気がつけば、お陰さまで大忙しですっかりブログの方は手抜き状態。。。。
定休日のお知らせしか、アップしてませんでした。
車のお仕事も、木工作家のお仕事も一段落でやっとPCに向かおうと思える今日この頃(笑)
ミニ専門店という事で営業させて頂いておりますが、けっこうミニ以外の車が多いんです。
古い外車、最近の外車。古い国産車、最近の国産車。
時には、草刈り機やチェーンソーまで。
つまり、他の店でメンドクサがる仕事がやってきたり車を大切にしたいオーナーさんが口コミでやってきてくれます。
もともとはミニで繋がったお客さんも、他の車、家族の車などを当店に持ってきて下さるケースも非常に多いですね。
ミニのノウハウを他社にフィードバックは勿論ですが、他の車のノウハウをミニにフィードバックもしています。絶対に、ミニだけいじっていたら今の自分の技術は身に付いていません。ミニだけを修理していれば一番簡単ですけどね。でも、その上を目指したいです。
さて、なが~い前置きはこの辺で。
今日は
ワーゲンバス 入庫してます。
1964年式。
60年代の車って、一番絵になると思います。眺めて良し、走行性能も現代に対応できるし。
このワーゲンバスの右のドアのヒンジが、ドアから剥離してしまった修理依頼です。(つまり、ドアが落ちた状態)
写真撮るの忘れたんで。。。
文章で流れを説明します。
まず、重いドアを外します。当然、ボルトは固着していて簡単には外れません。
本来、ドアヒンジはドアにボルトで固定される構造なんですが、おそらく腐ってしまっていたので強引にドアにヒンジを直接溶接されておりました。
ドアヒンジが付く部分の鉄板は二重構造ですが、溶接で修理されていたので表面の鉄板にのみ溶接。元々のドアの鉄板は腐って薄くなっているので強度不足。
ドアを外して解ったんですが、ドアヒンジが錆によって固着していた為に動きがかなり渋い状態でした。ドアヒンジがスムーズに動かないから、全てのストレスがドアとドアヒンジの取り付け部に集中してしまいます。その為に、金属疲労によって剥離。
ドアヒンジは、もう生産終了で交換は不可能です。本来なら交換か、ドアヒンジのピンをプレスで抜いて修理したい所なんですが鋳物の年代物のドアヒンジをプレスで抜くと割れる可能性が大なので、数日浸透性の非常に高いオイルに漬け込んで、たまに動かして錆を染み出しさせて何とか許容範囲まで回復。
2つあるドアヒンジのアライメントがいい加減に修理されていたので、それも原因でドアヒンジとドアの付け根に多大な負担が掛かっていました。これもアライメントを取り直しての修理が必要です。
理想的には、一度ドアヒンジをドアから切り離してドアに新たな鉄板を溶接し直して修理したいのですがオーナー様の予算の都合で何とか溶接して修理して、塗装も見えない所なので溶接個所をタッチペンでペイント。
なるべく、予算内に収めたいので剥がれた所を溶接で修理する事にしました。
二重構造になっているドアの鉄板の表面だけの溶接では、直ぐに元通りになるとおもいます。しかし。ドアのインナーハンドルが固着していて内張りが外れないので内側からの修理が出来ない?か?
まずは、インナーハンドルを抜く事に。
なんとか、試行錯誤してインナーハンドルが外れました。オリジナルのインナーハンドルなのでオーナーさまに無理はしないで下さいって言われていたので一安心。
インナーハンドルが外れなければ、内張りをずらして何とか溶接しようとは思ってました。
その後、内張り外してドアの内部から二重構造の内側の鉄板にドアヒンジをがっちり溶接。こっちの鉄板はしっかりしてました。
外側の鉄板にも溶接、ドアが腐っているので薄くて非常に難しいです。
勿論、2個あるドアヒンジのアライメントも調整しながらの溶接です。
そして、取り付けて、ボデーとの位置調整。微調整してばっちりです。
ドアの内部がかなり錆びていたので、これ以上進行しない様にワックスタイプの防錆剤をたっぷり吹き付けておきました。
ちなみに、ドアの内部の錆止め&予防対策はワックスタイプの防錆剤が良いと思います。例えば、サンドブラスト等で錆を除去して塗装しても鉄板の継ぎ目は処理できませんし、再度錆が再発すると塗膜の中で進行してより酷くなります。
それならば、外部からは見えなく、手の触れる事のない部分は固い皮膜を作らないタイプがベストと考えます。ワックスタイプの防錆剤であれば、新に錆が発生しても直ぐにワックス成分が錆に浸透して進行を止めてくれます。再補修も簡単ですし。
定期的に、ドアの内部に防錆剤を塗布するのが長持ちの秘訣です。
溶接個所を色合わせして、製作したタッチアップペイントで塗装して、内張り付けて完了です。
これで、もう壊れない事を願います。
ありがとうございました。