの島は日台(少しだけ米)で守らねばならなくなりそうだ

台湾の兵力がどのくらいあるか知らんが
この戦争はアメリカが率先して戦ってくれなければ
自衛隊と台湾だけでは無理だ
災害救助はお手の物だが実戦訓練数が少なすぎる
武器も自衛隊員も少なすぎる
中国の10分の1でしかない
電磁波で国を覆い守れ 電波妨害を徹底しろ 衛星を攻撃しろ
妨害衛星はまだ打ち上げてない
早く500キロ以上先の標的を倒せるようになれ
今から迎撃に使えるミサイルを大量に作れ 
弾丸を大量に作れ
泥棒を捕らえて縄をなうって言うだろう
間に合うもんか

アメリカは相手国の沿岸に機雷をばら撒く予定だそうが
いっその事日本海全てに機雷を埋め込めばいい
竹島の周辺も機雷で埋め尽くしておけばいい
どれだけの機雷が要るのか 
富士山の高さぐらい機雷を積み上げるぐらいの量が必要だ
それも日本の仕事か
でかい空母はいらんな
迎撃用のミサイル発射装置を持つイージス艦あたりがいい(マヤ級)
そいつを沿岸にずらりと並べておけばいい
だったらイージス艦がっぽりよこせ
ついでに迎撃用のミサイル発射装置を日本列島西部・尖閣諸島にずらずら並べておくか
徒歩の陸自はミサイル係に専念だな

何だかな
台湾を失えば日本列島も失うのか?
ロシアも無視できない 漁夫の利で来るぞ
ああ、いっそ中国の軍門に下ってしまった方が国民の為かもしれない
今更無駄な死を積み上げる気にはならない
まさか阿総理もその腹だったりして
コロナ禍時代結構中国にすり寄っていたから頷ける
総理はどう思っているんだろうかね

アメリカさんよ 
戦争は戦いたい者同士でやってくれ
日本はドンパチから降りるぞ
これからの戦争はやっぱり自爆ドローンにでも生物兵器を仕込んで
相手に大量にこっそり送りつけてやるのが楽だ
兵士の損害受けたくなければその手で返せよ
それとも今からでも遅くはないから三峡ダムを爆発させてしまえば?
無人飛行機をダムに体当たりさせればいいのだ
自国に死人が出なくていいだろう

私か?
夢から覚めれば良いだけだ

新型コロナウイルスさん10

2020-05-11 23:33:35 | ショートストーリ~
「俺達は何故新型コロナウイルスって、言われるんだ?」
それはな、旧型がいくつかあるせいだ」
利口なコロナが説明して見せた
「1に風邪のウイルスが4種類有る
2に動物から感染するウイルスが2種類有るんだ
どっちかっていうと俺達は2に分類されそうだけど、
他に3に分類されるやつも有るんだ、ラクダが感染源だよ」
「ラクダねえ・・・」
月の砂漠を感染ラクダに揺られて行きそうだ

「俺達は新型って名が付くぐらいだから新型だろうよ
どう新型かは知らないけど今までのコロナより強力な事には違いないだろう
どうせ改造型だ」
利口なコロナが答えた
「だからこの際人間に報いてやるんだ」

改造型とはいえ人為的なものか突然変異の結果か
どのコロナにも分かりませんでした
利口なコロナの微かな記憶に頼っても無理でした
俺たちは何処から来て、何処へ行くのか?
その、何処へ行くのかすら、分からないコロナでしたから

旅を続けながらコロナは考えました
改造であれ突然変異であれ
何時か究極のコロナウイルスが生まれたら
人間はドローンにでもそいつを搭載して世界各地にばら撒いてしまうだろう
感染率100%、致死率100%、人にしか感染しない究極のコロナウイルス
こいつは夢の殺人兵器だな
そいつが欲しくて
どこかで誰かが必死になって研究しているんだろうな
まあ、せいぜい頑張ってくれたまえ人間よ
それまで俺達がちまちまとおまえらを殺してやるからな

        終


* 一切合切フィクションですよって 






新型コロナウイルスさん9

2020-05-10 19:45:49 | ショートストーリ~
各地に散らばっていった仲間を見送って
発生地点に踏みとどまったコロナもおりました
彼らは強烈な迫害の網を搔い潜り、家の中から出られない人間たちに取り付いて
ほそぼそと活動を続けていました
「どこへ行っても同じだよ、のんびり此処でやってるほうがいい
いろんな情報も手に入るしね」
確かにコロナが耳にする情報は大量でした
情報が交錯して正誤の見境が付かないほどでした
何が正しくて何が誤った情報か、コロナには判断が付きませんでした

「言えることは、俺達は相当量の人間に感染して殺している筈なのに
死者はたった2500人か?嘘つけえ、桁が違うぞ」
世論に負けて政府は一気に1000人上乗せして報告しました
「たった3500人か?文句を言っても仕方ねえな」

