箱庭ドーナッツ 4.0

はこにわです
思いつきで書いています

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2020年07月28日 | 日記

地面は静かに寝ていた。

そこにセミが落ちてきた。

ばたばたあばれて死んだ。

そのあいだも地面は寝ていた。

お葬式はなかった。

セミは土になり地面になった。

静かに。


2020年07月23日 | 日記

生きている死体が歩いてゆく。

だれもいないところをずっと。

ずっと歩いたがなにもおきなかった。

死体は生きるのをあきらめた。

寝ころんで死ぬのをまった。

むだなこと。

すでに死んでいるから。


2020年07月22日 | 日記

たまには死神でも自分がいやにもなる。

ためいきをしたのを、犬がみていた。

えさがほしいだけだったからしらない。

車が来た。おわり。


4

2020年07月19日 | 短いお話 創作

しらない家の廊下を進む。どこかから音がする。

その方向に進んでいく。音が大きくなっていく。

ガンガン。がんがんがん。やがて部屋についた。

そこから音がきこえる。扉をあけようとした。

鍵がかかっていた。たたいた。ガンガン。がんがんがん。

中から扉がひらかれたが外には誰もいなかった。


3

2020年07月17日 | 日記

枝が折れた。そのまま落ちた。

落ち続けてずうっとずうっと落ちた。

きっとりんごもそうだったはずだ。

下へ下へ。ずうっとだ。


1

2020年07月14日 | 短いお話 創作

靴は壊れた傘を憐れんだ。

だけどよごれて捨てられた。

もうどこにも彼はいない。

傘は一人でどぶから空をみた。

夕日は不気味に赤く美しかった

カラスがガアとないた。