0557。
寝台特急「はやぶさ」は岩国駅に到着しました。
降りてくる人は、アルミケースや脚立(もうこんなもの持ち込むのやめましょうよ)を持った岩国仕様な人たちかり。
乗客の過半が岩国で降りた模様ですw
駅前で、友人たちと合流します。
0620、2台のクルマに分乗して岩国駅前を出発。
0630、岩国基地内に入ります。(なぜ岩国名物大渋滞を回避できるのかは秘密ってことで)
駐車場で山賊むすびを食べていると、ワンちゃんが「ねぇねぇ、何食べてんの?」とたずねてきました。
ミミちゃん(6歳♀)
このミミちゃん、誰とでもすぐに仲良くなれるとってもいい娘。
今日一日、一緒に行動することにしましょう。
駐車場で0820まで時間をつぶし、エプロンエリアへ。
テロを警戒する米軍は、入場者全員のボディチェックと荷物チェックを行います。
コラコラそこでゴネてるオッサン!ここは米国領土内なのですよ!
海兵隊員が所持している拳銃は実弾入りであることをお忘れなく!
0920、フライト開始。
まずはヘリから飛び出したパラシュートチームが、日章旗と星条旗を吊るしながら降下してきます。
続いては今年の目玉の一つ、日本では6年ぶりに行われるハリアーのデモフライトです。
AV-8BハリアーIIは、世界的に有名な実用STOVL(Short Take-Off and Vertical Landing=短距離離陸垂直着陸)機。英国ホーカー社が開発した機体を、米国マクダネル社が大幅に改良し、一流の戦闘攻撃機にしました。武装を限定すれば垂直に離陸することも可能で、ハリアーのデモではこの最大の特徴を見せてくれます。
滑走距離100m未満という、超・短距離離陸を行ったハリアーは、最高速度に近いマッハ0.9(約1100km/h)で会場上空をパスした後、次の航過では速度を落とし、上空でピタリと停止します。
会場上空でホバリング、バック、超心地旋回(というのか?)という、ヘリコプターにしかできない機動を行ったハリアーは、そのまま垂直降下して滑走路に着陸します。
着陸後、しばらくアイドリングしてエンジンの排気温度と地上の熱がある程度下がったところで、再度出力を上げ、今度は垂直離陸。
垂直離陸中のハリアーII+
このように卓越した性能を持つ同機ですが、エンジン推力が不足しがちな問題、エンジンの構造上音速を出せない問題、燃費の悪さの問題など、運用に厳しい制限があるのが事実です。
いたっきいの目から見ても、離陸するのがせいぜいでとても苦しそうな印象を受けました。クリーンの状態でこれですから、武装していたらなお苦しいでしょう。
ハリアーの実戦配備開始から今年で40年。もう限界に近づいているのを感じます。
そして、これらの問題をすべてクリアするのが、現在評価試験中のF-35B(youtube動画)です。F-35Bが配備されれば、ハリアーは急速にその姿を消していくでしょう。ハリアーがなくなるのは寂しい限りですが、最新鋭機F-35B(F-35Aは空軍向け通常型、F-35Cは海軍向け艦上機型)を早く見てみたいものです。。。
目玉のひとつがフライトを終えたところで、海上自衛隊岩国基地所属のUS-1Aのフライトが行われました。
US-1A
改めて考えてみると、これは世界でも数少ない飛行艇(=空飛ぶフネ)なのです。
US-1Aは、今年の夏に部隊運用が開始される後継艇US-2にとって変わられることが決定しており、この機体・・・艇体もそう長くは飛べない運命にあります。。。
水上飛行艇らしいのんびりとしたUS-1Aのフライトの後は、俊敏なアクロ機の登場です!
まずはチーム・ディープブルースの室屋氏による、Su-26MXのフライト!・・・・って、あれれ???
てっきりSu-26がでてくるものとばかり思っていましたが、飛んだのはレッドブルカラーのエクストラ。
室屋氏は以前、レッドバロンのEXTRA300Lに乗っていた経験もあるので、不慣れな機体というわけではないはずですが、それでも完成度が高かったスホイでのフライトに比べれば高度が高く、乗りこなせていない印象を受けました。
でもスホイの力任せの機動よりも、空力的にスムーズな機動をするエクストラのほうがいたっきい好みではあります。
もしかしたらスホイとの2機体制になっているのかもしれませんが、どちらにせよ日本の空にエクストラが戻ってきたのはうれしいものです。(いつものSu-26MXも岩国のハンガーに置かれていました)
続いて、お待ちかねユルギス=カイリス氏の最新鋭機、本邦初登場のJU-KA(ユカ)です。
JU-KA離陸。。。
・・・・なんじゃそりゃー!