この都市には7か所の火葬場があって
朝から晩まで人間を焼く煙が絶えませんでした
「1日に焼く人間の数X7X日数だぞ」
暇なコロナたちはせっせと計算しましたが、
なかなか納得できる答えが出てきませんでした
火葬場には燃やす限界が有りました

「余った死者が多すぎる、どういう事だ?」
「穴掘って埋めるんじゃねえか?
この国では穴掘りは得意だぜ、
豚も埋めたぜ、億という数字だぜ
転覆列車だって碌な調査せずに土をかぶせちまうんだから」
「だったら遺族に骨壺が渡せせねえじゃないか?」
「骨壺ぐらい、適当に骨を融通して入れるだろう、遺族だって居るかどうか」
まさかなあ」
「それなら、一度ダムが決壊したら、人間や豚の骨がわんさか出てくるなあ」
想像するだけでコロナは気持ちが悪くなりました
此処には世界最大のダムが有って、地盤が緩んで変形していて
決壊がいつ起こってもおかしくない状態でしたから
コロナも気が気ではありませんでした

「早くここを離れて北の地を目指そう」
此処のコロナも重い腰を上げました


* 一切合切フィクションですよって 

新型コロナウイルスさん8

2020-05-09 17:04:39 | ショートストーリ~
「だからあの国は早くコロナを終焉させて
食い物集めに人間を国外に出してるんだな」
コロナは考え込んでしまいました
アフリカのダニがなぜ俺達の元いた国で豚に取り付かなければならないんだ」

聞けば億を超える豚が始末されてしまったそうだ
大きい穴に放り込まれて上から土をかけて始末されているそうだ
未だ始末されていない豚もこの先分かったもんじゃない
そんな豚の悲劇が世界に広がっているという

例えば旅行者が持っていたソーセージが原因で
はるばる島国にまで豚の感染が広がったという
感染した豚の肉が他国の豚にどうやって広がるのか?
そのルートが不思議だね
この国でもだ、どんなルートでアフリカ豚コレが広がっているのかね

「俺見てきたよ、少し南の農場だけど
農場主が豚を全部廃棄しなければならないって泣いていた
豚小屋が血の海で、豚の尻からだらだらと血が流れだしていた
凄い光景だった」
さすがのコロナもその話には言葉も出せませんでした

その豚が人間だったら、と、どのコロナも思いました
俺たちは簡単に億の人間を殺せるじゃないか
人間に出会いさえすればいちころだ
感染率100%致死率100%とは凄いな
それが俺達はどうだ、何か月もかかって殺してやっと数十万だ
百万にも及ばない数字だ
しかし笑えるな、豚にしか感染できないとは

コロナは何時になったら百万を超えられるか、今は自信がなかった
百万は無理かもしれん
それまで俺達は持ちこたえられないかもしれん
そいつの能力が俺達に加われば鬼に金棒だが
豚にしか効かないのは残念だ

コロナの一匹が豚コレと合体したいと言い出した
「無理だね」
即座に誰かが制しました
「豚コレの細菌と合体して人間に感染できなくなることだって考えなくちゃ
人間にとって何の役にも立たない代物が出来上がるかも」
違った意見も出ました
「物は試しだ、やりたければやるがいい
うまくいけば突然変異が生まれるかもだ
期待可能性にかけるかね」


* 一切合切フィクションですよって


新型コロナウイルスさん7

2020-05-09 10:25:20 | ショートストーリ~
「要するに人間は増えすぎているんだ
特にこの国では黒人が増えすぎたんだ
俺たちが手当たり次第に人間を襲っていても
殺す相手がほとんど白人以外ならそれも仕方がない」
誰かがそういって、怒るコロナをなだめなした
「殺す相手は誰でもいいんだ、人間でありさえば」

コロナ本来の目的は人類の数を減らすことにありましたから
どんな人類がどれだけ減ろうとどうでもいい事でした
コロナにはウイルス間の差別意識など毛頭ありませんでしたから
他のウイルスに出くわしてもエールこそ送れ
反感や差別意識はありませんでした

「動物は偉いよな、弱肉強食の本能は持っていても
相手を差別したりはしないよな
食えるか食えないかだけの意識だよな
いや、食われるか逃げられるかだけだよな
だから、できるだけ動物は襲うなよ、人間だけにとどめを差すんだ」

しかし、そのころ世界では豚をターゲットに暴れているウイルスが
人間の餌に恐怖を与え始めていました
ウイルスではなくても昆虫が人間の食糧に被害を被害を与え始めていました
その被害は特にコロナの出発点の国が甚大でした

「アフリカ豚コレラだって?
ああ、仕方ないな、あいつらは人間を襲えないんだ
でも豚は人間の餌にされているから、まあいいだろう
あいつらはダニから発生したんだな、ダニが偉いんだ
バッタもだ、穀物を食って餌減らしに協力してくれてるから許す」

コロナたちはそれらの情報を知るたびに喜びました
間接的に人間の害になってコロナの手助けになっていたからでした
どんどんでてこい、人間を苦しめろ
殺傷能力が弱いコロナにとって彼らは救いの神でした



* 一切合切フィクションですよって