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問題多い日大→「首から落ちるんだよ!」バックドロップで全身不随 日大サークルの“イジメ動画”

2020-05-18 | 警察・事件
問題多い 日大

「首から落ちるんだよ!」バックドロップで全身不随 日大サークルの“イジメ動画”
                 
  「週刊文春」 
2020/05/15
        
「息子は就職することもかなわず、ずっと自宅やリハビリ施設での療養生活を余儀なくされています。しかし、大学側は真摯に事故原因を究明することもなく、『こちらに責任はない』と言い切った。『ふざけるな!』という気持ちでいっぱいです」(Aさんの父)
 2018年にアメフト部が“悪質タックル問題”を起こした日本大学。前年にもプロレスサークル内で、悲惨な事故が発生していた。
 ©iStock この記事の画像(4枚)
◆◆◆

 Aさん(24)が日大のプロレス研究会「NUWA」に入ったのは15年春。当時、Aさんは別の私立大学の2年生だった。
「プロレスが昔から好きで、インターネットでたまたまNUWAのホームページを見つけたんです。『他大学も歓迎』とあったので、入会しました」(Aさん)
 それから週に2回ほど、日大法学部6号館で開かれる練習に参加していたAさん。4年生で就職活動真っ最中だった17年8月1日の練習中に、事故は起きた。
「AくんはXに、『次の試合でバックドロップを掛けられるように』と言い渡され、練習をすることになりました。技をかける相手役は新人のY。Xの高校時代の後輩で、がっちりとした体格でしたが、試合は未経験でした」(研究会関係者)

5/15(金) 17:00配信
文春オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200515-00037759-bunshun-soci.view-000
©iStock
「息子は就職することもかなわず、ずっと自宅やリハビリ施設での療養生活を余儀なくされています。しかし、大学側は真摯に事故原因を究明することもなく、『こちらに責任はない』と言い切った。『ふざけるな!』という気持ちでいっぱいです」(Aさんの父)
【画像】全身不随で車椅子生活となったAさん
 2018年にアメフト部が“悪質タックル問題”を起こした日本大学。前年にもプロレスサークル内で、悲惨な事故が発生していた。
◆◆◆
 Aさん(24)が日大のプロレス研究会「NUWA」に入ったのは15年春。当時、Aさんは別の私立大学の2年生だった。
「プロレスが昔から好きで、インターネットでたまたまNUWAのホームページを見つけたんです。『他大学も歓迎』とあったので、入会しました」(Aさん)
 それから週に2回ほど、日大法学部6号館で開かれる練習に参加していたAさん。4年生で就職活動真っ最中だった17年8月1日の練習中に、事故は起きた。
「AくんはXに、『次の試合でバックドロップを掛けられるように』と言い渡され、練習をすることになりました。技をかける相手役は新人のY。Xの高校時代の後輩で、がっちりとした体格でしたが、試合は未経験でした」(研究会関係者)
 当時、AさんはXからイジメに遭っていたという。
「Xは練習中にAくんの脛を叩いたり、食費を出させたりしていました。Aくんを研究会に残らせるために『留年しろ』と脅かすことも。授業があるため練習への参加を断ったAくんに、しつこく『出てこい』と連絡していました」(同前)
 バックドロップは相手の背後から脇に頭を潜り込ませ、一気に後方に反り投げる、プロでも危険な技だ。
 身長166センチ、体重63キロと小柄なAさんは、あまり運動が得意ではなく、それまで主に“お笑い試合”に出場しているようなメンバーだった。Xの指示にAさんは困惑した。


思い切り後方に投げ飛ばされたAさんは……
「Aくんが完全に上半身をフリーに投げられる技を受けるのは初めて。周囲のメンバーは『大丈夫かよ』と心配していました」(同前)
 技を3度かけられ、4度目の直前、XはYに「見栄えが悪い。振りぬく感じが足りない」と指示。それに従ったYは、Aさんを思い切り後方に投げ飛ばした。
 Aさんが振り返る。
「すぐに首が脱臼したのが分かり、痛みがすごかった。救急車が来て、担架で運ばれている最中に酸素マスクを付けられたけど、急に息苦しくなって……。このまま死んでしまうのかなと」
 Aさんに下された診断は頸髄損傷の重傷。緊急手術が施され、何とか一命は取り留めたが、今も首から下が自力で動かせない全身不随の状態となった。
 Aさんの父はこう憤る。
「その後、周囲の助けもあって大学は卒業できましたが、息子の身体は元に戻りません。事故についての調査と見解を日大側に求めましたが、『サークル活動中に起こった不慮の事故』との見解を口頭で告げられただけで、まともに取り合ってもらえませんでした。Yは一度見舞いに来ましたが、Xから謝罪はありません」

練習中に「首から落ちろ、首から!」
 Aさんのスマホには1本の動画が残されていた。事故の約3カ月前の練習中に撮影されたもので、次のようなシーンが映っていた。
 マット上で何度か受け身を取ったAさんが再びマットの上に立つ。バン!という受け身の音が響き渡る。
X「もっとだよ。腰上げろ! お前、3年間サボってきたから、これだよ」
 バン! マット上で再び受け身を取るAさん。
X「まだだよ。首から落ちろ、首から! 首から落ちるんだよ! 落ちても大丈夫だろ? 首から首から!」
 周囲で「えへへへ」と笑い声が起きる――。


「息子を殺す気だったのか」
 動画を見たAさんの父は、
「あまりに危険な行為に、Xは息子を殺す気だったのかと思いました。日大はこのサークルを公認し、顧問的立場の法学部教員もいた。それなのに、こんな練習を放置していたのです」
 18年12月、Aさんは日大とX、Yに対して5000万円の損害賠償を求める裁判を起こした。
「日大は『サークルの連絡会を開催して活動内容について注意喚起。大学として十分な措置を講じた』と反論し、真っ向から争う姿勢を見せている。XとYは、Aさんを『長年の経験者』とし、Aさんがケガをした投げ技についても『Xの指示はなかった』と主張しています」(司法関係者)


XとYに取材を申し込むと……
 Aさんは18年6月、管轄の神田警察署に被害届を提出。今年3月10日にXとYは業務上過失傷害の疑いで書類送検された。
 Yに携帯で今回の事故の件を尋ねると「ちょっと今、忙しいので後ほどで」と切れ、その後電話はつながらなかった。Xは携帯に出ず、留守電とメールで取材を申し込むも、締め切りまでに応答はなかった。
 日大企画広報部広報課は、「本件につきましては、現在係争中であることから、お答えを差し控えさせていただきます」と回答した。
 Aさんはこう訴える。
「健康体だった事故前日の記憶が、なぜかいまだに鮮明なんです。もちろん自分は生きています。でも、あの事故を境に時間が完全に止まってしまっているんです。被告には法廷で本当のことを語ってほしい」
 次回の公判は5月21日に開かれる予定だ。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年5月7・14日号



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