楽園づくり ~わが家のチェンマイ移住日記~

日本とタイで別々に生活してきた私たち家族は、チェンマイに家を建てて一緒に暮らし始めました。日常の出来事を綴っていきます。

2つの年頭所感~年明けから鬱々たる気分

2015-01-01 12:18:02 | 日本のこと

みなさま、明けましておめでとうございます。ブログを愛読してくださっている皆様とご家族の、ご健康・ご多幸をここチェンマイよりお祈り申し上げます。

わが家は今朝、家族総出で家の中の清掃作業をしました。普通は年末に大掃除をするのですが、タイの我が家は年末ではなく、いつも元旦にやることになっているのです。その合間に、このブログを書いております。

さて、今朝はとても清々しい年頭所感と、不愉快な年頭所感の2つを見てしまいました。不愉快なのは、日本国の安倍内閣総理大臣の年頭所感。清々しいのは、日本国の天皇陛下の年頭所感です。どうしてこのような違いがあるのか私にはよくわかりません。しかし、人間の品性、心の大きさ、清らかさが大いに関係しているのではないかと思われてなりません。それ以上のコメントはやめにして、2つの年頭所感の全文にまで目を通された方は少ないかもしれないので、そのまま引用させていただきます。

 

<天皇陛下の年頭所感>

 昨年は大雪や大雨、さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ、家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。

 また、東日本大震災からは四度目の冬になり、放射能汚染により、かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。昨今の状況を思う時、それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ、地域を守っていくことが、いかに重要かということを感じています。

 本年は終戦から七十年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています。

 この一年が、我が国の人々、そして世界の人々にとり、幸せな年となることを心より祈ります。

 

<安倍内閣総理大臣の年頭所感>

 新年あけましておめでとうございます。

 総理就任から2年が経ちました。この間、経済の再生をはじめ、東日本大震災からの復興、教育の再生、社会保障改革、外交・安全保障の立て直しなど、各般の重要課題に全力で当たってまいりました。さらには、地方の創生や、女性が輝く社会の実現といった新たな課題にも、真正面から取り組んできました。

 そして先の総選挙では、国民の皆様から力強いご支援を頂き、引き続き、内閣総理大臣の重責を担うこととなりました。

いずれも戦後以来の大改革であり、困難な道のりです。しかし、信任という大きな力を得て、今年は、さらに大胆に、さらにスピード感を持って、改革を推し進める。日本の将来を見据えた「改革断行の一年」にしたい、と考えております。

 総選挙では全国各地を駆け巡り、地方にお住いの皆さんや、中小・小規模事業の皆さんなどの声を、直接伺う機会を得ました。こうした多様な声に、きめ細かく応えていくことで、アベノミクスをさらに進化させてまいります。

経済対策を早期に実施し、成長戦略を果断に実行する。今年も、経済最優先で政権運営にあたり、景気回復の暖かい風を、全国津々浦々にお届けしてまいります。

今年は、戦後70年の節目であります。

日本は、先の大戦の深い反省のもとに、戦後、自由で民主的な国家として、ひたすら平和国家としての道を歩み、世界の平和と繁栄に貢献してまいりました。その来し方を振り返りながら、次なる80年、90年、さらには100年に向けて、日本が、どういう国を目指し、世界にどのような貢献をしていくのか。

私たちが目指す国の姿を、この機会に、世界に向けて発信し、新たな国づくりへの力強いスタートを切る。そんな一年にしたいと考えています。

 「なせば成る」。

上杉鷹山のこの言葉を、東洋の魔女と呼ばれた日本女子バレーボールチームを、東京オリンピックで金メダルへと導いた、大松監督は、好んで使い、著書のタイトルとしました。半世紀前、大変なベストセラーとなった本です。

 戦後の焼け野原の中から、日本人は、敢然と立ちあがりました。東京オリンピックを成功させ、日本は世界の中心で活躍できると、自信を取り戻しつつあった時代。大松監督の気迫に満ちた言葉は、当時の日本人たちの心を大いに奮い立たせたに違いありません。

