一庵 (ひとつあん)

飛べないライター『いたっきい』の愚行をさらしています。

※普段ハtwitterニ居リマス。

もてぎレポート 11/05 Vol.2 (アエロバティックス)

2006-11-05 | 旅行・見学

 

13:30
いよいよ FAI WORLD (以下省略) 決勝2日目のスタートです。
順位は、昨日と本日の2回のフライトで審査し、高得点だったほうで決定されます。
今日のフライトは、昨日得点が低かったパイロットから順に飛ぶことになったようです。

トップバッターはマイク・マンゴールド選手。
もてぎ初参戦のアメリカ人です。
スッキリと晴れ上がった秋の空に、まずは大きく顔を描きます。

 
 4度見たけど、今日の表情が一番うれしそう(^-^)

まさに Super Final のスタートにふさわしい笑顔!見ているこっちもうれしくなります。
スタンドからは大きな拍手がわきおこりました。

 マイク・マンゴールド選手のフライト (別窓でyoutube映像が開きます)
 youtube URL http://www.youtube.com/watch?v=SFZ6DvjwjY0

続いてミハイル・マミストフ選手。
広大なロシアでフライトしてきた彼は、はじめてもてぎで飛んだとき、周囲に山があり水平がわかりにくく、また照明塔などの大きな障害物があるこの環境が恐ろしかったらしく、半泣きの表情で高めの高度を飛んでいました。しかしどうやらここ数年で自信をつけてきたようで、順位も上がりはじめ、飛行高度もずいぶん下がってきました。
なにより、演技終了後のローパスを何度もやってくれるようになりました。最近では、観客が身近に感じられるもてぎがお気に入りのようです。

 ミハイル・マミストフ選手のフライト (別窓でyoutube映像が開きます)
 youtube URL http://www.youtube.com/watch?v=iZvDxDMJv38

ビクトル・チュマル選手。
ロシア勢のなかではいたっきいが一番応援している選手です。
彼はクラウス・シュロット選手と対照的に無口で、あまり表情も変えないのですが、内に秘めた闘志はかなりのもの。機械のように正確なコントロールで繰り出すクラシック・スタイルの演技が魅力です。
今回は情熱的なボーカルの音楽を選び、彼らしからぬアグレッシブなフライトを魅せてくれました。

 ビクトル・チュマル選手のフライト (別窓でyoutube映像が開きます)
 youtube URL http://www.youtube.com/watch?v=KyOByK-F7Es

ピーター・ベゼネイ選手。
大利根でひき殺されかけてからなぜか親近感をもっているハンガリーの選手です。
2000年、2001年のもてぎの覇者で、彼の手にかかればエクストラが縦横無尽に飛び回ります。演技の最初から最後まで速度をおとさず、息をつかせる暇もなくジャイロ系マニューバを次々と繰り出す化け物です。彼の飛行は力強くもエレガントで、芸術点(音楽とのマッチング)が高く、本当にフィギュアスケートを見ているようなウットリした気分になります。

 ピーター・ベゼネイ選手のフライト (別窓でyoutube映像が開きます)
 youtube URL http://www.youtube.com/watch?v=d3FTpPDpFHw

クラウス・シュロット選手。
声の大きなドイツ人です。何度も書きますが、いたっきいが最も好きな人です。
ファンへのサービスはユルギス選手と同じくらい熱心で、観客を喜ばせるためなら何でもやりかねません。2002年大会の予選では、悪天候でスタンドからは見えにくいと判断し演技を中断、得点も何もかも無視して、小雨の降るなかスタンド前の超低空をひたすら往復し、観客の度肝を抜きました。
今回の大会では規定が厳しくなっているためにクラウス・シュロット選手特有の高速背面ローパスを見ることができませんが、その正確なコントロールは演技でも遺憾なく発揮されています。

 クラウス・シュロット選手のフライト (別窓でyoutube映像が開きます)
 youtube URL http://www.youtube.com/watch?v=GD3_RYZhODA

ユルギス・カイリス選手。
日本では一番人気のあるパイロットです。もてぎでのアエロバティックス開催に向けた準備期間からもてぎ上空を何度も飛んでいて、もてぎの空は彼が一番熟知しています。
今年は、彼専用のSu-31“空賊”がアメリカにある(サウジへ輸送中?)ため、Team Deepblues の室屋氏のSu-26MXでフライトしています。今大会が始まるまで、このSu-26には2回しか乗らなかったらしいのですが、決勝一日目ではユルギスのみが1万点を超える高得点を出し、暫定首位に立っています。
彼の演技は、前半は高速で、後半はあえて低速で行うことによって、航空機のあらゆる速度域での限界を引き出すもので、その飛行機らしからぬ動きから、見る者を不思議な気分にさせてくれます。

