1,Memphis Two Step/Herbie Mann (Embrio) 1LP 840円
昔出たワナー・パイオニア盤しか持っていなかったので再購入、米Embrio盤です。
マン先生のメンフィス探訪は69年のみんな大好き「Memphis Underground」から始まって、「Muscle Shoals Nitty Gritty」、本盤「Memphis Two-Step」「Push Push」と続きます。
以前に何度も書いていますが、機を見て敏なマン先生はその時々で音楽性を変化させて活動を続けていくわけですが、このメンフィス探訪編が私は一番のごひいきであります。
この時代のアルバムの面白さのひとつにカバー曲の取り上げ方があります、このアルバムでもサム&デイヴの"Soul Man"からザ・バンドの"The Night They drove Old Dixie Down"、CCRの"Down on the Corner"からデヴィッド・クロスビーの"Gunnevere"までやってくれちゃっています。
本盤は、L.A.、メンフィスのアメリカン・スタジオ、N.Y.と3ヶ所で録られ、それぞれメンバーも違うセッションが入っていて、それまでに録り貯めされたものを編集した落穂拾い的なアルバムとも思えなくはないのですが、まぁ、それぞれのセッションの色合いはかなり違うのでそれはそれで楽しめます。
今まで知らなかったのですが、本盤ジャケットの写真は安部克自氏によるものですって。
2,Count's Rick Band - The Lord's Prayer/Steve Marcus (Collectable) 1CD 1,370円
ネットを見ていたら思わぬ安価であったので早速購入。到着したブツを見た瞬間、うん? 棚を見たら既に持っていた! というお馬鹿なダブリ買い。また、やってしまった....。
ということで、もう死ぬほど聴いたVortex原盤の「Count's Rock Band」と今ひとつだった「The Lord's Prayer」の2in1CDです。
この2枚がリリースされた1969年、このテナー・マン、スティーヴ・マーカスは間違いなく時代の寵児でした。ロックのダイナミズムを取り込んでジャズの語法を使って表現した音楽~ジャズ・ロック、そのひとつの完成形が「Count's Rock Band」(因みに当時の邦題は「伯爵とロック」といいました)にあります。スティーヴ・マーカス、ラリー・コリエル、マイク・ノック、クリス・ヒルズ、ボブ・モーゼス、この5人が奏でる"Theresa's Blues" "Ooh Baby"この2曲、これがすべて。
このアルバムのひとつ前に「Tommorow Never Knows」があり、この後が「The Lord's Prayer」となるわけですが、上記2曲で充分。残りは不要、と敢えて言い切ります。
時代のアダ花"Theresa's Blues"、1969年という時代を感じたければ絶対にはずせない音楽。
3,Vanguard Visionaries/Larry Coryell (Vanguard) 1CD 1,291円
ロックとジャズの素養を自然に併せ持った持った稀有なギタリスト、ラリー・コリエルが60年代にVangurardに残した数あるアルバムからの編集盤です。
後の時代には沢山出てきますが、少なくとも60年代にこういった素養・語法・技術を持ったギタリストは他にはいなかったと考えています。敢えていうとイギリスにいたジョン・マクラフリンくらいでしょう(この編集盤にも共演作が収録されています)。上記、スティーヴ・マーカスの「伯爵とロック」もこのラリー氏がいなければあれほどの時代(歴史ではない)に残るアルバムにはなっていなかったのは間違いないでしょう。
そのステーヴ・マーカスは時代に飲み込まれて消えてしまいますが、このラリー氏のその後は時代の波をすいすいと泳ぎご存知の通りの大活躍。ラリー氏にしてみればこの60年代のVangard時代は習作時代のなにものでもないとは思いますが、私のような今でもあの時代の音楽に思いを馳せるリスナーにとってはこんなに面白い音楽もそうはないです。
このCD今年出たものなのですが、廉価盤仕様のためか収録曲毎のクレジットが皆無。オリジナルのLPの殆どがCD復刻されていないのですから、それくらいの配慮はして欲しかったです、残念。
本盤のジャケットに使われた珍しくメガネをはずした写真は今回はじめて見ましたが、若かりし頃の渡辺香津美そっくり。思えばこの人も同じような素養の人ですね、この人もラリー氏のVangard盤を必死でコピーしたのではないかと想像します。
昔出たワナー・パイオニア盤しか持っていなかったので再購入、米Embrio盤です。
マン先生のメンフィス探訪は69年のみんな大好き「Memphis Underground」から始まって、「Muscle Shoals Nitty Gritty」、本盤「Memphis Two-Step」「Push Push」と続きます。
以前に何度も書いていますが、機を見て敏なマン先生はその時々で音楽性を変化させて活動を続けていくわけですが、このメンフィス探訪編が私は一番のごひいきであります。
