6月下旬に静岡県東部で観察したトンボたち。
〜6月下旬に観察したトンボ〜
オオアオイトトンボ*
アサヒナカワトンボ、アオハダトンボ、ミヤマカワトンボ、ハグロトンボ
アオモンイトトンボ、クロイトトンボ、セスジイトトンボ、ムスジイトトンボ、モートンイトトンボ
クロスジギンヤンマ、ギンヤンマ
ウチワヤンマ、ヤマサナエ
オオヤマトンボ
アキアカネ*、マユタテアカネ*、ミヤマアカネ*
ショウジョウトンボ、コフキトンボ
シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ハラビロトンボ
チョウトンボ*、コシアキトンボ、ウスバキトンボ
全26種
* 今年初見
オオアオイトトンボ
未成熟♂
未成熟♀
羽化して間もないためか、翅を閉じたままとまっている。
田んぼ周辺で未成熟個体を数頭見つけた。今年初見。
この後、近くの林の中に入って未成熟期を過ごし、秋になると繁殖活動のためにこの水辺に戻ってくるのだろう。
林内で過ごす未成熟♂ 2017.07上旬
アサヒナカワトンボ
♀ この川周辺では12月頃まで見られるが、7〜8月は個体数が少ない。9〜10月になると復活してくる。
河川や湧水地周辺で確認。見かけるフィールドが減ってきた。また、見かけても個体数は少ない。
アオハダトンボ
♂
♀
♀
雄1頭、雌2頭を確認。
雄がとまっている草から水面に落ちて溺れた振り(?)をし、近くにいる雌にアピールする様子を観察することができた。その後、雄が雌の翅の上にとまるような素振りを見せたのだが、結局、交尾には至らなかった。
産卵基質であるナガエミクリが相変わらず完全な沈水状態であることもあってか、今年はまだ交尾を観察することができていない。
ミヤマカワトンボ
♂ @富士山麓の川
この川では5月中旬に初確認。6月上旬に観察した時よりも、個体数が若干減っていた。昨年は6月〜7月上旬が見頃だった。
♂ @狩野川水系
この川では5月下旬に初確認した。その時と比べて個体数は増えていたが、ピークはまだこれからといった感じ。この川での昨年のピークは7月下旬〜8月中旬。
ミヤマカワトンボを見かける機会が増えてきた。ただし、その発生消長はフィールドによって異なる。
ハグロトンボ
上は♂、下は未成熟♀ @富士山麓の川
この川では7〜8月の間、多数の個体が見られる。
アオハダトンボと混棲していたハグロトンボの雌。雌の場合、白い偽縁紋の有無で両者を区別できる。しかし、雄の場合、識別が難しい場合がある。この雌個体は一時的に腹部を曲げて産卵するようなポーズをとったが、すぐに腹部をまっすぐに戻した。
アオモンイトトンボ
♂
♀(同色型)
雄と同色タイプで、♂型あるいは同色型と呼ばれる。雄同様、肩縫線上に黒色条がある。
♀(異色型)
異色型または基本型と呼ばれ、未成熟時はオレンジ色をしていて、成熟すると全身がほぼ淡緑色になる。このタイプは肩縫線上に黒色条がのらない。
♀(同色型?)
