楽園づくり ~わが家のチェンマイ移住日記~

日本とタイで別々に生活してきた私たち家族は、チェンマイに家を建てて一緒に暮らし始めました。日常の出来事を綴っていきます。

建築現場訪問記(1)

2012-03-07 23:52:18 | タイの家づくり

妻の発熱という、思わぬ緊急事態がありましたが、私自身はチェンマイの建築現場を訪れるという目的を、とりあえず2日目に果たすことが出来ました。

3月1日の朝、妻の妹と中学3年の娘を伴って、まずは建設会社へ行きました。窓の位置や大きさなどを少し変更したかったからです。この機会を外すと、もうすぐ壁作りの工程に入ってしまうので、窓の位置や大きさの修正は困難になるからです。

いつもは社長が一人で話を聞いてくれたのですが、今回は社長が不在でした。これは全く予期していない事態でした。先方も、てっきり妻が一緒だと思っていたようで、お互いに拍子抜けの状態から話し合いが始まりました。先方は、副社長格の男と、設計担当者、それに建設担当者の3人で話を聞いてくれたのですが、その中で英語がわかるのは副社長格のリーダーひとりだけでした。

社長がいれば、妻とタイ語でやりとりするのがベースで、、時おり私が直接社長と英語で話すこともありました。今回は、リーダーの男と英語でやりとりし、彼がそれを設計担当、建設担当にタイ語で説明するという構図になりました。英語をきっちり理解できる人だったのでほっとしました。もし彼がいなかったら、打ち合わせは成立しなかったでしょう。

修正点は、窓の大きさの変更が3か所、位置の変更が2か所、ドアの大きさの変更が1か所などでした。そもそもは、先方の作成した設計図書に矛盾点があって、家の平面図に描かれている窓の大きさと、別のページに書いてある窓の詳細な仕様が食い違っていたのです。それで、平面図通りの大きさにするよう念押ししました。さらに、各窓の縦の長さが小さすぎるので、もっと大きくするよう要望しました。もちろん、何の問題もなくすべてOKでした。

打ち合わせを小一時間で済ませたあと、サラピーの建築現場に向かいました。道が空いているので、建設会社から大体20分くらいで行くことができました。

その日、現場には10人ほどの作業員と2人の現場監督(建設会社の社員)が働いていました。屋根の鉄骨は7割から8割方出来上がっているように見受けられました。同時に、玄関付近と裏のベランダ付近に青い服の作業員が集中して、2か所の階段づくりにまさに取り掛かろうとしている様子でした。屋根の作業員の服装は青い服ではなかったので、屋根の仕事は別の専門業者が請け負っているようでした。特殊技能なのでしょう。

2人の監督さんのうちの1人が大きな声を出して青い服の作業員に指示を出していました。もう1人の監督さんは、青い服のリーダーと図面を見ていましたが、私たちに気づくと、「奥さんは一緒じゃないんですか?」と声をかけてきました。病院に入院していることを話すと「それは大変ですね、早くよくなるといいですね。」と言ってくれました。いつも私たちが会社へ行くときは、社長にしか会わないので、社員の顔を覚えていないのですが、社員の人たちは、妻と私をちゃんと見ていたようです。

 

敷地内には、壁をつくるための赤いレンガと、ほとんど黒に近い濃い茶色の瓦がたくさん積まれていました。窓の大きさや位置の変更はどうやら間に合ったようです。あと1週間もすれば、壁づくりの工程に入っていたのではないでしょうか。

↑ 黄色いシャツの作業員が乗っている屋根は、主寝室の屋根です。この部分だけ、屋根の高さがかなり低くなっています。天井から屋根までの空間容積が他の部屋より小さいので、断熱材が入ったとしても、ちょっと暑い部屋になるかもしれませんね。

 

屋根では時折火花が散って、溶接作業を行っているようでした。

この写真や下の写真をよく見ると、市街地ほどではありませんが、ここサラピーにも煙害の影響が出ているのが分かります。下の方に見える木々がすこし霞んで見えるでしょう。それはスモークのせいです。本来なら、もっときれいな緑色に写るはずです。

↑ 手前のレンガが積まれている場所が台所です。段差があるのが分かりますか?他の部屋より床は10センチ低くしています。日本的に考えれば、フラットな床の方が良いと思いますが、台所は低くするのがタイ式なのだそうです。そう社長に言われて私も妥協してしまいました。その向こうの、割と広い空間は食堂になります。ほとんど見えていませんが、その右にリビングのスペースが広がっています。想像していたほどは、全体的に大きく見えませんでした。

妻の妹はカンペンペットで建築の作業員をしていますので、なにやら監督さんと長いこと話し込んでいました。何か問題はないか、あとで聞いてみたところ、全然問題ないと言っていました。ま、単なる作業員ですから、構造上の問題などを見抜く力はないでしょう。私自身は、自分でこの家を設計したとはいえ、建築技術に関しては全くの素人なので、この段階で何か作業上の問題を指摘したり、要求を出したりする能力はまったくありません。ただただ眺めているだけです。内装の段階に入ったら、少しは口を出す場面も出てくるかもしれません。

撮影したカメラそのものをバンコクの家に置いてきてしまったので、これ以上お見せ出来ませんが、敷地内には作業員が宿泊するための小さな掘立小屋が2つ建っていました。そこに6~7人分の寝具がありました。確認していませんが、作業員の半分くらいは、ミャンマーからの出稼ぎ労働者かもしれません。どう見ても10代後半と思われる若い女性の姿もありました。

作業員の多くはおそらく一日200バーツに満たない安い賃金で、お金がかからないよう、現場に泊まり込むのでしょう。日本的に考えれば、一軒の家を建てるために大工さんが現場にずっと泊まり込むなんて考えられませんが、タイでは当たり前だということです。