 ユルギス・カイリス選手のフライト (別窓でyoutube映像が開きます)
 youtube URL http://www.youtube.com/watch?v=mVmZkK96YnQ

決勝二日目の結果は、次のとおり。

 1位 10185 ユルギス・カイリス
 2位  9465 クラウス・シュロット
 3位  9425 ピーター・ベゼネイ
 4位  9150 ビクトル・チュマル
 4位  9150 ミハイル・マミストフ
 6位  8405 マイク・マンゴールド

・・・昨日と同じ順位でした。
トップのユルギス選手はまたしても1万点オーバーでぶっちぎり。

決勝一日目と二日目の高得点のほうを比較すると。。。

■総合得点
 1位 10230 ユルギス・カイリス
 2位  9465 クラウス・シュロット
 3位  9430 ピーター・ベゼネイ
 4位  9325 ビクトル・チュマル
 5位  9185 ミハイル・マミストフ
 6位  8425 マイク・マンゴールド

1位のユルギスは2位以下に大差をつけて優勝。6位のマイク・マンゴールド選手はやはりもてぎに不慣れなのでしょう。おそらく空域の使い方がうまくなく、大幅に減点されていました。その他の選手はそれほど大きな開きはありません。素人目にも、甲乙つけがたいレベルでした。
しかし、ここでは勝ち負けは関係ありません。
これほどすばらしいフライトを見せてくれたすべての選手の健闘を称えたいと思います。。。

15:00
フライトの締めくくりは、マタドールズによるエキジビジョンです。
彼らのフライトは、はじめはテンポの速い音楽に合わせ、タイトな編隊と激しく機動するソロを織り交ぜながら観客を引き込み、後半はウットリするようなやわらかい音楽に合わせて、優雅な動きを見せます。

 
 左右から対進してきた2機が、ナイフエッジで交差!

タイトな編隊には、ソロにはない切迫感を感じます。その2機が重なったり、交差したりする瞬間、観客は悲鳴をあげ、また歓声を上げます。

 
 スタンド前をバタフライで飛びぬける

最後はしっとりとした優雅な音楽にあわせ、静かに演技を終えました。
スタンドからは無言で拍手がわきおこっていました。

 マタドールズのフライト (別窓でyoutube映像が開きます)
 youtube URL http://www.youtube.com/watch?v=yh63LcrR3_8

 

15:30
いよいよ最終日のフライトガーデンのオープンです。

関東の冬は日の入りがとても早く、16:30には日没を迎えます。いたっきいたちが南滑走路までやってきたときには、すっかり夕暮れの雰囲気でした。
しかし、夕方の太陽とくっきりした積雲のおかげで、フライトガーデンはパイロットたちを祝福するかのように旭日に照らされていました。

 
 フライトガーデンに上るスロープの途中から

フライトガーデンでは表彰式が行われていました。
なぜか深々とお辞儀をする某ハンガリー人が印象的です。。。

 
 トレーラーが特設ステージになっていた

 
 表彰式のあと、ホッとした表情のビクトル・チュマル選手
 このぶっきらぼうなおっちゃんがたまりません

表彰式の後は、いつものようにサイン会です。
さすがに最終日だけあって、人気選手の前には長蛇の列ができています。
一緒に戦った自らの愛機に、労をねぎらうように花束を添える選手が多かったのが印象的です。

 
 マタドールズのSu-26M

 
 ピーター・ベゼネイ選手と飛んだEXTRA300S

 
 クラウス・シュロット選手

クラウス・シュロット選手をスパンサードしているLEKIは、スキーや登山用のストックで有名なメーカーです。いたっきいも登山用のステッキはLEKIを使っているので、ちょっとうれしかったりします。。。(〃ー〃)

ビクトル・チュマル選手は花束を傍らにおいてサインに応じていました。

 
 このキャップとジャンバーは、いたっきいも買った

借り物のスホイであっさり優勝したユルギス・カイリス選手は、プロペラ・スピナーにヘルメットと花束を置いてデコレートしていました。とても絵になる光景です。多くのファンがこの様子を撮影していました。

 
 Sukhoi Su26MX “風賊”

これで室屋さんの乗機も「グランプリ優勝マシン」ですネ。
今後のご活躍をお祈りします!