翅胸前面が真っ黒な雌。
アオモンイトを観察するいくつかのフィールドでは、1回目の最盛期(5〜6月上旬)が終わり、現在は個体数が少ない状況。そこでの昨年の2回目の最盛期は7月中旬〜下旬だったが、今年はどうだろう。
クロイトトンボ
♂ とまっているのはハゴロモモの花。
セスジイトトンボ
♂
♂は交尾をしながら、腹部をドックン、ドックン動かしていた。交尾と移精(精子を腹端の精巣から副性器へ移す)の同時進行だったのかもしれない。
セスジイトトンボがいた赤どぶ池ではハスの花が咲いていた。ハスの花を見に来たおばさまたちが口々に「去年はもっと近くでハスの花が見れたのに」と言っていた :)
ムスジイトトンボ
♂
この池のムスジイトは、人の気配を感じると沖の方に飛んでいってしまうことが多い。今回は静止して、撮影に協力的だった。
田んぼ脇水路では10頭以上を確認。すべて雄で、今年はまだ雌を見ていない。
池でちらほら見かけるようになった。
モートンイトトンボ
♂
♀
未成熟♀
お、なんか旨そうなもの食ってるな :)
6月上旬に行った時と比べて、見かける未成熟♀の数が減った。
今回も交尾、産卵を観察できず。見に行く時間帯が遅いんだろうな。
ギンヤンマ
連結産卵
別の雄が何度か邪魔をしてきて、雄を溺れさせて連結を解こうとしていた。
単独産卵
昨年同様、ギンヤンマが発生し始めたフィールドで単独産卵を見かけた。まだ個体数が少なく、ライバルの雄がほぼいない状況では、連結産卵は不要と判断する雄が出てくるのだろう。
今年は5月中旬にギンヤンマを初確認したのだが、ようやく今年初めて撮影する(=静止個体を見つける)ことができた。
ウチワヤンマ
池にて数頭を確認。
ウチワヤンマ(ウチワヤンマ亜科)を見るたびに「腹部第8節にある"ウチワ"の存在意義とは?」「何故ウチワ状になったのだろう」と思う。
同じサナエトンボ科のオナガサナエ(オナガサナエ亜科)の雄は、腹部第7〜9節の幅が広い。その理由はわからないが、ウチワヤンマの「ウチワ」はそれが極端に発達したものなのだろうか。
オナガサナエ♂ 2017.07下旬
しかし、オナガサナエの雌は雄のように腹部が幅広くないので、雌雄共にあるウチワヤンマの「ウチワ」の存在とは関係がないようにも思う。
オナガサナエ♀ 2017.08下旬
また、オオシオカラトンボ(トンボ科シオカラトンボ属)の雌の腹部第8節は横に膨らむ。その理由にも興味がある。
オオシオカラトンボ♀ 2017.09上旬
ヤマサナエ
ヤマサナエ♀
見た瞬間、翅胸前面のL字模様が、いつも見る個体よりも細いのに気づいた。ヤマサナエの雌のL字模様は、雄に比べて細く、鋭角的になるそうだ。
ヤマサナエ♂ 2018.05中旬
雄のL字模様は太くて丸みがある。
ヤマサナエに似た種類にキイロサナエがあるが、静岡県RDL2017では絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されている。ヤマサナエの方は指定なし。散策エリアにキイロサナエは生息していないようなので、自分の場合、アジアサナエ属=ヤマサナエと判断してよさそうだ。
ヤマサナエ♀
オオヤマトンボ
再撮影に行ってきたが、相変わらずの写真レベルで、全く改善することができなかった。
オオヤマトンボと遊ぶの、もーやーめた :)
アキアカネ
未成熟♀
アキアカネは今年初見。
未成熟♂
今回唯一見かけた雄。
富士山麓の田んぼで、アキアカネの未成熟個体を5頭程見つけた。真夏日のため、葉の裏にぶら下がり、日除けにしているようだった。
