2012年2月の甲状腺の雑談掲示板より
『甲状腺乳頭癌の発見から摘出手術・退院まで10ヶ月間の顛末記』
2012年2月の甲状腺の雑談掲示板
http://www.ne.jp/asahi/my/thyroid/BBS2Log/bbs2_1202.html より
発見から手術・退院まで10ヶ月間の顛末記 投稿者:夜明け前
投稿日:2012年 2月18日(土)14時06分25秒
はじめまして。 2012/2/9に甲状腺乳頭癌の摘出手術をして、2/14に退院となり自宅療養している 夜明け前 といいます。
退院後にこのサイトについて妻より教えてもらい、皆さんの活発なやりとりに驚きつつ興味深く読ませてもらっているところです。同じ甲状腺癌であっても皆さんそれぞれに異なる状況があることを知るとともに、自分と同じような不安や迷いをもたれている方もいるんだなぁとも思いました。
いろいろな例の一つとして、手術後の自宅療養までの私の経験もご報告しておけば、もしかしたら同病の後輩の誰かさんに何らか参考になるのかもと思い投稿させてもらいました。
ちなみに、私は、男性、53才、岐阜県内地方都市で会社員してます。
長文になってしまいました。
くどい説明 多いです。適当に読み飛ばしてください。
1.始まり
始まりは、昨年5月、会社の定期健康診断結果を受け産業医より呼び出しがかかったところからです。
動脈硬化チェックのため隔年実施されている頚部エコー検査で、動脈硬化はOKなるも、たまたま写っていた甲状腺に10mm程度の腫瘍らしきものが写っていました。産業医より、検査すべし、と指示されたのです。
2.疑いから確定に
・2011/6/7 産業医の紹介状を手に、居住地で一番大きな市民病院の内科に受診。
超音波エコーで右側に腫瘍確認。「仮に悪性だとしても進行は緩やかで切除すれば完治できるから心配しすぎないように」といわれつつ「良性かどうか判定するため細胞診をしましょう」と。ちなみに、この内科内分泌ご担当医は、名古屋より毎週火曜日だけ来る非常勤。
・6/28 細胞診。
超音波エコー画像を見ながら、4度針を刺し吸引。想像よりはちと痛かった。「結果は二週間後に、血液検査では甲状腺ホルモン量には異常なし」と。
・7/12 細胞診結果。
「細胞採取ができておらず結果出ず」との想定外の答え。「改めて細胞診する」、として二ヵ月後に検査予約。
・9/13二度目の細胞診。
前回同様、今回も4度目の針を刺されたその時、看護師が医師に「血が」と。即、針を抜き、医師自ら穿刺部を指で押さえて5分間ほど止血。そして超音波エコーで見て「内出血は無いよう、このままここで休んでから診察室に来てください」と。自分では見えないのでどんな様子だったかはわかりませんが、明らかに想定外の様子だったような。。。10分ほど横になって休んだ後、医師より、「出血させて申し訳なし。もし帰ってから腫れるなどあれば直ぐに救急に電話を」と。
・9/27二度目の細胞診検査結果。
まさかのお答え「今回も細胞採取できておらず結果が出なかった。」おいぉぃ。。。
「甲状腺ホルモン値も正常、エコーでみた腫瘍サイズも変化が無いので、半年ほど先に改めて細胞診しましょう」と。「来年3/6に細胞診の予約を入れておきます」と。
二度も細胞診して、良性悪性判定どころか細胞採取も出来ず。いくら進行は遅いと聞かされていても、癌かもという不安を持ちながら、無駄に三ヶ月過ぎてしまったわけで、これ以上この先生にはついていけないなと思いました。早速、勤め先の産業医に相談。別のところで検査すべしということになり、名古屋市内の甲状腺専門の診療所Oに行くことにしました。
・10/19 診療所Oで受診。
超音波エコーで腫瘍を確認。「サイズが9mm、甲状腺の気管側にあり。細胞診にも高い手技を求められるかも」と。紹介状には、二度の細胞診失敗についても記載されていただろうから、それを受けてのコメントかなと。
