主の平和
6月の礼拝は すでにお知らせしておりますが、下記の通りです。
日本語英国教会St Martin’s West Acton
6月17日(日曜日)
午後3時から 5時まで
夕の礼拝
司式:ジョンソン友紀
礼拝後 ティータイムと親睦会
場所:St. Martin’s,
Hale Gardens, LONDON W3 9SQ
夕の礼拝の前に とても短いけれど、子供達と共に聖書を学びます。礼拝中は子供達は工作をします。
どうぞ 皆さま お誘いあわせの上いらしてください。
7月、8月は定期的な礼拝はありません。
**** 日本語英国教会 ニュースレター 2018年6月発行 第98号 から **********
小さな復活
日本聖公会東北教区 磯山聖ヨハネ教会
牧師 主教 加藤博道
「小さな復活」というタイトルをつけました。私の現在奉仕する福島県相馬郡新地町の磯山聖ヨハネ教会の再建のお話をしたいと思います。
1921年にアメリカの宣教師、アンナ・ランソン女執事によって伝道が開始され、当時は農繁期における子どもたちの託児や、農業支援まで行い、クリスマスには多くの地域の子どもたちが教会を訪れていたと言われています。その後1940年から62年までの宅間六郎司祭の働きのあとは定住司祭のいない状態となり、約50年間、教会は数家族の信徒によって支えられてきました。その間も東北教区の修養会、研修会、家族キャンプ等が開催されて親しまれてきた教会でした。
2011年の東日本大震災の時、最大14メートルを超える大津波がこの地を襲い、教会周辺の信徒の家は全壊、信徒3名他、複数の関係者が犠牲となりました。雪の降る寒いその夜、近隣の住民17名とペットがやや小高い丘の上にある礼拝堂に避難して一夜を明かし、命を守ることが出来たことはせめてもの救いでした。教会は老朽化も含めて、とても安全に人が集える状態ではなく解体されました。
その後、同じ場所にもう一度教会を再建したいと信徒の方々は懸命の努力を重ねましたが、津波の後の困難な事情が重なり、何度も計画は挫折、ほとんど再建は断念せざるを得ないかという失望感も生じてきていました。震災から5年が経っていました。そうした中2016年、本当に奇跡のように新しい土地と中古の家屋を見出し、リフォームをして2017年6月、思いを超えた小さな素敵な教会を再建することが出来たのです。緑の木々に囲まれた閑静な、しかし地理的には幹線道路に近い便利な場所です。以前の教会の跡地も「祈りの庭」として整えられました。教会にあった、以前は音も出なくなっていた古いリードオルガンも、全面的なメンテナンスを経て、今はコンサートを開くまでの音を響かせています。もちろん国内外からの大きな支援と祈りをいただいての再建でした。
「小さな復活」。もちろん犠牲者を出した痛みは決して小さいとは言えません。しかし世界大の出来事から見れば、この大震災被災地の片隅の出来事はやはり小さな事柄でしょう。しかしそこにはやはり復活の体験がありました。「小さな復活」の体験、それはわたしたちの身近にあるかも知れません。破れていた人間関係が回復したとか、疲れてやる気を失っていた人がもう一度やる気になったとか。「再び立ち上がる」ことは、みんな小さな復活の出来事だと思うのです。日々の生活の中でそうした体験を積み重ねていくこと、そして一つ一つ喜び感謝していくこと、そうした生き方をしたいものだと思います。現在も、磯山聖ヨハネ教会には、周辺の被災地、とくに原発事故による帰還困難地域への訪問と合わせて、様々な教会の方が訪れてくださっています。
以下は 2013年に訪問した時の新地の風景でしたーー 大きな橋げたが、陸に乗り上げられていました。
被災地の方々を覚えて お祈りください。
