itfarmのイチオシコラム

itfarmとは『伊藤農園』の事。米と園芸の他、農業以外に映像と花火、日々の面白い事を長文で呟いていきます!

グッドライスフィールド

2021-08-27 13:07:00 | 日記
俺が自動車屋を退職し、農家になった頃、地元の若い農家の皆さん(先輩方)に不穏な動きがありました。

「与板にもだんだん若手が農家を継ぐ為に戻ってきた。ここ(与板)には農協の青年部も無いし、グループも無い。このままただの地域農業で終わらせて良いのか?いや、若手がこの地域を盛り上げていかなきゃならない。今こそ、若手の農家グループを作るべきだ!」

と、ある兼業の農家さんから声が上がりました。

すると、農協に勤めながら自分でも農作物を作っているTさんが俺の所へやってきて、


「この与板で若者農家だけでグループを作ろうと思ってる。もし、それを作ったら入ってくれないかな?」

と言われ、まだ右も左も農業の事わからない自分にとっては、横の繋がりはありがたい事で、

「仲間に入れてもらえるなら喜んで!」

と、即答。

その数日後、地元の割烹にてメンバーの顔合わせがありました。

ほぼ同年代のメンバーが、俺を含め7人。

初めて会う人や、元々昔から農家だと知ってる人も。

その日は飲みながら与板の農業について熱く語ったのですが、いっぱい飲んだからあんまり覚えてない(笑)

ただ、熱い人たちだなっていうのだけは覚えてます。


その後も何度か飲み会があって、農協からも支援があり、正式に会として発足する運びに。

さて、会の名前は何にするか?


色んな意見が飛び交いました。

『与板若手生産者の会』
若手と言ってもネーミングからして年寄りになっても若手って言い続けるような痛い名前じゃね?

『くろんぼ族』
みんな日焼けしてる顔から連想した名前だけど、色んな方々から批判が出そう。

いや、もっとさ、
カッコよくて意味のある名前にしない?

カッコいいというと、やっぱり英語かな…

与板を英語にするとか!

『ギブプレート』


何の会なのか全くわからん。

あーだこーだと話をしている最中、俺がスマホで色々と調べていると、ふと打った文字『よいた』が自動変換で、『良い田』と出てきました。


良い田…
確かに町の名前と、田んぼの良いことを表現するにはいいな…

これ、英語にしたらどうなるんだ?

良い…good
田んぼ…rice field

good rice field

おお、良いんじゃね?カッコいい!
意味もある!

全員一致で決まりました。
これがスタートとなりました。


新聞にもちゃんと取り上げてもらいましたし、


地元の広報誌にも出ました。
(全部同じ写真)


ロゴもデザイナーにお願いして、いくつか案が上がってきた中にあったデザイン。


全員が稲作農家なので、米粒をあしらい、その中に稲穂。

ロゴ色は、与板の殿様だった牧野家の家紋、橘(たちばな)になる実(ほぼみかん)の色で、町の色でもあるオレンジ色。
※与板中学校はこの色



活動のメインは、地元のイベントへの出店や、








自分たちで作った与板農作物のPRで県外に行く事だったり、小学校の子供たちへの農業授業だったり、




そんな色々な活動を地元でやっております!






これ以上書くと、一冊の本くらいになりそうなので、このグッドライスフィールドについては、追々紹介していけたらと思います!





稲刈り始まる!

2021-08-26 15:13:00 | 日記
先日、田植えしたと思ったら、もう稲刈り。

40歳になってから、時間の流れが速くなったなぁ。

そりゃ、娘に『パパ!』から『あんた!』に呼び方が変わる訳です。
※ちゃんと注意しました。

さて、今日から稲刈り。

ウチは、わたぼうし、こがねもち、こしいぶき、コシヒカリ、ゆきんこ米、新之助を作っていますが、まず、一番最初は、

わたぼうし!

もち米です。

新潟長岡の某有名製菓会社の契約栽培で、皆さんも酒を飲みながら食べてるあのおつまみにも使われているかもしれません。

もち米は、なかなかそのまま食べる事はないので、『わたぼうし』って言われてもピンと来ない米ですけど、もちにすると、ふわふわで美味しいお米です。





ここ近年、稲刈り時期の天気まわりが良く無かったけど、今年はなかなか良さそう。


もう秋の空になりました。




ポップコーンはポップコーン

2021-08-26 10:25:00 | 日記
その昔、地元のあるイベントで、

「何か匂いの出るモノを出して欲しい」

との依頼があり、


匂い…

ニンニク?

って、初年度、近所の農家さんから大量に新ニンニクを仕入れて、ニンニクの素揚げ(与板越の塩付き)を出品したら、

『食べたいけど、明日仕事だから無理』って人が多くて、ほとんど売れなかったあの日…

なぜ日曜にそれをやろうと思った?

そして、子どもたちは寄り付かない店舗として有名になったあの日…

なぜ子どもの多いイベントに酒のツマミのようなものを出した?


