エレクトラレーベルというと、我々の世代ではポール・バターフィールド・ブルース・バンド、アーサー・リーのラヴ、ドアーズ、MC5、ストゥージス...といったロック史を揺るがしたような革新的なバンドが多くデビューしたレーベルという印象です(70年代以降はWEAの一員として大メジャーレーベルに転換するのはご承知の通り)。が、それは60年代半ば以降ポール・ロスチャイルドを始めとする先進的な敏腕プロデューサーが腕を振るった以降で、50年代初めに創設から60年代にかけては主にトラディショナルフォーク、ジャズのレーベルとして活動していました。ギターを抱えているというこの時代のレーベルのロゴがそれを表していますね。
ということで、今回入手したのはそんなフォーク/ジャズの独立レーベルとしていた1957年にリリースされたレーベルサンプラー盤です。A面がフォーク、B面がジャズという区分けで構成。A面のフォークは当時白人層からも大きな支持を受けてアルバムも何枚も出していた黒人フォークブルースシンガー、ジョッシュ・ホワイトがトップを飾るのが象徴的、フラメンコのサビーカスが入っているのもエレクトラらしいところ。B面のジャズ編はテディー・チャールズ、ハービー・マン、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズによるイーストコースト・ハード・バップにトーチソングにジュリアス・ワトキンスを中心にしたフォー・フレンチホーンズという変わり種まで。エレクトラレーベルのこの時代のジャズというと、ここに入っているジャズ・メッセンジャーズ盤くらいしか思い浮かばないのですが、こんな面白そうなのもあったのねという発見も。
ということで、こんなLPもあったということで。
本文に書いた通りでエレクトラのジャズって地味でメッセンジャーズ(これは後にSavoyから再発されたはず)くらいしか思い浮かばないのですが、掘ると面白いのが沢山ありそうですね。
マン先生にジョー・ピューマ、ミルト・マシューズのThe New York Jazz Quartetなんて知りませんでした(アルバムはこのサンプラーに入っている2曲の2枚があるそう)
ブルーノートやリバーサイド、プレスティッジにあるのだけがジャズではないと気づかされました。(⇒これはブルーノート、ブルーノートと大騒ぎしている人たちに言いたい。)
ハービー・マンがマット・マシューズのところにいたのがここに入っていたのも意外。
一瞬、最近のテクノか電子音楽のサンプラーかと思いました(笑)。