海の博物館

海を支えるプランクトンの美しさを中心に研究活動と色んな話を投稿します。

カイアシ

2022-01-01 10:54:00 | プランクトン紹介コーナー
こんにちは ittanです。


2022年、明けましておめでとうございます!新年ということで今日は、プランクトンの中で一番重要な種類と呼ばれる「カイアシ類」についてお話ししたいと思います。


カイアシ類は全てのプランクトンの生物量の9割を占めているグループで、海の食物連鎖で光合成をする植物プランクトンを(主に)食べる一次消費者です。すなわち、幼い魚などの色んな生き物たちの主な餌として役割をしています。


サバやサンマなど、我々が食べている主な水産物にとって欠かせない存在ですね。



大きさは種に従って0.1mmから2cmまで様々な姿をしていますけど、大きく分けて「カラヌス目」「キクロプス目」「ソコミジンコ目」があります。

上の写真がカラヌス目の種類で、カイアシの中でも一番多く分布しています。特徴は体より長い触覚です。


これはキクロプス目の種類です。触覚が短くて体の厚さが太いのが特徴です。特にカイアシ類にしては視力が良いものですね。通称「ケンミジンコ」とも言います。


最後にソコミジンコ目の種類です。姿はよくキクロプス目の種と似てるんですけど、特徴は名前からも分かるように底で這い回る底生生物です。

主に底で住んでるので魚の重要な餌にはあんまりならないですが、大量培養が易くて養殖する時に魚の餌として利用されます。港などでは特に写真の赤いやつが結構多く見られますよね。


おまけに、これはモンストリラという一番珍しい種類です。幼い時には貝類などに寄生して、あと成体になると、2週間くらい相手を探して繁殖したら死ぬっていう生活をします。たった1-2週間だけなので(普段のカイアシ類は2-3ヶ月)見つかるのが難しいです!


カイアシ類はプランクトン研究にとってすごく重要なものなんで、これからもしばしば投稿すると予想されますね!




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