ん?ユルギス選手が一生懸命サインしている机に、ぬいぐるみがいますよ???

 
 こ、これはもしや!?

もしかして、(色は違うけど)これでは?↓↓↓

 
 2003年10月 Aerospirits in Fukushima 2003 にて

たしか、パイロットベアーとか名がついていたような・・・?
ユルギスの激しいフライトでも根をあげずにじっと座っていたあのクマではないですか。

おーこれはいいものを見つけたと思っていたら、傍らにもうひとつ。。。

 
 目がグルグル、手には焼き鳥

つぶらな瞳だったパイロット・ベアーも、ユルギスのヤキトリを味わえばこのようにグルグルになってしまうということでしょうか?

 【事情を知らない人への解説】
 ユルギス選手は日本に来て焼き鳥がいたくお気に召したご様子。
 その後彼が行った機動、一般には“コブラ”と呼ばれる技にも、彼
 は“ヤキトリ”と命名してしまったほどです。なお、彼が参加するイ
 ベントでは、必ずといっていいほど焼き鳥を持ったファンが訪れて
 彼にプレゼントしていきます。
 また、日本語がついている他の技としては“ハラヘッタ”というもの
 もありますが、プレゼントのしようがありません。

残念ながら、このぬいぐるみは売り物ではないようです。。。

で、本日も室屋さんを捕獲発見。
さっそく、買い求めた“Air Bandits”の2007年カレンダーにサインをもらいます。

 
 サイン中の室屋さん
 カレンダーのロゴがAri Bandits”と印刷されていたことは内緒だ!

 
 A2版のカレンダーにでっかくサインしてもらいました♪

あれ、なんだかアエロバティックスと関係ない話になってきてしまった・・・

 

さて。

2006年の“オートボルテージュ”アエロバティックス日本グランプリもついに終わりました。

2003年に起こった不幸な事故の影響により、その後2年間中断されていたこのイベントですが、関係者のご尽力もあり、今年やっと復活しました。
ホンダとツインリンクもてぎ、FAIは何度も頭の固い国土交通省とかけ合い、結果としていくつかの飛行制限もついてやっとGOサインが出たのだと思います。
その一つが、スタンド前のローパスの制限でした。
毎年見かけた、高度1m前後というベタベタの超低空飛行はなくなりましたし、スタンド前では45度以上の角度でのロールを禁止していたように見受けられました。そのため各選手ともサイドスリップで観客席前を駆け抜けていくしかなく、派手なパフォーマンスを期待していた“常連”の人たちにとっては、やや物足りない内容に映ったにちがいありません。

しかし、そんなことよりもまずは安全に飛行することが最優先です。
安全性が確保された上で、はじめてエンターテインメントが成り立つのだと思います。
3年前、建造物に接触し、目の前でバラバラになりながら地面に叩きつけられるスホイを見たときは血の気がひきました。パイロットの無事が確認されホッとしたのもつかの間、これだけ面白いイベントが今後いっさい見られなくなるんじゃなかと絶望しました。

そんな思いは二度としたくありません。
安全に、そして楽しく見られるイベントが続くことを望みます。

 

 

 

 来年はVIPテラスで観戦します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 経済的に余裕があれば・・・

  ホラ、今無職だし(;^_^A

 

 


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2 コメント

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まさか・・・ (かっちー)
2006-11-30 18:30:01
このために退職した?




いやぁ~一気に読んじゃったよ^^♪
いいなぁ。。ほんと一回は行きたいよーー。
新田原は行くの?
返信する
まままままさか・・・^^; (いたっきい)
2006-12-01 04:43:01
なななななんてことを言うんですかまったく。
退職とアエロバティックスは無関係ですよ!・・・たぶん。
これは最も楽しみにしているイベントです。
いたっきいも行動がエスカレートしてきて、ついに退職のうえフルHDビデオカメラまで持って行くようになってしまいました。トホホ^^;
いつか一緒に見に行きたいね。

新田原行きます。
飛行機と電車で現地に。今年は滑走路南側に入れないから終日逆光になるんで写真はあまり撮らないと思うけど、まあニュータに関しては航空祭以外のイベントが目白押しなんで(謎)。。。

正月、余裕があったらそっちにも行きたいです。
また連絡します。
返信する

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