この個体たちは、しばらくすると避暑地を求めて、涼しい高山へ移動する。避暑地で過ごすアキアカネを一度見てみたいものだが、ここの個体はどの辺りまで移動するのだろう。
マユタテアカネ
♀
富士山麓では既に発生していた。今年初見。
ミヤマアカネ
昨年に続き、未成熟個体の集団が田んぼの一画に集まっているところを観察できた。ただ、全体的に田んぼで見かける個体数はまだ少なく、ピークはもう少し先のように感じた。
成熟した♂の縁紋は赤い。今回、縁紋が赤い個体はほとんど見られず、白い個体ばかりだった。
真夏日のため、オベリスク姿勢をとる個体がよく見られた。
未成熟♂の縁紋は白い。
♀の縁紋は成熟・未成熟に関わらず白い(赤みを帯びる個体もいるとのこと)。
ただ、ほとんどの♂が未成熟だったので、♀も未成熟ばかりだったのだと思う。
ショウジョウトンボ
コフキトンボ
若齢♀(♂型)
腹部背面に白粉が吹き始めた状態。
♀(♂型)
腹部背面が白粉で覆われている。
コフキトンボはまだ見かける数が少ない。この場所(池の周辺)では例年7月が最盛期なのだが、今年はどうなのだろう。
ここでオビトンボ型の雌に会うのは今年も難しそうだ。
♀(オビトンボ型) 2016.07下旬
♂型のようには白粉が吹かない。
シオカラトンボ
久しぶりに交尾を見ることができた。産卵までは見届けられず。
オオシオカラトンボ
池や湧水地の周辺で確認。
撮影はできなかったが、交尾飛翔と産卵を観察した。
ハラビロトンボ
未成熟♀
成熟♀
老熟♀
未成熟♂
黒化し始めた未成熟♂
半成熟♂ 2018.04下旬
黒化した♂の撮影を後回しにして、そのまま忘れてしまった、、。
成熟♂ 腹部背面が青白い粉を帯びている。
富士山麓のとある湿地ではそろそろ最盛期のようで、ハラビロトンボだらけだった。また、田んぼでもちらほら見かけた。
4月下旬から出現し始めた平地の水辺周辺では、姿が消えていた。そこは羽化したハラビロトンボが成熟するまで過ごすために利用されていて、成熟後の繁殖活動は立ち入ることができない場所で行われているようだ。そのため、ハラビロトンボはもうほとんどいないのか、まだ繁殖活動が続いているのか、現在の状況は不明。
チョウトンボ
この雄は頻繁に縄張り争いをしながら、長時間飛び続けていた。漸くとまったところを撮影。それにしても、金属光沢をもつ青紫色の翅が美しい。
翅が損傷している♂。激しい縄張り争いが繰り返され、翅がぶつかり合う。また、上空まで急上昇して争う様子が時々見られる。それは、チョウのようにひらひらと飛ぶ姿からは想像できない。
別の池の周辺では10頭ぐらいが集まり、静かに草にとまっていた。写真下の個体は♀だが、♂も一緒にとまっていた。ここでは縄張り争いは見られなかった。これはどのような状況なのだろう。曇り始めた天気、時間帯(15時頃)が関係するのか?♀や未成熟♂の休息場所?
今回の観察では交尾や産卵も見られたのだが、撮影はできなかった。正確には、交尾は飛びながら行われ、交尾時間は短いので撮影は難しく、産卵シーンは暑さにやられて撮影する気力がなかった。ともあれ、これは絵になるなと思いながら、チョウトンボの交尾飛翔を鑑賞させてもらった。
コシアキトンボ
良い場所を巡って縄張り争いに明け暮れる雄もいれば、ライバルがいない場所にとまって静かに雌を待つ雄もいる。この雄は後者を選び、その戦略は成功していた。
交尾後、間髪を入れずに産卵する♀。♂が警護飛翔していた。
池の周辺の樹木の枝に10頭程の♀が集まってとまっていた。
