Jahkingのエサ箱猟盤日記

日々これ猟盤 エサ箱漁りの毎日....。

Sax,Sax,Sax

2007年03月10日 | Jazz
1,Pearls/David Sanborn (Electra) 1CD 200円
何度も書いているので恐縮ながらこの人に注目したのは70年頃の大昔。そう、バターフィールド・ブルース・バンドの「In My Own Dream」の1曲目"Last Hopes Gone"での間奏24小節のソロから。バター・バンドに参加する直前にはレスター・ボウィ、ジョセフ・ジャーマン等が運営していた前衛ジャズ集団AACMに参加していたというキャリアが伺えるそれはそれはイマジネイティヴな素晴らしいソロでした。サンボーンが参加したバター・バンドのアルバムは3枚ありますが氏の本領を発揮したソロが聴けるのは残念ながらこの曲のみ。ですからサンボーン狙いでバター・バンドを聴いてみようとする人(そんな人いないか!)はご注意を。

ということでその名が頭に残ったのは古いのですが、その後ソロ・アルバムが出て気にはなって聴いてみればフュージョンの衣をまっとった人となっており、いつしか私には縁遠いミュージシャンになったしまいました。よって今だサンボーンといえば"Last Hopes Gone"の人という化石人の私です。

と前置きが永過ぎましたが、本盤は95年にでたトミー・リピューマとジョニー・マンデルのプロデュースによるスタンダード集。豪華絢爛ストリングス・オケに乗って切々と吹いております。私にとってはBGM以上でも以下でもないというものですが、そのアルトの音色、フレージングは振り返ること25年以上も前に録音されたあの"Last Hopes Gone"のソロの痕跡が多々。衣装は変わってもその本質は意外なほど変わっていないのには化石人も思わずニンマリでした。


2,Skin Deep/Dulfer (EMI) 1CD 50円
キャンディー嬢の親父さん。最近何処の中古屋でもこの人のCDは捨て値で売っています。まったく知らないのですがこれが出た90年代半ばには結構売れてたみたいですね。で 中身はまず私には縁がなさそうなものだとは想定していましたがジャケのクルマが何とも目を引き思わず購入。中身? 想定の範囲内でした(笑)

Dulfer


3,Inheritage/Joseph Jarman(Baybridge) 1LP 300円
AACM~アート・アンサンブル・オブ・シカゴのジョセフ・ジャーマン、83年のリーダー作。ピアノ・トリオを従えた比較的オーソドックスな演奏。タイトルの「インヘリタンス」とは「伝統遺産を継承する」といった意味だそうで、シドニー・ベシェの"小さな花"からパーカーの"ブルース・フォー・アリス"からアフロ・ビート、カリプソ・リズム、果ては日本の古典音楽っぽいものまでそのタイトル通りの演奏をしています。悪くはないのですがいまひとつ引き込まれないのは、この人のサックスがどうも吹っ切れてないように思えてならないからかな。蛇足ながらアンソニー・ブラクストンのサックスにも同様の思いがあります。

Jarman


4,Live at Montreux 72 Vol.1/Phi Woods & his Europian Rhythm Machine(Pierre Carddin) 1LP 600円
で こちらは吹っ切れまくっているヨーロピアン・リズム・マシーンを率いてた頃のフィル・ウッズ。その1枚目「Alive Well in Paris」はピアノがジョルジュ・ルランツでしたが本盤ではゴードン・ベックに変更。収録された3曲ともそのゴードン・ベックの作品。よってやや音楽性に変化が。エレピを入れたエイト・ビート曲まで演ってます。ですが、まぁ、ウッズはウッズなわけで激情吹きまくりは相変わらず。ただ一枚のアルバムとしては荒さが裏目にでたキライがなくはなく、上記1枚目の完成度には遠く及ばず。ライヴだから当然とも云えますが。

Woods MontWoods Mont2



5,Contours/Nat Dixson (Saxrack) 1LP 600円
ジャズは70年代ものまでしか知らない私には全然知らないテナー&アルト・マンだったのですが、このアイラーを彷彿とさせるジャケ写に興味を覚え購入。87年N.Y.での録音。意外なほどオーソドックスな演奏でした。この人のサックス、即座に想起したのがチャールス・ロイド。音楽性は違いますがね。これまた、悪くはないのですが何か一味足りない気が。小手先の器用さってやつかな。

Nat Dixon


6,Science Fiction/Ornette Coleman (CBS) 1LP 500円
大昔ジャズ喫茶で結構掛かっていたオーネット・コールマンのCBS移籍第一作であった71年録音。
本当に久し振りに聴きました。当時はドン・チェリー、チャーリー・ヘイデン、ビリー・ヒギンスという往時のレギュラー・カルテットで極めて攻撃的に演奏された2曲目"Civilization"と続く"Street Woman"(特にチェリーが凄い)が好きでこの2曲がこのアルバム全体イメージだったのですが、あらためて聴くとボーカル(というかヴォイスか)を入れた別メンバーによる演奏がこのアルバムの真価なのかもと思えるようになりました。

そのカルテットのほかデューイ・レッドマン や ボビー・ブラフォード が加わったクインテット、シダー・ウォルトンやジム・ホールまで参加したセプテット、更には当時話題のインド娘アシャ・プトゥリのボーカルが入ったりと、過去の記憶なんていい加減なもので当時聴いたイメージとは大きく違う多彩な内容。全体的に極めて攻撃的な意欲的な演奏、移籍第一弾ということで気合が入ったのでしょう、聴き応え充分な一枚でした。

Ornet


7,The Bridge/Sonny Rolins (RCA) 1LP 100円
62年、一時の雲隠れからのカムバック第一作にしてRCAからの第一作目。ピアノ・レスでジム・ホール入りのカルテット盤。
62年といえばコルトレーンが最高に上り調子だった頃。はて、ロリンズは何を思って橋の下からもぐり出てきたか? 

Bridge


8,Lookout Farm/Dave Liebman (ECM) 1LP 600円
うん、これも当時ジャズ喫茶で大当たり盤でしたね。73年の10月録音、うん?マイルスと一緒に来日したのも同年だよな、と思い当たり調べてみたら来日は6月でした。テナー、ソプラノ、フルートを使い分け言わずもがなの名盤。昔から大好き。

どーでもいいことですが、中身の音楽とイメージが合わないこのジャケ写、昔から鎌倉の山に見えて仕方が無いのです。

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