森見登美彦さんの『熱帯』
本屋大賞の候補になってて書店で見かけてましたが、文庫になってから読もうかなと思ってたのだけれど、書評で面白かったというのを読んだので、やっぱり買って読んじゃおう!と思って買ってみました。
結果。。。 面白かった❗️
デビュー15周年の記念の本だそうですが、すごく楽しませてもらいました。
昨日ブログ書かなかったのは、早くこの本読み終えたかったから(笑)
昨日寝る前までに読了して、安心して寝ました。
『熱帯』という本をめぐるお話ですが、この本は読み終えた人がいないという謎の本。
「汝に関わりなきことを語るなかれ
しからずんば汝は好まざることを聞くならん」
という言葉で始まる物語。
ちょっと呑気な感じで始まるのが、また良い感じ。
読み終えた人がいないってどういうこと? から始まり、謎はどんどん増えていきます。
『熱帯』を途中まで読んだ人は、その終わりがどうなるか?という謎を解明しようと懸命になっちゃうという謎。
その中でのキーワードの一つがシュヘラザードが語る『千夜一夜物語』
千一夜物語は多くの物語が語られる中で、本当に最初からあった話なのか、後から入れられた物語なのか、物語の中の物語なのか、複雑な構造になっている。
この『熱帯』も物語の中に、たくさんの物語が出てきて、さらにその中に物語が出てきて、というどこに流れ着くのかわからない物語の中を漂っていく感じでした。
先を早く読みたいので、どんどん読んだら、途中から誰が語っているのかわからなくなっちゃうというていたらく。。。
でも、とりあえず最後まで読み終えてから、今一度ざっと読み返してみたら、章ごとに語り手が変わっているのと、途中で色々な話が挿入されているから、途中で混乱したんだなと思いました。
しかし、多分このちょっと混乱した感じが読んでいて楽しかったと思うし、森見さんの作戦なのかもしれません。
これまで森見さんの小説は何冊か読みました。
この他に有頂天家族も読んだ記憶があります。
印象的だったのは『夜は短し歩けよ乙女』と『ペンギン・ハイウェイ』
『夜は短し歩けよ乙女』はノンストップで突き進む物語だったな〜〜という印象。
当時、とても新鮮な感じがしました。
『ペンギン・ハイウェイ』は主人公の少年がとてもよかった。SFなんだけど、少年冒険小説って感じで好きだったな。
この本は以前簡単に感想書いてました。 →こちらから
それにしても、森見さんの単行本の装丁がいいなと思います。
そんな中でも、『熱帯』は森見さんの本の中でも、代表作になるんじゃないかしら?と思うくらい面白かったです。
結局、謎は解かれたような、解かれないような。
物語は終わったような、終わらないような。
「かくして彼女は語り始め、ここに『熱帯』の門は開く。」
そして、知っているようで知らない千一夜物語も興味が湧きましたが、どうも危険な匂いがするな〜〜(笑)
久しぶりに小説の楽しみを味わいました。