itfarmのイチオシコラム

itfarmとは『伊藤農園』の事。米と園芸の他、農業以外に映像と花火、日々の面白い事を長文で呟いていきます!

枝豆が好きなんです

2021-04-13 23:53:00 | 日記
子供の頃から、ウチの枝豆が好きでした。

…っていうか、枝豆を買って食べた記憶が無いくらい、自家製の枝豆を子どもの頃から食べてました。


新潟県って、枝豆の作付け面積が日本一なのに、新潟県産枝豆ってほとんど全国では見ないはずです。

有名なのは、黒埼茶豆で、他の枝豆は見ないと思います。

これって、どういうこと?



そう、



新潟県内でほとんど消費するからなんです。

新潟県人は無類の枝豆好き。
食べる時は丼いっぱい山盛りで、1人で食べてしまいます。
その光景は、全国の人が見たら、まさにカオス!

で、自分が農家になった時、一番最初に作ったのが、枝豆でした。

きっと、この与板は、殆どが稲作地帯だけど、土壌が大豆に向いていると思って、きっと枝豆も美味いに決まってると思って作りました。


案の定、初めて出来た枝豆は、試食をしてみると、味が濃く、風味と甘さが凄いものになりました。



で、収穫したら、やたらと多い。

まだ取引先もない上に、どうやって売ったらいいかわからない自分は、大量の枝豆を捌くために、急遽、農協に頼んで、少し遠い直売所に出品しました。
(近くに売る場所が無かった)

500gを70袋。
朝3時頃から収穫、準備して昼前に店頭に。



夕方…


きっと全部売れてるんだろうなぁ(^^)
と、意気揚々で直売所に行きました。




すると、





俺の枝豆だけ大量に在庫が…


直売所のスタッフに聞くと、

「この直売所は、昔からの生産者目当ての人が多いから、新しい人のはなかなか売れないんだ。」



そ、そんな事は、は、早く言ってくれ。

64袋の返品となりました。


へっけた俺は、

『いいや!いいや!これ全部、帰りに知り合いや友達にくれてやろう!』
と、自暴自棄になって、車を走らせました。







…まてよ。





もしかしたら、これ、あげた人から、
『毎回余ったヤツで良いから頂戴』
って、なるんじゃ?


一生懸命作ってるのに、美味いはずの俺の枝豆は、売れあまりが目的のモノになるのでは?



そう思った俺は、決断しました。







『これは全部捨てよう』



悔しくて、悔しくて、泣きそうになりながらも、『きっとこれは最初の試練だ』と言い聞かせ、一つ一つ袋を破って田んぼに全てを捨てました。



今考えれば、全部、捨てる事もなかったかなと思うが、きっとこれは、この先のためだったと思うのです。




そして、それが証明出来る事が起きるのです…





翌日、直売所から電話が鳴りました。



『あの、昨日、あなたの枝豆を買った人から連絡が来て、「今まで食べた枝豆の中で一番美味かったから、また買いたいけど、いつ出ますか?」と問い合わせがありました。』



!!
俺の枝豆を買ってくれた一部の人からのリクエストが入ったのです。

こんな奇跡あるもんだなと。



というわけで…







今年も枝豆やってます!
収穫予定は7月中旬。

今では、本当にありがたい事に、マツコの知らない世界や、世界の果てまでイッテQに取り上げられた『世界えだまめ早食い選手権』の大会公式枝豆に採用されたり、毎年根強い人気があります。

いつも予約で埋まりますが、せっかくなので、全国の人にも知ってもらおうと、今年は少し多めに作って、このブログのマルシェルでも販売予定です!

(1キロ1000円送料別)






偶然にもこの記事が目に止まった方。
是非ともご期待下さい!


出来る事があるっていう事は…辛い?

2021-04-01 12:25:00 | 日記
今日はちょっと農家ネタではなく、家庭ネタを…(まだブログ投稿2回目のくせに)

見てくれる人が少なくたって、こうやって書く事でスッキリするもんだなと。
(全部書いた後に、ここに感想入れる。まえがき的な)


嫁さんとは、まもなく結婚13年目。
付き合いを入れると25年を超えます。

最近、よく嫁から怒られるようになり、俺としては、

「なんで最近毎日イライラしてるんだろう?もっと心に余裕を持てば良いのに…」

って、思ってました。

生活の中では、普段から風呂掃除、ゴミ出し、たまに夕飯作りをする位ですが、少しはもっと役に立とうとか、嫁さんの機嫌取ろうと、普段しない洗濯しようとすると

「しなくていい。やり方違うから。」

掃除機かけようとすると、

「あんたが掃除機かけても、私がもう一度かける事になるからしなくていい。」

と、手を出そうとすれば拒否されるので、風呂掃除とゴミ出しと夕飯作り以外、家庭の事は極力していません。

しかし、仕事や会議、出張で家に居ない時は、ゴミ出しも風呂掃除も出来ないので、嫁さんがしてくれるのですが、帰ってくると、とにかくブツブツ文句を言われます。

『あなたは何もしない』って。


これが本当に嫌だった…
やる事やってるのにって。



普段する事に、褒めも感謝も何も言わないくせに、してない時だけワーッと言われる。
なんだよ…面白くないな!
って。



でも…

今まで、これはただの俺の愚痴程度のレベルの事だったって、わかりました。



怒られる時ってのは、決まって、


『出来る時間が少しでもあったのに、しなかった』

事に気が付きました。


要は、「今日は疲れてるからしなくていいかな?」と勝手に俺が思い込んで、「普段してるから、今日くらいしなくても良いかな?」という怠慢が、嫁さんを怒らせるキッカケになっていたんだと。


