Winds is blowin' from ARAI

南信州松川町
ちいさな街のちいさな出来事・・・

閑話きゅ~~~~~~けい! 活字中毒の日々!

2010年02月09日 | Weblog
_
先月1月ははどうもこうも 久しぶりの活字中毒症候群にみまわれまして、
まあ大体、年に3・4回やってくるんですが、
きっかけとなったのは、上の宝島社の「このミステリがすごい!2009年版」です。

毎年この時期、年末年始の一応忙しい時期が終わると、これ買ってきて
最近のミステリの動向何ぞを見ようかと。。。

本にのめり込んで行く訳であります。

でこんなブログをアップしようと思ったきっかけになったのは、
海外部門の第2位・9位・10位を獲得した「ミレニアム」シリーズです!
そもそも、ミステリは洋物の方が好みで、日本物のはあんまし好きでなくて。。。
ベストセラーもあんまし読みません。

ミレニアムは噂に聞いていましたし、本屋でも気になっていたのですが、
ハードカバーサイズの上下本で、(なのにハードカバーじゃないのが気にかかる。。。)
1冊1600円なので、6冊買うたら、万に届いてしまう。。。 と悩んでおりました。

    

いやぁ~ おもしろい!
久々にいいミステリと出会いました。
解説にもある通り、第1部「ドラゴンタトゥーの女」は、
孤島密室ミステリーあり、猟奇殺人あり、企業謀略あり、富豪一族の確執あり、アクションありと、ミステリ満載のしかけで、なおかつ、自虐的な自国の批判やマスコミ批判ありで、
きちんとした作りになっております。
and なにより、ヒロインの人物造詣がいい。

つづく第2部「火と戯れる女」でそのヒロインの過去があきらかになる
ノワール小説、警察小説の趣あり、ハードボイルドあり、復讐劇あり、と
またまた趣向をかえて面白い!

ラスト3部「眠れる女と狂卓の騎士」は大団円を迎えて、
これまたポリティカルミステリというか、政治がらみというか、スパイ小説というかで、
後半は法廷に場所をうつしたリーガルサスペンス。
とミステリのありとあらゆる要素と魅力がつまっております。



惜しむらくは、作者スティーグ・ラーソンの急逝により、これより先が読めないこと。。。
誠に残念しごくであります。
  (どうやら4部の書きかけ原稿があるらしいが、遺産相続でもめてるらしい)
ちなみに1部は母国スウェーデンでは映画化され、日本でも1月17日に公開されたところ。
観たいけれど、数館のみの上映で、とても田舎まではまわってこないでしょう。

『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』予告編


2部3部は、テレビドラマ化された後、編集で映画としても現地では公開されたらしい。
早くもハリウッドでのリメイクが決定したようです。
   頼むから、へんな映画作るなよ~~~。



ミレニアムに先立って読んだのが、ジェフリー・ディーバーの「ソウルコレクター」
ディーバーのリンカーン・ライムシリーズは、追っかけで読んでいまして、
世の中的には、デンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーの映画「ボーン・コレクター」が有名なところですが、
出る本すべて、ハードカバー、2段組の5センチ厚、読み応え充分です。
今回の「ソウルコレクター」でもう8冊目くらいかな?
毎回出版されれば、「このミス」のベスト10の上位にくい込んでいます。
今回も5位になってました。
自分的にはちょと煮詰まってきて、飽きてきたかな~ という感じ。
というのも今回はタイミングがよくなかった。
この「ソウルコレクター」の直前に読んでいたのが、



服部真澄の「エクサバイト」という本で、
コンピューターの個人情報を操る作風が、ほとんど同じ部類だったのが、
自分の中だけで2盤煎じになってしまったのでせう。。。

  

次に読んだのが、1年程前に買って読む機会のなかった
デニス・ルヘインの「シャッターアイランド」
ルヘインといえば、映画「ミスティック・リバー」で有名ですが。。。
これも面白かった。。。ただラストのどんでん返しが。。。  ずるい!
ネタバレになるので、云えませんが「シックスセンス」的な感じで。。。
こちらは既にハリウッドで映画化済。4月に日本で公開予定です。
これでアカデミー賞?と思わせた「ディパーデット」のスコセッシ&ディカプリオのコンビです。
ディカプリオがこの本の映画化権をとったのですが、
いかにもディカプリオがやりたそうな役です。はまりすぎてて面白みにかけるかも。。。

映画『シャッター・アイランド』 予告




さて日本にうつります。
「このミス」2009年国内部門、第1位に輝いたのは、東野圭吾の「新参者」
なんでいまさら。。 推理作家協会新理事長だから。。  ?

先に読んだ2009年の江戸川乱歩賞「プリズントリック」の帯に東野氏が
「乱歩賞、最大のトリック」と絶賛してあったので、読んだのですが。。。a re re
東野さん「なんで。。。???」という内容の本だったので、、、

  

で「新参者」ですが、読み始めた時は「これ、宮部みゆき?」といった感じがしました。
それが新境地ということなのかなぁ~。
雑誌連載ものをまとめた物なので、短編の積み重なりです。
よくいえば、読み易くて、重層的に広がりをみせるミステリなのでしょうが。。。

で続けて読んだのが、第2位の「ダブルジョーカー」
これ ミステリ? スパイ小説というかハードボイルドというか
こちらも同様に短編集の雰囲気が濃厚で、読み易いけど深みがまるでない。浅い。。。
謎解きもなく、ミステリと言い難い。 これ「読み物」でしょ (uwa kitui!)