なんていうか、すっげえパワーで、メチャメチャ機体が軽くて、動翼の面積と作動角が大きい。
一言でいうと、まるでラジコン。
遊びの全くないクルマ・・・いや、F1マシンのようなものでしょうか。とにかく落ち着かない、安定感のない機体です。JU-KAの操縦には、ものすごく細かい修正操作が要求されるでしょう。
超低空をナイフエッジで飛びぬけるJU-KA
それにしても、あきれる動きです。
背面からコブラに入ったと思ったら、アウトサイドのままスモールループ・・・
宙返りの頂点でラムシェバック、そのまま機首を上に向けてトルクロール・・・
しかもエンジンを絞らない限りそのまま滞空し続けてるし・・・
パワーはSu-31に比べてもそう大きくなっていないはずなので、つまりは機体を軽くしているのでしょう。
あと、プロペラの径がものすごく大きい。
こんな化け物を扱えるのは世界一のアクロバットパイロット、ユルギス氏だけでしょう。
(※そもそもJU-KAはユルギス氏自身が、自分専用に設計したアクロ機です)
いやー、いいものを見ました。
これは秋の「もてぎ」が楽しみだなあ!
と、興奮冷めやらぬうちに、ここ数年おなじみになってきたF/A-18F、スーパーホーネットのデモが始まりました。
離陸!
大型の機体は肉眼では遅い速度に見えるためか、おいおい大丈夫か!?と心配になりそうな低速度でロールを行います。写真ではわかりませんが、コンピュータが尾翼を細かく震わせて姿勢を保っていました。パイロットは大まかな動きだけをスティックに入力し、機体の安定はコンピュータが制御しているFBW(フライ・バイ・ワイヤ)機ならではの動きです。
続いて、パワーにモノをいわせて急上昇。
インメルマンターンで方向を変え、降下して速度を稼ぎます。
・・・・!? 速い!!
音速に近いのか、無音でホーネットが接近してきます。
ピストルの弾の2倍ほどの速度で進入してくるホーネット!
機体を包み込む水蒸気(マッハコーン)!
これは機体の周囲の空気の一部が音速を超えるために起こる現象で、実際このとき「飛行速度は、マッハ0.99(1211km/h)を記録しました!」と放送されていました。
スーパーホーネットはデモフライトでこれを積極的に見せるように飛ぶため、今日のように湿度の高い日には比較的簡単に見ることができます。
また艦上機であるF/A-18Fでは、空母への着艦を模擬的に行う、シュミレーションT/Gも見せてくれます。ギアとフラップ、アレスティングフックを下げ、滑走路への接地寸前に引き起こして再度急上昇。
ギアを出したまま上昇旋回するホーネットは実に格好いい!と思うのはいたっきいだけでしょうか?
このF/A-18E/Fスーパーホーネットは、自衛隊のF-4EJ/改ファントムの後継機(FX)の候補に挙がっています。対抗馬は、F-15FXアドバンスド・イーグルと、ユーロファイター・タイフーン。
運用の都合から言えばF-15FXに分がありそうですが、日の丸ホーネットもぜひ見てみたい。
え?F-22A?
あれはまだダメです。第一、米議会が輸出を承認してませんから。(今回のFX候補からもF-22A、F-35Aは当然外されています)
ホーネットのキレのある演技の興奮もまだ冷めやらぬうちに、再びアクロ機のフライトが始まります。
今度は、室屋氏のエクストラと、ユルギス氏のJU-KAでの編隊アクロ!
この即席チーム名は、Air Bandits=空賊 です。
見るたびに演技の完成度が増す2人。
そろそろフォーメーションでアクロの選手権に参加できそうな勢いです。
なお、JU-KAの高性能の秘密(=軽さ)は、光線の具合によってハッキリ見ることができました。
外板ペラペラやん!
軽量化のために外板を薄くするのはよく使われる手法ですが、まさかここまでペラペラだったとは。。。
正直ビックリです。これじゃまるで「零戦」か「隼」です。
JU-KAはこのあと地上に張られたテープをカットして、演技を終えました。
しばらく休憩をはさみ、ミミちゃんと遊んでいるうちにブルーインパルスのショーが始まりました。
残念ながら曇天で湿度も高く視界も不良とのことで、編隊をほとんど崩さない演技(=編隊連携機動)を行いました。
いたっきいは、かれこれ50回以上はブルーのフライトを見ていますので、かえってこういう区分も面白いと感じますが、多くの方にとっては不完全燃焼だったでしょう。。。
デルタ・ダーティ・ローパス
緊密な編隊を組むブルー。なんの演技だったかな?