この時代のアルバムの面白さのひとつにカバー曲の取り上げ方があります、このアルバムでもサム&デイヴの"Soul Man"からザ・バンドの"The Night They drove Old Dixie Down"、CCRの"Down on the Corner"からデヴィッド・クロスビーの"Gunnevere"までやってくれちゃっています。
本盤は、L.A.、メンフィスのアメリカン・スタジオ、N.Y.と3ヶ所で録られ、それぞれメンバーも違うセッションが入っていて、それまでに録り貯めされたものを編集した落穂拾い的なアルバムとも思えなくはないのですが、まぁ、それぞれのセッションの色合いはかなり違うのでそれはそれで楽しめます。
今まで知らなかったのですが、本盤ジャケットの写真は安部克自氏によるものですって。
2,Count's Rick Band - The Lord's Prayer/Steve Marcus (Collectable) 1CD 1,370円
ネットを見ていたら思わぬ安価であったので早速購入。到着したブツを見た瞬間、うん? 棚を見たら既に持っていた! というお馬鹿なダブリ買い。また、やってしまった....。
ということで、もう死ぬほど聴いたVortex原盤の「Count's Rock Band」と今ひとつだった「The Lord's Prayer」の2in1CDです。
この2枚がリリースされた1969年、このテナー・マン、スティーヴ・マーカスは間違いなく時代の寵児でした。ロックのダイナミズムを取り込んでジャズの語法を使って表現した音楽~ジャズ・ロック、そのひとつの完成形が「Count's Rock Band」(因みに当時の邦題は「伯爵とロック」といいました)にあります。スティーヴ・マーカス、ラリー・コリエル、マイク・ノック、クリス・ヒルズ、ボブ・モーゼス、この5人が奏でる"Theresa's Blues" "Ooh Baby"この2曲、これがすべて。
このアルバムのひとつ前に「Tommorow Never Knows」があり、この後が「The Lord's Prayer」となるわけですが、上記2曲で充分。残りは不要、と敢えて言い切ります。
時代のアダ花"Theresa's Blues"、1969年という時代を感じたければ絶対にはずせない音楽。
3,Vanguard Visionaries/Larry Coryell (Vanguard) 1CD 1,291円
ロックとジャズの素養を自然に併せ持った持った稀有なギタリスト、ラリー・コリエルが60年代にVangurardに残した数あるアルバムからの編集盤です。
後の時代には沢山出てきますが、少なくとも60年代にこういった素養・語法・技術を持ったギタリストは他にはいなかったと考えています。敢えていうとイギリスにいたジョン・マクラフリンくらいでしょう(この編集盤にも共演作が収録されています)。上記、スティーヴ・マーカスの「伯爵とロック」もこのラリー氏がいなければあれほどの時代(歴史ではない)に残るアルバムにはなっていなかったのは間違いないでしょう。
そのステーヴ・マーカスは時代に飲み込まれて消えてしまいますが、このラリー氏のその後は時代の波をすいすいと泳ぎご存知の通りの大活躍。ラリー氏にしてみればこの60年代のVangard時代は習作時代のなにものでもないとは思いますが、私のような今でもあの時代の音楽に思いを馳せるリスナーにとってはこんなに面白い音楽もそうはないです。
このCD今年出たものなのですが、廉価盤仕様のためか収録曲毎のクレジットが皆無。オリジナルのLPの殆どがCD復刻されていないのですから、それくらいの配慮はして欲しかったです、残念。
本盤のジャケットに使われた珍しくメガネをはずした写真は今回はじめて見ましたが、若かりし頃の渡辺香津美そっくり。思えばこの人も同じような素養の人ですね、この人もラリー氏のVangard盤を必死でコピーしたのではないかと想像します。
私はハービー・マンは音楽的にも、コーディネーターとしても、先取り精神、そしてアイディア・マンとして天才と思っていますので、ここで彼の多かれ少なかれ息のかかった連中がまとめて出てくるのは嬉しいかぎりです。
メンフィス・トゥー~の方はアンダーグラウンド~で残ったテイクを無駄にしないようにまとめられた、ジャズの商人らしい彼のやり方に思えますが、統一性はなくとも、それぞれはその安っぽさの中に、彼の真髄がわかるような曲が多いです。デビッド・クロスビーの曲を取上げて、そこまで自分で料理して出しなおすのは普通の「芸術」をめざすジャズ・マンには出来ません。
スティーブ・マーカスはキワモノ扱いぎりぎりでしたが、後にバディ・リッチ・オーケストラのバンマスになっただけあって実力者には間違えないです。
ラリー・コリエルはジョン・マクラフリンほどのテクがなかったので、これまで長生きらえしているのかもしれません。
>デビッド・クロスビーの曲を取上げて、そこまで自分で料理して出しなおすのは普通の「芸術」をめざすジャズ・マンには出来ません。
いや、正に仰る通りで大きくうなずきました。D.クロスビーのあの特異な曲を取り上げるなんてハービー・マンの真骨頂ですね。
バディ・リッチ・ビッグ・バンド時代のスティーヴ・マーカスの映像がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=mpk1nkIXPaE