6県のJA、東電に156億円請求 累計290億円に
2011.6.30 18:33 (MSN産経)
東京電力福島第1発電所の事故に伴う農畜産物被害で、JA(農協)を主体とした福島、茨城、神奈川など6県の損害賠償対策協議会は30日、東電に対し、5月分の損害額として約156億円を請求した。これまでの請求額と合わせた累計は約290億円。南足柄市の茶葉から基準値を超える放射性物質が検出され、出荷を自粛した神奈川県が今回、初めて請求に加わった。
JA神奈川県中央会の志村善一会長ら約20人の関係者が同日午後、東京・内幸町の東電本店を訪れ広瀬直己常務に請求。内訳は神奈川1億4188万円、茨城77億円、福島26億円など。
志村会長が「お茶の生産農家にとって収入の8割を占める一番茶が出荷できなくなった。迅速な対応をお願いしたい」と述べると、広瀬常務は「指針に基き、できるだけ早めにお支払いする」と応じたという。
神奈川県の請求は、5月にお茶を出荷自粛や自主回収をしたことによるもので、6月の政府の出荷制限指示による損害は今後請求する。お茶に関する放射性物質の検査では当初、生の茶葉を対象にしていたが、これを乾燥させた荒茶も6月から加えた。
重さが5分の1になることで、放射性物質が濃縮される荒茶は暫定基準値を超えやすくなり、出荷制限も増えた。このため、次の請求額が「今回より大きな金額になる」(志村会長)のは必至だ。