そして、そんな事に気が付いた時、頭の中が、ばーーーっとタイムマシンのように過去に遡っていき、嫁さんと結婚前提に付き合う前の事を思い出しました。





当時、嫁さんには、同棲している彼氏がいました。

その彼氏というのは、一度、俺と嫁さんと付き合ってる時に、いつのまにか俺から嫁さんを奪い取った男なのですが…(この話を詳しくすると何時間にもなるので割愛)

成人した時に、嫁さん(その当時はその同棲してる男の彼女)と会う事があり、そんな時に聞いた話で、


「私の彼氏は、なーんにも出来ない、なーんにもしない。だから、私が全部してあげてる。してあげないと彼は生活出来ないから。でも、あんた(俺)は、料理も出来るし、ある程度の家事も一人で出来るでしょ?そんな人だと私も楽なんだけどな…」

と、言われた事を思い出しました。



俺は、農家の家の子なので、夏場の昼間、小学校から帰ってくると、家族は全員田んぼに出ていて、家には1人。

姉もいたけど、かなり歳が上なので、小学校の頃には、もう大学へ行って家には居なかった。

学校から帰ってきて、腹が減れば自分で料理して食べるし、姉から教わったお菓子も簡単に作れてた。

稲刈りの頃に誕生日が来る俺は、誕生日に家族で誕生日パーティーなんて記憶に無いくらい、夜は誰も居なかった。

誕生日に母親が買ってくれていた、まるごとバナナに、仏壇のロウソク立てて、1人で歌って、1人でロウソク吹き消して、食べてた記憶があるくらい。

だから、何でも一人で出来てた。
それに、寂しくなかった。


けど、高校生の時、今の嫁と付き合って、初めて誕生日パーティーを開いてくれたり、2人でケーキ食べた時、ホントに嬉しかった。
1人じゃない事への喜びは凄かった。


毎日が夢のようだった。

しかし、学生の時、急に彼女が冷たくなり始め、それに不安を覚えて…

そして、その不安は的中。

ある日、「他に好きな男が出来た」と突然、俺の前から居なくなりました。

幸せな日々が、突然終わったのです。


また家で、1人になった俺は、寂しさなのか、今までの幸せの反動なのか、とにかく遊んだ。

感情のまま、好きな事、好きなだけ遊んだ。


そんな最中に、彼女(嫁)と再会して、話をしているうちに引き込まれてしまって、また一緒になりたいと思った。


「俺なら、お前がやってる半分はしてあげられる。俺と一緒の方が、絶対お前は楽だと思うし、楽しいと思う。」

って、何度もアタックして、ついには自分の彼女として取り戻していた。


そして結婚して、双子の女の子を授かりました。


でも、

幸せな家庭になるかと思ったけど、今じゃ、
「なんでこれしない!」「なんでアレしてくれない!」
と、怒られる毎日。

家にはいない方が楽だと、逃げる事もある。



ふと、気が付いた。




『私の彼氏はなーんにもしないし、なーんにも出来ない。だから私がやってあげてる。そうしないと彼は生活出来ないから。』

『俺なら、お前のやってる半分はしてあげられる。俺と一緒の方が、絶対お前は楽だと思うし、楽しいと思う。』




「絶対、俺の方が楽だと思うし、楽しいと思う」





…言ってるじゃん、俺。



もしかしたら、俺が何にも出来ない男だったら、嫁が全部してくれるから、こんな事で怒られる事は無いのにな、と思った事も何度かあるけど、

俺に出来る事があるから、嫁になってくれた事をすっかり忘れてた。

家事でも、やれるのにやれない(やらない)から、怒られるのは当然と思わなければいけない事に気が付いた。


なんで、他の家庭は、旦那さんが家事を全くしなくても自分の仕事だけやってて仲が良いのに、ウチは、自分の仕事だけじゃダメで、家庭の事もしないと怒られて、険悪になって、今じゃ触る事も出来ない夫婦になったんだろう…って、いつも思ってた。



出来る事があるという事が辛い


って思ってた。



最初から何もしない人なら、嫁も諦めて、自分の仕事だけ集中すれば仲の良い夫婦を保てたのかな?と思う事もあった。


でも、違う。

俺が出来るから、それに期待を感じて一緒になってくれたって思わないといけないと思った。


それに気がつくと、何もしなかった時に怒られるというのは当然だと思った。


『やれなかった』のではなく、『やらなかった』から。



今度からは言い訳せずに、謝れる人になろう。


って思った夜でした。