今日も一人で毒を吐く

定年を迎えて誰とも話しのできないこの時間を、社会に向けて、自分の備忘録として、色々言いたい放題発信します。

知性の伝承は出来ないのか?

2019年07月28日 23時55分35秒 | 生活
最近とんと物忘れがあって、不安になりますな。
どの程度だと老化と諦めるべきなのか、病気と心配するべきか?
何よりこのままどんどんボケてくるのか? そんな恐怖を禁じ得ません。
こんにちは、jisan-basanです。




私の知り合いが定年後暫くして、うっかり転倒して脳梗塞になってしまった。
大学教授だった彼は、大変優秀で、多才で多趣味、さぞ充実した老後を送る
だろうと思っておりました。

ですが、僅か1年そこそこで体は元に戻っても、全く違う人間になった。
自分の身に付けたスキルも、資格も、様々な才能も全く発揮できない、
そんな状態になってしまった。
誠に残念であり、本人も口惜しいだろうと察します。
ですが、それさえも口に出すことさえ出来ないのだ。

私はリハビリ施設にいる時に見舞ったが、切なかったね。
顔は分かるが名前が出てこない。色々伝えたいが、何と言えば良いのか
表現できる言葉が思いつかないらしい。
ベッドの横に必死で思い出そうと、数字や、月、自分の名前や、住所など、
ひらがなで書こうとした紙がいくつもあった。

その後見舞いに行った時、今度は1桁の足し算をやろうとした紙があった。


結局あれから家族からは何も伝わってこない。
こちらも恐ろしくてそれ以上聞けないでいる。


どんなに優秀であっても、多才であっても、お金を持っていても、
一度失った能力は戻らない。特に運動機能と違い、人間の脳と言うやつは
本当に微妙なもんだ。


せめて自分の身に付けた能力を、子供に伝承することは出来ないのか?
彼の学際的な能力も、テニスやスキーやゴルフなどのプロ級の腕も、
優雅に奏でていたピアノの音色も、無情に取り上げてしまったのか?





この私だって思う。息子に知識のすべてを譲れたらと。
いや、知識だけだったらAIが補っていくだろう。
だけれども自分が身に付けた様々な知性はどうだろうか? 
あんなに苦労して身に付けた語学力も、趣味として身に付けた楽器の演奏も、
プログラム力も。


全く違う分野で、私の能力なんてイランと言うかもしれないが、私が脳に
損傷を負ってしまえば、一瞬にして消えてしまうのだ。
余りにも空しいではないか・・・。


何と無慈悲なことだろう? 
自分の頭に霞がかかっていくことを食い止める術はないのだろうか?
自分の知性を簡単に伝承する方法はないものだろうか? 
悩ましいかぎりである。



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