はじめに
このシリーズは、
哲学を分かりや
すく、紐解く事
のみに集中して
いく所存である。
それ故、哲学用語
は、解説も含めて、
数多く用いるが、
哲学者の名前には、
出来るだけ触れず
に、進めていくの
で、読者には、予
め、ご了承願いた
いと存ずる。
貴族的価値評価法
貴族的価値評価法
とは、
自分の力が
自発的に
発揮された時に
感じる
「自己肯定感」
に、基づいて
価値を判断する
方法である。
自分の
行動や能力
によって
得られる
満足感や
高揚感が、
「良い」
と、される
価値の基準
となる。
具体例を
以下に示す。
➀スポーツ
サッカー選手が
試合で素晴らしい
プレーをした時、
「今日の俺の
動きは
只者じゃないぞ。
ひょっとして
オレって天才か?」
と感じる。
➁音楽
作曲家が曲を作って
いる際、
素晴らしいメロディ
が、次々と浮かび、
「今日は溢れる
ように
メロディが
出てくるぞ」
と感じる。
③ 仕事
営業職の人が、
難しい顧客
との交渉を
成功させた時、
「この案件を
まとめられた
のは、
まさに、
私の実力だ」
と感じる。
④日常生活
料理を作った
人が、
その出来栄えに
満足し、
「今日の料理は
最高だ!」
と感じる。
これらの例では、
自分の行動や
能力によって
何かを
成し遂げた事に
対する
満足感や
達成感が、
「良い」
という
価値判断の
基準と
なっている。
ここで、
貴族的価値評価法
の特徴を以下に
示す。
➀自己中心的
自分の
感情や感覚が
価値判断の
基準と
なるため、
主観的で
自己中心的な
傾向がある。
➁肯定的な感情
自分の能力を
発揮できた事に
よる
肯定的な感情
(喜び、高揚感、
達成感など)
が、重視される。
③ 能動性
自分の意志で
行動し、力を
発揮することが
重要で価値が
ある。
僧侶的価値評価法
僧侶的価値評価法
とは、
神
(=あるいは
普遍的な
道徳や倫理)
の視点から価値を
判断する方法で
ある。
神の教えや戒律に
かなっているか
どうかが、
「善」
とされる
価値の基準と
なる。
具体例を
以下に示す。
➀宗教
宗教家が、
神の教えに
従って
正しい行いを
しようと努める。
➁道徳
人が、
社会の
ルールや
倫理観に
従って
行動する。
③ボランティア
ボランティア
活動をする人が、
困っている人を
助けることは
正しいことだと
信じて行動する。
④日常生活
親が、
子どもに対して
正直で思いやりの
ある人になるように
教える。
これらの例では、
神の教えや
社会の規範に
かなっているか
どうかが、
「善」
という
価値判断の基準
となっている。
僧侶的価値評価法
の特徴を以下に
示す。
➀利他的
自分の感情や
欲求よりも、
神や他者の
ために
行動する事が
重視される。
➁客観性
神や普遍的な
道徳という
客観的な基準に
基づいて
価値判断が
行われる。
③受動性
神の意志や
社会の規範に
従うことが
重要で価値が
ある。
二つの価値評価法の対比
<貴族的価値評価法 >
➀価値の基準
自分の能力の
発揮による
肯定的な感情。
➁行動の動機
自己満足、
自己肯定感の
追求。
③特徴
自己中心的、
能動的。
< 僧侶的価値評価法>
➀価値の基準
神
(=または
普遍的な道徳)
➁行動の動機
神の意志、
他者への奉仕。
③特徴
利他的、
客観的、
受動的。
総合
ある哲学者は、
貴族的価値評価法
を、肯定的に捉え、
僧侶的価値評価法
を、批判的に捉えた。
一方で、
現代社会では、
個人の自由や
自己実現が
重視されるが、
社会的な責任や
倫理観も求めら
れており、
二つの
価値評価法の
バランスを
取ることが
重要と言える。
これらの価値観を
理解することで、
自分自身の行動や
価値観を深く
理解する一助
となるかも
しれない。