土の器

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悪魔の手紙(The Screwtape Letters)_C.S.Lewis

2024-03-29 00:24:00 | 読書
母国語で本を読むのはなんて楽なんだ〜
と思いながら読んでいった。
内容は決して楽ではないけどな。笑

本にしても、映画にしても、
和訳のタイトルにはいつも疑問を抱いてしまう。
なぜ、
「The screwtape letters」から
「悪魔の手紙」に、
「Frozen」から「アナと雪の女王」に、
「Inside Out」から「インサイドヘッド」に、
なっちゃうんだろう。
私からしたら、タイトルが内容を反映しすぎてある意味ネタバレになってしまう気がする。
タイトルが与えてくれる好奇心、想像力が半減してしまう。
と、いつも残念に思ってるけど、
まぁ、その話はおいといて。


C.S.Lewisが悪魔に、Screwtapeという名前を付けたのは、音声学的に不快感を与える単語だかららしい。
でも、外国人である私には分からないよな。笑

色々印象的な部分があったけど、韓国語で読んで日本語で感想を書くのはなかなか難しい。
読み終わって心に残った一言は、悪魔の手法は、いつも本質から目をそらすということ。

家族の魂のために熱心に祈った後、その場で家族に向かって不平不満を言う、
遠くにいる未知の人たちのために善意を持って祈り、近くにいて毎日のように会う隣人に対しては悪意を抱く、
そうやって空想の中で愛をするけど、愛の本質からは遠ざかる。
宗教的なことに執着させ、宗教の本質から目をそらす。
未来のことを考え、漠然とした希望もしくは恐怖を抱きながら、現実を忠実に生きない。
愛という積極的な概念を、非利己主義という消極的な概念にすり替えて、他人の幸せのために自分の利益を放棄するのではなく、利己的にならないために利益を放棄するようにする。
本当の謙遜は'自分の価値'自体を考えない、それに心を置かないことだが、自分の価値を低く評価することが謙遜だと勘違いさせる。

悪魔の手口に飲み込まれないように、目を覚ましていなければならない。
真理から目をそらすことなく、しっかり見つめていけますように。🙏


それ以外にも考えさせられる部分がいくつがあるが、言葉で整理するのが難しいな。
C.S.Lewisの本は、わかりやすくて、わかりにくい。記述の論理性や例えの分かりやすさに乗って楽しくついていくが、そのうち段々話が難しくなって、ついていけなくなって、頭をひねるようになる。でも、やっぱり好きかな。

さて、次はまた日本語の本が待っている。
よしー、頑張ろう!

「君たちはどう生きるか」を読んで

2024-03-25 23:30:00 | 読書
しばらく前に同じタイトルのジブリー映画を観た。面白くなかったわけではないが、私にはちょっと難しかったかな。いつかもう一度観てみたいと思った。

その帰り道に本屋さんに寄ってこの本を買った。
映画ではちらっと出て来ただけで、映画のストーリーに直接関係するものではないようだったが、それでも読んでみたかった。

読み始めてまもなく、とてもいい本だなと思いはじめた。今まで中学生の年頃の男の子についてあんまり考えたことがなかったが、未熟でありながらも、色々一生懸命悩み、考える姿がとても美しかった。
そしてクライマックスに至っては、とても緊張しながら読んだ。淡々と流れる話の中でこんな場面が出るとは思わなかったから、意外な展開に驚きながら、その辛さ、その気持ち、分かるような気がして私の心まで苦しくなってきた。

「さっきまであんなに仲のよかった友だちが、もう永遠に近づけない、よそよそしいものとなって、自分から遠ざかってしまったように思われます。まるで、自分ひとり暗い谷底へ落ちこんで、這い上ることも出来ない高い崖の下に取り残されてしまったような気分です」

そして、その辛い思いからやっと解放されたときは、私もほっとして涙を流しながら読んだ。
良かったー。本当に良かったと。

後半になって、今まであんまり表に出なかったお母さんが、主人公に語ってくれた石段の思い出の話もとても印象的だった。思うようにできない自分と向き合い、辛い思い、悔しい思いを味わって、もっと良い人になりたいと考えるようになる、確かにそうだなと思った。

日本語で本を読むのは、母国語で読むよりはるかに時間が掛かる。漢字が読めなかったり、意味が分からなかったりで、なかなかすらすらと読めない。しかし、だからこそ言葉を一つ一つ吟味しながら読んで良いんじゃないかなと、今回思うようになった。なんとなく避けていたけど、日本語でもっと本を読んでみよう。