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トシリズマブ(中外製薬の「アクテムラ」)
4月8日、スイスの製薬大手ロシェグループの中外製薬は、新型コロナウイルス肺炎治療薬としての承認取得に向け、抗ヒトIL-6(インターロキシン6)モノクローナル抗体製剤、「アクテムラ」(ACTEMRA)(一般名:トシリズマブ)の国内治験(第III相臨床試験)を実施すると発表した。
治験の対象は、国内の重症COVID-19肺炎の入院患者。中外製薬は「今後試験の詳細を確定の上、速やかな患者登録の開始を目指す」としている。
アクテムラは、中外製薬が開発した国産初の抗体医薬品。国内では関節リウマチ、キャッスルマン病などの治療薬としてすでに承認され、海外では米国、欧州で承認されている。
「アクテムラ」は他の生物学的製剤とは異なり、インターロイキン6(IL-6)という物質が引き起こす「免疫暴走(サイトカインストーム)」の働きを抑えるモノクローナル抗体製剤で、体内で過剰に作られたIL-6は免疫暴走を誘発して、炎症を引き起こす作用がある。関節リウマチの患者では、炎症に由来する様々な症状を発生させる。「アクテムラ」はIL-6が入り込もうとする受容体に結合して、IL-6が受容体に結合するのをブロックすることで炎症に由来する様々な症状を抑えて関節破壊の進行を抑制して症状を改善する。
海外では、3月19日に、中外製薬の親会社のロシュ社(スイス)が、重症COVID-19肺炎の入院患者約330例を対象に、アクテムラの安全性・有効性を評価する第III相臨床試験の開始を発表している。
重症の患者に対するアクテムラの効果については、国内の研究者・臨床医から期待する声が上がっており、ノーベル医学生理学賞受賞者の本庶佑京大特別教授も4月6日付で公表したCOVID-19対策の緊急提言で、①急性期には抗ウイルス剤「アビガン」、②重症肺炎時の炎症反応の暴走時にはトシリズマブ(アクテムラ)などを実地導入すべきとだとしている。
免疫暴走(サイトカインストーム)の抑制
トシリズマブ(アクテムラ)は、フランスでは、129人の新型コロナウイルスの患者に投与したところ、アクテムラを投与しなかった患者に比べて、著しく死者が減少したという報告がされている。また中国では、2020年3月から重症の患者に投与したところ、20人中19人が症状が改善し、約2週間で退院したという症例が報告されている。
国内では、大阪はびきの病院では重症患者にアクテムラを投与したところ、全員が症状改善に向かったとしている。
インターパーク倉持呼吸内科院長の倉持仁氏は、「関節リュウマチの患者にはアクテムラをすでに使用しているが、通常、重症の感染症がないことやリューマチ内科の専門医と一緒になって治療にあたっていくことが重要だ」と述べ、「アクテムラを使用すると、どしても感染症がおこったり足が壊疽したりすることが発生する。普通は血液検査でCRPという数字が上昇したり、発熱したりしたりして気が付くことが多いが、アクテムラを服用しているとこうした症状がカバーされてしまい気が付かないケースが発生する。アクテムラ使用の臨床体験がある医師の十分な診療体制が不可欠である」とした。(出典 テレビ朝日 羽鳥慎一モーニングショー 5月6日)
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国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)
2020年6月1日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
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International Media Service System Research Institute(IMSSR)
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