悩む日々、
他に何かあるのか?

匂いの出るもの…
子どもたちが喜ぶもの…


お!


そうか!
俺はトウモロコシを作るんだから、ポップコーンを作ってみようではないか!

ふと思い付いた春、
Amazonで取り寄せたポップコーンの種『イエローポップ』がその始まりでした。





ところで、ポップコーンって、トウモロコシから出来ているのはみんな知ってると思いますが、原料のトウモロコシは何を使ってるかわかります?

これ、知らない人、意外と多いんです。

トウモロコシを乾燥させたモノを油で揚げてると思ってる人が多いんです。


実際のポップコーンは、
これ↓


見るからに違うと思いません?

そう、見るからに硬い。
ガッチガチなんです。

つまり、ポップコーンは、ポップコーンという品種なんです。

普段皆さんが食べてるのは、
スイートコーン↓

普段食べてるトウモロコシ。
色が白くても、スイートコーンと言って、日本語だと『甘味種』と言います。


ポップコーンは、


硬くてそのまま食べられない、日本語で『爆裂種』と言います。

この他にデントコーンやフリントコーンという、いわゆる『飼料用種』があります。


今回、紹介するのは、
『ポップコーン』

地元の子供達に美味しくて為になる食育と、会場を良い匂いにする為に狙った、ポップコーンを作る事になりました。

当然、花粉飛散の関係から、ホワイトレディの近くでは作れないので、遠く離れた圃場で栽培しました。


スイートコーンに比べ、はるかに大きい植物体で、背丈は2メートルを軽く超えます。
そのくせ、付ける実は細くて小さい。

スイートコーンの時は間引いて、一本一本のトウモロコシにして、間引いたのは、ヤングコーンとして出しますが、ポップコーンは間引いても食べる事が難しいくらい不味いので、一本の木から大体2本収穫します。

やはり、トウモロコシの天敵、アワノメイガはポップコーンにも健在で、防除はそれなりに必要となります。

作り始めた初年度は、誰も周りに作ってる人が居ないので、収穫時期だとか、栽培中、収穫後の管理なんて全く分からない状態でした。




やべ!枯れてきた!って、急いで取ったら、中途半端にみずみずしい半生のポップコーンが取れ、試しに炒めてみたら、

プツッ、プツッって、見た事ない超小さいポップコーンが出来上がって、明らかに失敗でした。

すぐに乾燥が足らないと理解して、皮を剥いて天日干し。



よく乾燥させて、粒を剥いて



再度、フライパンで炒めると!

ポンっ!ポンっ!って大きく弾け飛び、急いでフタを閉じたら、ズバババ…!って一気に増えて、


無事、立派なポップコーンが完成しました!

あ、ちなみに、
ポップコーンにも2種類あって、
エヴァの使徒みたいになるのが、
バタフライ型



エヴァの丸い使徒みたいになるのが、
マッシュルーム型と言います。


俺の作ってるイエローポップは、

エヴァの使徒みたいになる(もういいよ!)バタフライ型になります。

これも好みはあると思いますので、どちらが美味いとかは無いです。

つぶあん、こしあんみたいなもんです。

で、2年位、試験栽培をして、作り方を独学で学んで完成したのが、





与板産ポップコーン!

スーパーとかでたまに売ってるアメリカ産のやっすいポップコーンとは味の濃さと香りが違うのがハッキリわかります!

で、いよいよイベントデビューしたんですが、当初はカセットコンロでフライパンを使って一個一個作ってたら、お客さんを待たせすぎて、非常に効率が悪くて金になりませんでした。

そんな時、地元与板の農家仲間から、仲間でポップコーンマシーンを買おうと話があり、若手農家グループで購入しました!



これがまた、ガンガン製造出来て、面白い位の量が作れました!

塩味でシンプルに、しかも格安一袋100円で売ったらガンガン売れて、子どもたちも喜んで、これはいい!となりました!

が、

いっくら売っても、あんまりお金にならない。100円だから。

うーん…もっと高く売れる、しかも美味しい何かいい方法は無いかと、映画を観に行って、何気に頼んだキャラメルポップコーン。

ん?
これで良いんじゃない?

何気に行ったディズニーランドで、そこらじゅうから香ってくるキャラメルの匂い。

これでいいんじゃない?

で、
業務用キャラメルフレーバーを使ったら、


与板名物、キャラメルポップコーンが出来あがりました!

苦節5年。
ようやくポップコーンで売り上げが経費を上回り、商売として成り立ちました。

いまや、イベントでは欠かせない1つとして愛されるようになりました。

そんな時、

『ウチでもポップコーン作りたいなぁ…』
という声から、




ポップコーン種として販売も開始!

これも好評で、キャラメルポップコーンとセットで買って下さるお客様の多い事。

家で子どもが喜ぶと嬉しい報告も!