妻の妹も、手伝ってと言われれば、作業小屋に泊まり込んで何日も働いてくれるんではないでしょうか。彼女のカンペンペットでの賃金は、一日190バーツです。たったの500円くらいです。そういう労働者によってタイの建設業は支えられているわけです。彼ら彼女らのおかげで、社長はベンツに乗ることができるのです。

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10 コメント

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Unknown (k)
2012-03-08 08:21:37
いろいろと大変でしたね。言いたいことはたくさんあるのですが、大事な点をひとつだけ。奥様やご自身が車いす生活になった時のことは想定されていないのでしょうか。私なら屋内・敷地内には極力段差を作らないと思います。
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kさんへ (うさぎ)
2012-03-08 12:27:20
コメントありがとうございます。老後でなくても、車いすの生活の可能性は誰も排除できませんね。その意味では用心して平屋にしました。風呂、シャワー、台所に10センチの段差あり。前者は仮に日本でも完全にフラットにはできませんし、車いすのまま入ることはありえませんので、多少の段差は許容です。
玄関にはスロープをつけることができます。敷地と建物をフラットにしたら洪水時の危険がとても大きくなるので、タイでは床をある程度上げる方が安心できますよ。
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たしかに・・・ (トトロ)
2012-03-10 04:26:34
その後奥さまはいかがですか?

たしかに洪水のリスクもあるし風通しのことを考えても多少高くした方がいいのでしょうね。

僕らがチェンライの家内の実家を建て直すのはまだまだ先のことになりますが、貴ブログを拝読しながら何となーく考えるのが楽しい今日この頃です(^^)
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たしかに・・・ (うさぎ)
2012-03-10 12:28:54
トトロさん、こんにちは。今回、家の間取りなどは1年くらい前から考え始めたんです。たしかに、その過程で家族や建築会社の人とやりとりする事が一番楽しかったような気がします。出来あがってしまったら、楽しみがなくなるかもしれませんね。今度は庭づくりに専心?
妻はすっかり回復して、いつもの元気なおばさんに戻っています。でも3日後にまた抗がん剤なんですよ(涙)。
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一安心いたしました (かおるパパ)
2012-03-10 16:06:06
奥様、元気回復とのこと、一安心いたしました。
慌ただしく過ごしていらっしゃると考え、投稿を控えておりました。

当方の家は仕上げ段階に入ったようです。(塀とかの外回りがまだです)
妻がカーテン(35,900B)を事後承諾で発注してしまい、一悶着ありました。
私が一人でカーテン屋を下見して、その店の名刺を妻に渡したのですが、購入はまだ待つように伝えていました。
が、待ちきれなくてフライングしてしまいました。困ったものです。
一応、日本での見積を調べましたが、その約1/3なので良いとしましょう。
4月の初めに訪タイします。

うさぎ様、今回の件、貴方もお疲れのことと存じます。
奥様ともども、お体お大切に。
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確かに・・ (アオチンチン)
2012-03-10 16:45:02
先日はタイミング悪く失礼しました。
その後、どうでしょうか?

私もそうでしたが、出来上がってしまうと、次は家具だと、装飾品だと云々やっていましたが、
それも今はなくなり、ブアいやいや平和な日々ですよ(笑)。
しかし、平和になると人間つまらないもので、
車を1台叩き売り、今車の新規購入を検討中です。
今回はディーゼル車ですが、びっくりです。
速かったし、パワーもあった!!
欧州車あなどれません(笑)。
そんなこんなで自分でブアな日を作らないようにして遊んでいます。

これから竣工までが、本当に楽しく苦しい時間でしょうね!
また次のお話を楽しみにしております。
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かおるパパさんへ (うさぎ)
2012-03-10 16:55:03
お心遣いありがとうございます。
もうすぐ入居可能になるようで、喜びも最高潮に達する時期ですね。カーテン、そんなに高いんですか。まったく予算に入れていませんでした。日本では一軒分だと数十万が相場ですが、タイでも10万(円)くらいかかるんですね。
私は4月1日にバンコクへ飛ぶ予定です。年内は帰国予定なしとなります。
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アオチンチンさんへ (うさぎ)
2012-03-10 17:05:01
2月はお会いできず残念でした。妻のことはブログの通りです。私もサミティウェート病院へ行くほど調子が悪かったんですが、帰国した途端に回復しました(笑)。寒い日本の方が私は合ってるんのかもしれません。でも時すでに遅しで、暑いタイに骨を埋めるかもしれません。
さて、どちらを売られたんですかね?叩き売ったのなら、修理に出したあちらですね、きっと。

それはそうと燃料の高騰、ひどいようですね。私も愛好するバンコクのソンテウは1バーツ値上げです。タクシーもそろそろですかね。
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高いのは (アオチンチン)
2012-03-11 18:54:00
カーテンも燃料も高いです。
特にここ数年、物価は急激に上がっていますよ。
うちもカーテンたしか高かった(笑)。よく覚えていませんが(全体のひとつでしか捉えてなかったので)。

車はCR-V売りましたよ。
すぐに売れました。
所詮もうすぐ新型出るのにね~。
まぁ新車同様ですから、買った子(女の子)は満足してたようですよ。

車申し込みました。
5月中ばに来ます。それまであまり遠くには
遊びに行きません。
以前田舎で痛い目に遭いましたので。
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2台とも・・・ (うさぎ)
2012-03-11 21:35:05
アオチンチンさん、ひょっとして2台とも欧州車になるんですね。
CR-Vが新しくなるのなら、それに乗り換えようかな・・・・三菱に手付金1万バーツ払ってますけど・・・それとも、車は走るだけの思いっきり安いのにしようかなと、まだ思い悩んでいます。
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