この2冊が1・2位。 日本のミステリ、もっと頑張ってよ~~ と
思ってしまうのは、自分だけでしょうか。。。
ミレニアムがミレニアムだけに、ちょっと肩すかしくらった感じでした。

 

こちらは昨年の本屋大賞の受賞作「告白」
これは久々に面白かったし、読み応えがありました。
こちらも短編の連作の趣きがあります。宮部みゆきの「理由」のような形式で、
当事者たちの告白形式で物語、というか事件がつまびらかになっていきます。
面白いとおもったのは、内容もですが、それぞれの告白がなんのリンクもしていないところ。
もちろんお話としては、さまざまに関連して行くわけで、そこがおもしろいのですが、
告白する人間同士は、精神的になんのリンクもしていない。個々の内だけで帰結してる。
それが見えて来る構造がおもしろい。よくできた作品でした。
「新参者」の登場人物の人間関係と正反対です。下町と郊外の住宅都市との違いですね。

これも今年映画が公開されます。映画「告白」
主人公は 松たかこ。 違うだろう~!それ って感じです。
きっと映画では、この告白形式はなくなって、ただのストーリーになってしまうんだろうなー。
宮部みゆきの映画版「理由」は小説の形式そのままで、秀作でしたよ。
映画化唯一の希みは、監督が鬼才(奇才?)中島哲也監督(下妻物語etc.)というところ。
気分的には阪本順治監督(闇の子供たちetc)あたりがよかったな~。。。

  

真保祐一「追伸」 これも以前買ったままだったもの。
驚いた事に、これも全編手紙形式で短編集といえなくもない。
結局日本の小説は、雑誌連載をまとめるものが主流になるから、こうなるんだろうな~
いかんよ。
真保さんもかなり昔から追っかけていますが、
初期の小役人シリーズは面白かったなぁ~。
ディティールが、よくここまで調べたなーと言う感じで、すごかった。
どうもホワイトアウト以降、つまらなくなってきたような気がする。。。
これは朗読劇にならないかな、と思いつつ買うたのですが、、、
う~~む
真保さん、昔のような微に入り細に入り、調べ尽くした長篇が読んでみたいです。
映画「アマルフィー」では原作の名前をはずすなど、色々あったみたいですが。。。



これは昨年末に読んだ物。
2・3年前から追っかけ読んでる、海堂 尊の「極北クレイマー」
ミステリというより、最近は医療小説になりつつあります。
前作「イノセントゲリラの咆哮」にいたっては、まさしく「海堂尊の咆哮・鬱憤」って感じでした。
気持ちはよくわかるのですが、医療と裁判の話は、医者の側の論理という気がしてならない。
どこか論理が抜け落ちている、というか 視点が同じ所に居続けている。
でも面白いからいいや ってな感じになるのが、最近残念でなりません。



これは自分のおすすめ本です。
もう最近はミステリ系は書かなくなって、いわゆる文学してきている高村 薫の「照柿」です。
今日も新聞のコラムで小沢問題を書かれていましたが、
もう1回でいいので、ミステリ系書いてくれないかなぁ~~~

この他に自分が追っかけ読んでいるのは、
福井晴敏 (亡国のイージスなど  最近映画とガンダム系が増えてきてこれまた残念)
服部真澄 (龍の契り・鷲のおごり これまた最近ワクワクしない。)
京極夏彦 (京極堂シリーズは、オンボラギノキズのつまらなさに呆れて只今追っかけ中断)
ジョン・グリシャム (超訳本に翻訳がうつった時はどうしようかと思いました。白石朗 訳でなきゃ)
スコット・トゥロー (最近すっかり著作が見えなくなりました)
リチャード・ノース・パタースン (子供の眼 は名作です。最近翻訳が出ないんです)
グレン・ミード (雪の狼、熱砂の絆 は面白い! こちらも最近はたと著作がない。。。)

年令とともに追っかけ作家が増えてきて、追っかけきれなくなっています。

それよりなにより、結局追いかけ始めた頃の、最初の作品群が一番良くて
歳ととともにつまらなくなっていく。。。
作者の責任というより、こちらの感性が続いて行かなくなってるのが。。
悔しいけれど 事実ですね。

まただいぶ本がたまってきたので、
次のぺっかん楽市あたりで、また放出しようかな~~。
BookOffもいいけれど、オークションの方が高く売れそうですよ。。。

実は某H堂書店さんとは、どうも相性が悪くて、
売れている、又は売りたい本ばかりが、店頭にならんでいて、
文庫の量なんぞ自分が高校時代の頃の方がよっぽどあった気がしてしまいます。
まあ 本も売れなくなってきているので、大変でしょうが。。。

日本でiBookができたら、すぐ手を出しそうな気がします。
そしたら、iPad がほしくなるんだろうなぁ~~。

あやややや
えらく長くなってしまいました。
本の紹介をと思っていたのですが、肝心のストーリーやら何やらは何も書かずじまい。
Amazon あたりでレビューなんぞ見て下さい。

とりあえず『ミレニアム』はおすすめです。

よみからず。。。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。