6月29日に関東・甲信地方の梅雨明けが発表された。水不足が少し心配だが、東海地方の梅雨明けも近いのだろう。明日から7月。梅雨明け後のトンボ観察が楽しみだ。
〜7月の個人的注目種〜
アオイトトンボ、コバネアオイトトンボ
モノサシトンボ
アジアイトトンボ、ホソミイトトンボ@夏型、ムスジイトトンボ♀、ベニイトトンボ
コシボソヤンマ
タイワンウチワヤンマ、コオニヤンマ、オナガサナエ、オジロサナエ
オニヤンマ
ヒメアカネ、コフキトンボ(♀オビトンボ型)、オオシオカラトンボ♀
全16種
目標はこの中の8種以上の撮影。結構厳しいかも・・・
〜6月下旬に観察したトンボ〜
オオアオイトトンボ*
アサヒナカワトンボ、アオハダトンボ、ミヤマカワトンボ、ハグロトンボ
アオモンイトトンボ、クロイトトンボ、セスジイトトンボ、ムスジイトトンボ、モートンイトトンボ
クロスジギンヤンマ、ギンヤンマ
ウチワヤンマ、ヤマサナエ
オオヤマトンボ
アキアカネ*、マユタテアカネ*、ミヤマアカネ*
ショウジョウトンボ、コフキトンボ
シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ハラビロトンボ
チョウトンボ*、コシアキトンボ、ウスバキトンボ
全26種
* 今年初見
オオアオイトトンボ
未成熟♂
未成熟♀
羽化して間もないためか、翅を閉じたままとまっている。
田んぼ周辺で未成熟個体を数頭見つけた。今年初見。
この後、近くの林の中に入って未成熟期を過ごし、秋になると繁殖活動のためにこの水辺に戻ってくるのだろう。
林内で過ごす未成熟♂ 2017.07上旬
アサヒナカワトンボ
♀ この川周辺では12月頃まで見られるが、7〜8月は個体数が少ない。9〜10月になると復活してくる。
河川や湧水地周辺で確認。見かけるフィールドが減ってきた。また、見かけても個体数は少ない。
アオハダトンボ
♂
♀
♀
雄1頭、雌2頭を確認。
雄がとまっている草から水面に落ちて溺れた振り(?)をし、近くにいる雌にアピールする様子を観察することができた。その後、雄が雌の翅の上にとまるような素振りを見せたのだが、結局、交尾には至らなかった。
産卵基質であるナガエミクリが相変わらず完全な沈水状態であることもあってか、今年はまだ交尾を観察することができていない。
ミヤマカワトンボ
♂ @富士山麓の川
この川では5月中旬に初確認。6月上旬に観察した時よりも、個体数が若干減っていた。昨年は6月〜7月上旬が見頃だった。
♂ @狩野川水系
この川では5月下旬に初確認した。その時と比べて個体数は増えていたが、ピークはまだこれからといった感じ。この川での昨年のピークは7月下旬〜8月中旬。
ミヤマカワトンボを見かける機会が増えてきた。ただし、その発生消長はフィールドによって異なる。
ハグロトンボ
上は♂、下は未成熟♀ @富士山麓の川
この川では7〜8月の間、多数の個体が見られる。
アオハダトンボと混棲していたハグロトンボの雌。雌の場合、白い偽縁紋の有無で両者を区別できる。しかし、雄の場合、識別が難しい場合がある。この雌個体は一時的に腹部を曲げて産卵するようなポーズをとったが、すぐに腹部をまっすぐに戻した。
アオモンイトトンボ
♂
♀(同色型)
雄と同色タイプで、♂型あるいは同色型と呼ばれる。雄同様、肩縫線上に黒色条がある。
♀(異色型)
異色型または基本型と呼ばれ、未成熟時はオレンジ色をしていて、成熟すると全身がほぼ淡緑色になる。このタイプは肩縫線上に黒色条がのらない。
♀(同色型?)
