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「君たちはどう生きるか」を読んで

2024-03-25 23:30:00 | 読書
しばらく前に同じタイトルのジブリー映画を観た。面白くなかったわけではないが、私にはちょっと難しかったかな。いつかもう一度観てみたいと思った。

その帰り道に本屋さんに寄ってこの本を買った。
映画ではちらっと出て来ただけで、映画のストーリーに直接関係するものではないようだったが、それでも読んでみたかった。

読み始めてまもなく、とてもいい本だなと思いはじめた。今まで中学生の年頃の男の子についてあんまり考えたことがなかったが、未熟でありながらも、色々一生懸命悩み、考える姿がとても美しかった。
そしてクライマックスに至っては、とても緊張しながら読んだ。淡々と流れる話の中でこんな場面が出るとは思わなかったから、意外な展開に驚きながら、その辛さ、その気持ち、分かるような気がして私の心まで苦しくなってきた。

「さっきまであんなに仲のよかった友だちが、もう永遠に近づけない、よそよそしいものとなって、自分から遠ざかってしまったように思われます。まるで、自分ひとり暗い谷底へ落ちこんで、這い上ることも出来ない高い崖の下に取り残されてしまったような気分です」

そして、その辛い思いからやっと解放されたときは、私もほっとして涙を流しながら読んだ。
良かったー。本当に良かったと。

後半になって、今まであんまり表に出なかったお母さんが、主人公に語ってくれた石段の思い出の話もとても印象的だった。思うようにできない自分と向き合い、辛い思い、悔しい思いを味わって、もっと良い人になりたいと考えるようになる、確かにそうだなと思った。

日本語で本を読むのは、母国語で読むよりはるかに時間が掛かる。漢字が読めなかったり、意味が分からなかったりで、なかなかすらすらと読めない。しかし、だからこそ言葉を一つ一つ吟味しながら読んで良いんじゃないかなと、今回思うようになった。なんとなく避けていたけど、日本語でもっと本を読んでみよう。



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