・11/4 細胞診。
一度刺しただけ。痛みも少なく、少し身構えていたのに拍子抜け。
・11/18 細胞診結果。
「甲状腺乳頭癌にほぼ間違いないことが確認された」と。
いくら進行が遅くて大人しいとの説明を聞いても、癌という単語は心に刺さりました。ただ同時に、4月以来半年かかってやっと白黒はっきりしてすっきりしました。
「10mm未満は手術せずに様子見、という方針の病院もあるが、男性の場合は女性よりはリスクが高いので切除されたら」と勧められました。ただ「この診療所に手術設備はないので、連携している病院での手術か、他の病院を紹介します」と言われ、「先生にお願いしたい」と申し上げたら、「順番待ちで来年5月になる。現在の病状から見て5月でも大丈夫だが、もっと早く手術したいと言うことなら紹介するところに当たってみたら」と。5月の手術の仮予約をしつつ、4つほど名古屋にある病院を紹介してもらいました。
無駄な三ヶ月に続けて、手術待ちに半年とは! 20年ほど前に骨折で手術を受けたことしかない私には、手術の順番待ちが半年?? 信じられない想いで、紹介を受けた各病院のサイトを自分なりに見てまわりました。病院によって、全切除が基本というところと、半切除もあり、という方針の違いがあることなど、初めて知りました。
産業医に、病状及びどこで手術を受けるべきか相談。 9mmと小さな腫瘍が右側に一つなら全切除は避けたいな、というのがその時の気持ち。産業医より、居住県の県立病院を推奨されました。そこの乳腺内分泌外科部長は、日本甲状腺外科学会評議員、内分泌・甲状腺外科暫定専門医取得者で、甲状腺術数も毎年30件程度あります。比較した病院の中にはもっと多い術数のところもありましたが、そこは甲状腺の内科に有名な先生が居て、結果として外科手術件数が多いのでないかな、という裏話のようなコメントも。で、比較的交通の便もよいその県立病院に決めました。
ちょうど仕事が忙しい時期に重なり、初診外来予約をすべく県立病院に電話したのは12月になってからでした。あの先生の担当曜日で空いているのは来年1/17以降だと。
初診を予約するだけで一ヶ月待ち。もしかして手術は半年先?? それでは名古屋の仮予約と変わらないのではないか。。。との思いもよぎりましたが、予約しました。もっと早く電話すべきであったと反省。
3.いよいよ手術
・2012/1/17 産業医とO診療所それぞれの紹介状を手に、県病院の乳腺内分泌外科に。
紹介状に入れられていた細胞診結果と当日実施の超音波エコーで「サイズは8.9mm、一部石灰化も見えるので、乳頭癌に間違いない。他には見えないし、リンパ転移もなさそう」と。「小さくて石灰化もあるので穿刺吸引細胞診にはそれなりに手技が要求されるかな」と、どこかで聞いたようコメント。独り言だったのかも。
胸部X線に異常所見なし、血液検査での甲状腺ホルモン値などに異常所見なし。
いよいよ.手術日の相談になり、次に空いているのは4/12だと。
おぉ、なんと三ヶ月待ち。名古屋の仮予約5月から一ヶ月早まるだけかぁ。。。と思いつつも、予約をお願いしました。
あくまで勝手な推察ですが、この乳腺内分泌外科では、乳癌手術が甲状腺手術の3倍以上の実績公表件数となっており、相対的に進行が遅く大人しい甲状腺癌の手術実施枠日が決まっているような。
名古屋の仮予約は解除して、これでようやく手術日も決まり、術前検査として2/2にCT検査、2/6にCT結果確認など予約。いよいよだと思いました。
・1/24 三ヶ月先だなあと思いつつも日常生活に戻って一週間。
この日、自宅に主治医の先生より「折り返し電話を」との留守電。翌日電話したところ「手術にキャンセルが出たので、もし良ければ2/9に手術が可能。どうするか明日までに連絡を」と。