翅胸前面が真っ黒な雌。
アオモンイトを観察するいくつかのフィールドでは、1回目の最盛期(5〜6月上旬)が終わり、現在は個体数が少ない状況。そこでの昨年の2回目の最盛期は7月中旬〜下旬だったが、今年はどうだろう。
クロイトトンボ
♂ とまっているのはハゴロモモの花。
セスジイトトンボ
♂
♂は交尾をしながら、腹部をドックン、ドックン動かしていた。交尾と移精(精子を腹端の精巣から副性器へ移す)の同時進行だったのかもしれない。
セスジイトトンボがいた赤どぶ池ではハスの花が咲いていた。ハスの花を見に来たおばさまたちが口々に「去年はもっと近くでハスの花が見れたのに」と言っていた :)
ムスジイトトンボ
♂
この池のムスジイトは、人の気配を感じると沖の方に飛んでいってしまうことが多い。今回は静止して、撮影に協力的だった。
田んぼ脇水路では10頭以上を確認。すべて雄で、今年はまだ雌を見ていない。
池でちらほら見かけるようになった。
モートンイトトンボ
♂
♀
未成熟♀
お、なんか旨そうなもの食ってるな :)
6月上旬に行った時と比べて、見かける未成熟♀の数が減った。
今回も交尾、産卵を観察できず。見に行く時間帯が遅いんだろうな。
ギンヤンマ
連結産卵
別の雄が何度か邪魔をしてきて、雄を溺れさせて連結を解こうとしていた。
単独産卵
昨年同様、ギンヤンマが発生し始めたフィールドで単独産卵を見かけた。まだ個体数が少なく、ライバルの雄がほぼいない状況では、連結産卵は不要と判断する雄が出てくるのだろう。
今年は5月中旬にギンヤンマを初確認したのだが、ようやく今年初めて撮影する(=静止個体を見つける)ことができた。
ウチワヤンマ
池にて数頭を確認。
ウチワヤンマ(ウチワヤンマ亜科)を見るたびに「腹部第8節にある"ウチワ"の存在意義とは?」「何故ウチワ状になったのだろう」と思う。
同じサナエトンボ科のオナガサナエ(オナガサナエ亜科)の雄は、腹部第7〜9節の幅が広い。その理由はわからないが、ウチワヤンマの「ウチワ」はそれが極端に発達したものなのだろうか。
オナガサナエ♂ 2017.07下旬
しかし、オナガサナエの雌は雄のように腹部が幅広くないので、雌雄共にあるウチワヤンマの「ウチワ」の存在とは関係がないようにも思う。
オナガサナエ♀ 2017.08下旬
また、オオシオカラトンボ(トンボ科シオカラトンボ属)の雌の腹部第8節は横に膨らむ。その理由にも興味がある。
オオシオカラトンボ♀ 2017.09上旬
ヤマサナエ
ヤマサナエ♀
見た瞬間、翅胸前面のL字模様が、いつも見る個体よりも細いのに気づいた。ヤマサナエの雌のL字模様は、雄に比べて細く、鋭角的になるそうだ。
ヤマサナエ♂ 2018.05中旬
雄のL字模様は太くて丸みがある。
ヤマサナエに似た種類にキイロサナエがあるが、静岡県RDL2017では絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されている。ヤマサナエの方は指定なし。散策エリアにキイロサナエは生息していないようなので、自分の場合、アジアサナエ属=ヤマサナエと判断してよさそうだ。
ヤマサナエ♀
オオヤマトンボ
再撮影に行ってきたが、相変わらずの写真レベルで、全く改善することができなかった。
オオヤマトンボと遊ぶの、もーやーめた :)
アキアカネ
未成熟♀
アキアカネは今年初見。
未成熟♂
今回唯一見かけた雄。
富士山麓の田んぼで、アキアカネの未成熟個体を5頭程見つけた。真夏日のため、葉の裏にぶら下がり、日除けにしているようだった。
この個体たちは、しばらくすると避暑地を求めて、涼しい高山へ移動する。避暑地で過ごすアキアカネを一度見てみたいものだが、ここの個体はどの辺りまで移動するのだろう。
マユタテアカネ
♀
富士山麓では既に発生していた。今年初見。
ミヤマアカネ