 そして、先人たちは、高度経済成長を成し遂げ、日本は世界に冠たる国となりました。当時の日本人に出来て、今の日本人に出来ない訳はありません。

国民の皆様とともに、日本を、再び、世界の中心で輝く国としていく。その決意を、新年にあたって、新たにしております。

 最後に、国民の皆様の一層の御理解と御支援をお願い申し上げるとともに、本年が、皆様一人ひとりにとって、実り多き素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

  ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

なぜ安倍総理大臣の所感に鬱々とした気分になってしまうのか、それだけは書いておきましょう。

どう読んでも、ひたすら平和国家としての道を歩んだのは過去のことであって、これからは、それに代わる「私たちが目指す国の姿」を世界に発信し、再び「世界の中心で輝く国」としていきたいという決意表明。一体なにを どうしたいと言うのでしょうか。経済は、昔の高度成長時代に戻したい。しかし、ひたすら平和国家の道を歩んだ戦後の日本からは決別したい。そうとしか読めませんね。矛盾だらけで、本性丸出しの年頭所感です。

一方の天皇陛下のお言葉は、短いながらも心に響くものがあります。とくに、「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています。」と述べておられることには感銘すら覚えます。政治家と、政治にはかかわらない国民統合の象徴である天皇陛下の年頭所感は、元来比較するべきものではないかもしれません。しかし、節目となる戦後70年について、お二人がまったく違う方向を見ていることは、これではっきりしましたね。

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4 コメント

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謹賀新年 (Q太郎)
2015-01-01 18:15:21
ご無沙汰しておりますが、ブログはいつも拝見しております。
チェンマイはこれから煙害の季節に入るはずです。
健康に気を付けられて、良いお年を!(*^_^*)
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Q太郎さんへ (うさぎ)
2015-01-01 23:10:36
明けましておめでとうございます。
今年はがっちりと、ブログを更新していく所存です。
何であれ、遠慮会釈なく思いのたけを書きなぐる所存でもあります。

Q太郎さんのご健勝、お祈りしております。
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うーん (gao)
2015-01-02 12:44:32
いつも楽しく読まさせていただいてます。

が、少し気になったので書かせてもらいます。

どうみても経済で再び世界で光り輝く国にしたいとしか読めませんよ。
先人たちができて、今の私たちにできない理由がないといいたいのだ理解できます。

経済で世界の中心で光り輝く国に再びしたいという気持ちがなぜよくないのかがさっぱりわかりません。

それと平和ボケしていたせいで、北朝鮮による拉致や中国の尖閣諸島を脅かされてるのがわかりませんか?

別に武力を用いて、中国やロシアのように他国を侵略する事もしないのですからね。

ある程度の武力をもって多少なりとも行動もしないと、簡単にフィリピンやベトナムのように海洋を支配される現状ですよ。

この年頭所感は、いたって普通の事を言ったと思うんですけどね。

失礼ですけど、もしかして憲法9条を世界遺産にって言ってる人たちに共感してる人なんでしょうか?
そうだと少しせっかくのブログが今後違った見方になってしまいます。
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gaoさんへ (うさぎ)
2015-01-02 18:59:32
コメントありがとうございます。
安倍さんのこれまでの主張、思想を理解していれば、この年頭所感の行間も読めると思います。

「今年は、戦後70年の節目」と書いた、次のパラグラフをよく読み込んでみてください。安倍さんのような政治家は、いい悪いは別にして、国のあり方について明確な考えを持っています。去年から解き始めた「封印」を今年は本格的に解いて、「新たな国づくりへの力強いスタートを切りたい」と言っているわけです。再び経済大国にしたいというのが一番の願望ではないでしょう。

戦後の平和国家としての日本国の歩みを、私も国民の一人として誇りに思っていますし、安倍さんと違って、今後もその基本的な路線は継続してほしいと思っています。
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