演技の後半で編隊を崩し、レベル・キューピット、ファンブレイク、ナイフエッジと続け、最後はレベル・オープナーで締めくくりました。
ブルーの後もまだフライトは終わりません。
トリを飾るのは、PACAF(太平洋航空軍)所属のF-16CJ-50(52?)。
スーパーホーネットのような複雑で不可解な動きこそできませんが、速くシャープな演技は今でも十分見応えがあります。
エルロンロール中
F-16のフライトをもって、飛行展示は終了。
最後は、いつものように渋滞がひくのを待つ間、地上展示を見て回りました。。。
海上自衛隊新型汎用・輸送ヘリ MCH-101の2号機(手前)と、
そのMCH-101に取って代わられる、CH-53E(奥)
ミミちゃん、A-10のパイロットにも大人気!
GAU-8 Avenger 30mmガトリング砲
+25FSのパイロット
+いたっきい
・・・やっぱり30ミリガトリングあってのA-10(youtube動画)ですなあ。。。
渋滞もそろそろなくなった1700頃、駐車場出発。
友人Y.K氏による岩国脱出ルート、「怒涛の地元民コース」で全く渋滞にもつかまらず、1820にはいつものわたや大野店にて会食。
2000には広島駅で土産を買っていました。
心配されたUターンラッシュも・・・このとおりガラガラ。
広島発の新幹線、0系「こだま」。。。
シート配置は2列×2列で実に快適(ドア位置は3列×2列時代のまま)だし、人は少ないしで、時間があれば「こだま」もいいもんです。
22:30相生着。実家に泊まり、翌朝0600姫路初の「のぞみ」で東京着0908。そのまま築地の某編集部に仕事に行きました。
一昨日の夜に編集部を出てから32時間。その間に電車で山口まで行き、航空ショーを一日楽しんで兵庫の実家に泊まり、朝1000には何食わぬ顔で仕事にでる。これほどあわただしいスケジュールも久しぶりですが、とても充実した一日半でした。
某編集部にて。
お茶請けにもみじ饅頭を出したら呆れられるかな?と思いきや、「ライターはそれくらいフットワークがないとな」と一言で片付けられてしまいました。むしろ「そんな面白そうなこと、なぜ誘ってくれない!」といわれる始末。。。この業界では突発的に失踪する出かけることには全く違和感がないらしいです。
さて今度は突発的にどこに行こうか?
あ~、赤いケツのホーネットかっこエ~。
んでも、来年の楽しみに…
レポ、楽しかったよ!
mixiのメッセにとある情報を書きましたので見てね。
今年の岩国のアイドルでしたね!
今回はハリアーといい、ユルギスさんといい、スーパーホーネットといい、呆気にとられっぱなし、シビレっぱなし、内容の濃い航空祭で大満足でした。
それに今年もご一緒できて本当に嬉しかったです。
いたっきいさんが来られると知って、私達の士気がグンとあがりました!
Kさんにも今年も車に乗せていただき、大変お世話になりました。ありがとうございました!
これから航空祭たけなわです。
これからも突発的?!航空祭レポ楽しみにしています☆
エルロン、エレベータ、ラダーの全てが大判サイズ。
普通、ラジコンが実機感を求めるもんですが…その逆行ってません?カイリスおじちゃま
今年のTR茂木で見られるかな?
そうなんですよ。
いきなり行くことにしまして。。。
寝台が取れなかったら、新幹線で実家に帰って、ケイまささんを誘ってクルマで・・・ってのも考えたんですけどね(^_^;
■どんちゃん
ふむ。また近場で?あるときにはお誘いしますよ。
このレポート、言いたいことの1/100も入ってませんのでw
ご一緒したら、濃いですよ。覚悟しといてください。
とりあえず初の海外遠征、ご無事をお祈りします。
水道の水も信用しちゃダメですよ<経験者より
■zakiさん
メッセージ、受領しました。
いつも忙しいタイミングで、なかなか見に行く機会がないんですよ。。。
でも、いつかいい写真を撮って、でっかくプリントしてお送りします。
・・・いつになることやら(^_^;
■仮眠ズさまがた
来年もミミちゃん来るかなあ? 探してみることにしますw
スーパーホーネットの機動は、ありゃおかしいですね。あんなにマイナスGをかけるなんて。。。ちょっとパイロットが心配になります。プラスのGはしんどいだけですが、サブGは生理的に不愉快なんです。自分が意図的にそういう動きをやったのに、その動きに打ちのめされる感じで。(わかりにくいですね)
あ-こわいこわい。
■ichirouさん
JU-KA、おかしいですよ。
宙返りの頂点でいきなり背面コブラ、そのままトルクロールで一点に止まってるなんて、想像すらできない動きです。ホント、RC機と同列ですよ、あれは。。。
TRMで見られることを楽しみにしています。日本に持ち込む実績もできたし、今年は可能性高いですね。