昨年に続き、未成熟個体の集団が田んぼの一画に集まっているところを観察できた。ただ、全体的に田んぼで見かける個体数はまだ少なく、ピークはもう少し先のように感じた。
成熟した♂の縁紋は赤い。今回、縁紋が赤い個体はほとんど見られず、白い個体ばかりだった。
真夏日のため、オベリスク姿勢をとる個体がよく見られた。
未成熟♂の縁紋は白い。
♀の縁紋は成熟・未成熟に関わらず白い(赤みを帯びる個体もいるとのこと)。
ただ、ほとんどの♂が未成熟だったので、♀も未成熟ばかりだったのだと思う。
ショウジョウトンボ
コフキトンボ
若齢♀(♂型)
腹部背面に白粉が吹き始めた状態。
♀(♂型)
腹部背面が白粉で覆われている。
コフキトンボはまだ見かける数が少ない。この場所(池の周辺)では例年7月が最盛期なのだが、今年はどうなのだろう。
ここでオビトンボ型の雌に会うのは今年も難しそうだ。
♀(オビトンボ型) 2016.07下旬
♂型のようには白粉が吹かない。
シオカラトンボ
久しぶりに交尾を見ることができた。産卵までは見届けられず。
オオシオカラトンボ
池や湧水地の周辺で確認。
撮影はできなかったが、交尾飛翔と産卵を観察した。
ハラビロトンボ
未成熟♀
成熟♀
老熟♀
未成熟♂
黒化し始めた未成熟♂
半成熟♂ 2018.04下旬
黒化した♂の撮影を後回しにして、そのまま忘れてしまった、、。
成熟♂ 腹部背面が青白い粉を帯びている。
富士山麓のとある湿地ではそろそろ最盛期のようで、ハラビロトンボだらけだった。また、田んぼでもちらほら見かけた。
4月下旬から出現し始めた平地の水辺周辺では、姿が消えていた。そこは羽化したハラビロトンボが成熟するまで過ごすために利用されていて、成熟後の繁殖活動は立ち入ることができない場所で行われているようだ。そのため、ハラビロトンボはもうほとんどいないのか、まだ繁殖活動が続いているのか、現在の状況は不明。
チョウトンボ
この雄は頻繁に縄張り争いをしながら、長時間飛び続けていた。漸くとまったところを撮影。それにしても、金属光沢をもつ青紫色の翅が美しい。
翅が損傷している♂。激しい縄張り争いが繰り返され、翅がぶつかり合う。また、上空まで急上昇して争う様子が時々見られる。それは、チョウのようにひらひらと飛ぶ姿からは想像できない。
別の池の周辺では10頭ぐらいが集まり、静かに草にとまっていた。写真下の個体は♀だが、♂も一緒にとまっていた。ここでは縄張り争いは見られなかった。これはどのような状況なのだろう。曇り始めた天気、時間帯(15時頃)が関係するのか?♀や未成熟♂の休息場所?
今回の観察では交尾や産卵も見られたのだが、撮影はできなかった。正確には、交尾は飛びながら行われ、交尾時間は短いので撮影は難しく、産卵シーンは暑さにやられて撮影する気力がなかった。ともあれ、これは絵になるなと思いながら、チョウトンボの交尾飛翔を鑑賞させてもらった。
コシアキトンボ
良い場所を巡って縄張り争いに明け暮れる雄もいれば、ライバルがいない場所にとまって静かに雌を待つ雄もいる。この雄は後者を選び、その戦略は成功していた。
交尾後、間髪を入れずに産卵する♀。♂が警護飛翔していた。
池の周辺の樹木の枝に10頭程の♀が集まってとまっていた。
6月29日に関東・甲信地方の梅雨明けが発表された。水不足が少し心配だが、東海地方の梅雨明けも近いのだろう。明日から7月。梅雨明け後のトンボ観察が楽しみだ。
〜7月の個人的注目種〜
アオイトトンボ、コバネアオイトトンボ
モノサシトンボ
アジアイトトンボ、ホソミイトトンボ@夏型、ムスジイトトンボ♀、ベニイトトンボ
コシボソヤンマ
タイワンウチワヤンマ、コオニヤンマ、オナガサナエ、オジロサナエ
オニヤンマ
ヒメアカネ、コフキトンボ(♀オビトンボ型)、オオシオカラトンボ♀
全16種
目標はこの中の8種以上の撮影。結構厳しいかも・・・