農業で、子どもたちが楽しく学んで、美味しく食べられるモノとして、ふと思い付いたポップコーン。
そして、イベントには欠かせない一つとなりました。

しかし…


定番となりつつあったけど、コロナの影響でイベント皆無の影響が出て、出どころを失って大量の在庫が。

悲しいけど、それが現実。

そんなタイミングでこのブログを始めて、しかもマルシェルという販売ツールもあるという神がかりな展開!

その評判のポップコーン種を今後、マルシェルでも販売しようと思います!
気になる方はショップをチェックしてみて下さい(^^)



「オイシイヨ」ってポップコーンを文字で残してみました!

が、「オイシイコ」という風に読まれてる事も!

どうでもいい締めとなりました。



長岡枝豆湯上がり娘!

2021-08-24 16:35:00 | 日記
枝豆好きがこだわって作った『湯上がり娘』。



前回紹介した『おつなひめ』はありがたい事にすべて常連の方々に買っていただき、大好評のまま、完売となり、マルシェルに出品出来ませんでした…

もう間も無く、最後の湯上がり娘の収穫が始まりますが、稲刈りも始まり大きく販売は出来ないのですが、たまたまこの記事に目が止まった人だけに、3キロだけ販売します!(少なっ!)

初めての出品なので、どのような流れで売れるのかやってみたい…と思ったので(笑)

実際に会う人にしか出してない幻の枝豆!
※綺麗に言うとこうなる

早い者勝ち!
30分間オペレーター増員して、お待ちしております!







ホワイトレディの未来

2021-08-24 16:03:00 | 日記
私は新潟県長岡市で、白いトウモロコシ『ホワイトレディ』に特化した営農を目指していますが、元々子どもの頃からトウモロコシが大好きで、農家になった時は、

絶対トウモロコシは作りたい!

と思ってました。

農家になってトウモロコシを作り始めたのですが、旬になると、スーパーには美味しそうなトウモロコシが98円で売られていて、
これで儲けはでてるんだろうか?
俺もこの値段で売らないと売れないのでは?

と、不安に思いましたが、ある人の助言で、白いトウモロコシを作らないか?となり、黄色いトウモロコシは大規模農家に任せて、俺は珍しいトウモロコシを作ろう!

って、作り始めて、色々と試してる中で、土壌や出来栄えが1番しっくりきた『ホワイトレディ』を選択して毎年作っています。
※以前のブログ参照

…ただ、毎年、毎年、苦難の連続。

まず動物被害が物凄かった…


収穫の日、まだ明けきらない朝、意気揚々と畑に向かうと雰囲気が、なーんか嫌な、かほり。

やっぱり、

ほとんど喰われてる。


カラスにタヌキにハクビシン…

いや、何が悪いのか、当時はサッパリ分からなかったけど、自分が腹減った時、生きる為に食べる事をしていて、動物も生きる為に食べている事がわかったのです。
(何を今更…)


だったら、食べれない様に対策をしよう!
と、次の年は周りに有刺鉄線を張ったり、キラキラテープをしてみたり…

でも喰われる。

3年目は、今年は大丈夫!と対策万全で気合を入れたのに、トウモロコシが大きくならない。


農協の土壌診断の結果、トウモロコシの連作により地力が全く無い状態という事が判明。

次の年は、違う畑に作ろう!と大豆跡に作った所、これがうまくいって、テレビに出させてもらって大盛況!





放送後、注文が止まらず、今まで体験した事のない大忙しの年となりました。

そして、一年休ませて、動物被害の多かったから大豆畑として使った圃場に戻すと、





やっぱり、また被害。

そして、例年になくカメムシも凄くて、商品になるものは1つもない。

山に近くて、場所が悪いんだとわかったのは良いけど、昨年のテレビ観て買ってくれたリピートのお客様を裏切る形になり、失墜。

それでも、また今年も取り返すんだと、今度は水田跡の三反田んぼを気合を入れてトウモロコシ畑に!

…それが、大失敗…

原因は、水田跡は、地力が大幅に落ちる事と、土がネトネトの粘土質になっていて、十分に根を張る事も出来ず、小さいまま花が咲き、小さいまま実を付けてしまいました。


何年か作っていて、初めての年と、4年目だけが成功して、あとは失敗の連続。

でも、徐々に答えは見えてきていて、来年は上手くいくと思ってます。

そして、去年、悔しくて身につけた『抑制栽培』。

普段は徐々に気温が上がる頃に植えて、積算温度を増やしていくのですが、気温の高い時に植えて、積算温度を初めに蓄えて徐々に気温が下がっても、トータル積算温度にするという、ちょっと安定しない栽培方法ですが、年に2回作る方法を試しています。

なので、せっかくマルシェルという便利な通販をしているので、ほんのちょっとだけ限定で予約販売したいと思います。




もし、天候が安定しないなどの理由で取れない場合もあるかもですが、その時は値段相応の米やサツマイモ(今後のブログで紹介します)を送ろうと思います!

3500円(約12本送料込み)を、限定5名さま!

もし、たまたまこのブログが目に止まって、応援して下さる方がいらっしゃいましたら宜しくお願い致します!