IBus関連の不具合がこんなに重なったのって実は初めて……?
最初に問題になったのは
強制的にXIMになっちゃうってので、im-swichの設定ファイル(/etc/X11/xinit/xinput.d/ibus)に書いてあるtestがこけてXIMになっちゃってました。
XIMだとユーザビリティが損なわれるのはいうまでもないことなので(候補ウィンドウがどこに出るかわからんとか最悪すぎる)、いちおうパッチを作成して添付しました。
放置されているうちにIBusのバージョンが1.3.99に上がりました。なんかdh_python2なるものを使いたいがためにバージョンアップしたようですが、これが何なのかは調べてません。
すると、なんとなんと
アプレットもツールバーも候補ウィンドウも表示されなくなったじゃないですか。
とはいえ、直接的な原因はバージョンアップではないんですけどね。Ubuntu特有のパッチが悪さしてたので。
どうやってデバッグすればいいのか考えましたが、IBusはim-switchで起動しています。スクリプトを読むと"/usr/bin/ibus-daemon --xim"を起動しているだけですし、"ibus-daemon --help"を見ると--verboseもあります。
ってなわけで、今あるibus-daemonのプロセスをぶっ殺して(kill)、"/usr/bin/ibus-daemon --xim --verbose"を見ると、Ubuntu独自パッチ(indicator対応)あたりでこけていることがわかります。
このパッチを外すとちゃんと起動するので、こいつが有罪で確定です。
そっから先はどうしたらいいのかよくわからなかったので、このエラーログをissueに書きました。
パッチを外してビルドしたパッケージを放り込んでみると、
ibus-anthyの設定画面が起動しません。
OneiricではGTK+2からGTK+3への移行(transition)が盛んに行われているので、今まで入っていたモジュールが入らなくなり、起動しなくなったようです。
要するに依存関係不足です。明確に足りないもの(python-glade2)だけを依存関係に足したら、必要なものを全部書け、と言われました。当然だとは思いますが、よくわからんぞ……?
IBusが1.3.9から1.3.99にバージョンアップするにあたり、ライブラリの名称も変更になっています(libibus2→libibus-1.0-0)。
これに依存しているIBusのモジュールを探してみると、ibus-mozcだけがヒットしました。-devパッケージの名前も当然変わっているので、
これを変更して再ビルドする必要があります。
これをやらないと、Ubuntu 10.04だったか10.10だったかの頃に問題になった(って、そのへんから拾ってきたパッケージや自前でビルドしたパッケージをインストールしておかしくなったとかいわれてもしらんのだが)、候補ウィンドウが出ないとか、あまり詳しく覚えていないもののそういう問題が再発するところでした。
ここまでバグ報告して、まとめてubuntu-develにメールを書いたら、あっという間に対応してもらえました。
とはいえ、上記のとおりibus-anthyだけは残作業として残っていますが。
とりあえずOneiricを最新の状態にアップデートし、ibus-mozcをインストールするかpython-glade2をインストールすれば日本語入力できると思います。
(いえ、設定画面を出さないのであればpython-glade2いらないですけどね)
ここまで致命的なものはないものの、他にもいくつか気づいている不具合はあるので、おいおい修正してもらおうと思います。
大部分の人がこれを読んでもなんのこっちゃ理解できないと思いますが、ディストリビューターってのはこんな事をやってますよというのがちょっとでも伝われば。
私もこれで「Ubuntuでは日本語入力関連のメンテナンスをしています」と言っても許されるレベルでいられるでしょうか。。