三ヶ月先が一気に二週間先に。もちろん、前倒しお願いします、と即答したいところでしたが、仕事の都合もあるし。。。
会社でスケジュール調整するにはある程度事情を説明せねばならない。誰にどこまで伝えるかはちと悩みどころでした。でも、自分の身体の一大事と思えば些細なことだ、と割り切り、結局、職場の皆さんの理解も得つつスケジュール調整して、前倒しでお願いすることにしました。
そんなこんなで、あわただしい1週間をすごすこととなり。。。
・2/2 手術内容説明
生まれて初めてのCT検査、加えて血液、尿、胸部X線写真、心電図、肺活量、身長体重などの術前検査。
そして、手術を終えたばかりの主治医より、甲状腺の右葉と峡部および正中リンパ郭清などの手術予定内容と、そのリスクや可能性などについて説明を受けました。
今回の血液検査で初めてわかったのが、抗サイログブリン抗体値が728、抗TPO抗体値が34と高く、慢性甲状腺炎であるとのこと。今はFT3.TSH,サイグロブリンなど甲状腺ホルモン値は正常なものの、甲状腺右葉切除後はチラージンが必要な時期がくるかもしれないと言われました。また、付近のリンパは切除することや、その他のリスクとして、甲状腺切除の際にすぐ後ろにある反回神経を傷つけて発声に障害が出る可能性もあるが、丁寧に切除する、など説明を受けました。
・2/7 麻酔医による術前問診。
・2/8 午後、入院。 夜、安定剤をもらったが、うたた寝しただけの気分。
・2/9 手術当日
・13:00 手術室に徒歩移動。 ベッドで運ばれると思っていました。
・15:45 手術が終わり、妻が主治医より切除部位を見せてもらいながら説明を受けました。
小指の先ほどで一部石灰化した乳頭癌。副甲状腺に水膨れがあったため切除。リンパは予定通り切除。転移は無さそうだが、細胞検査しておく、というようなことらしい。
・16:25 病室に。
・17:30 主治医診察。痛み、手足などしびれ有無確認。酸素マスクが外され、声は出るかと問われ、何か喋ったら、「OKだね」と。
自分では、声にはなったが音になりにくくかすれた違和感はあったものの、手術が無事終わったんだ!と、実感した瞬間。その時、自分ではよくわかっていなかったのですが、酸素マスク、呼吸心拍監視装置、指に末梢動脈圧測定器、おむつの中には尿チューブ、創部ドレーン吸引チューブ、など付いてました。
その夜には、体位や顔の向きを変えようとすると首に痛みが走るのですが、もらっていた痛み止めを飲む必要はありませんでした。寝られたのかどうか覚えてません。
・2/10 未明に採血。7時に術後最初の朝食、半分ほど残しましたが、その後2/14午前退院まで全て完食。飲み込む際、痛さと誤飲に注意し、いつもの1/5ぐらいの量を口に、いつもより倍の時間をかけてゆっくりかみ砕いて食べました。朝食後、尿チューブも抜いてもらえました。
・2/11 便通。洗髪してもらい一層爽快に。夕食より、お粥から柔らかご飯に。
・2/13 午前、創部ドレーンパイプを外してもらい、やっと自由の身に。午後入浴、気分一新。
創部はこすらなければ濡れても良いとは、毎日の消毒もないし、20年前とは違うなぁと。
入院中の悩みは、寝付けないこと。浅い眠りの毎日。
・2/14 午前退院。 当初聞いていたとおり回復できたことを嬉しく思いました。
・2/16 手術創部の赤みはだんだんと薄れてきたよう。
数日前まで物を飲み込むときにあった痛みはずいぶん安らいで、つっぱり感というのに近くなったような。退院後、初めて散歩がてら喫茶店で久々のコーヒーを。
・2/19 手術創部の赤みは更に薄れ、飲み込む際の痛みもずいぶん和らぎました。退院時に会社提出用に書いてもらった診断書には、「退院後一週間の自宅療養と出勤後も体調を見て勤務程度を調整すること」という趣旨のコメントが書かれてますが、来週月曜からの出勤、体調面での不安感は無いです。
4.今の想い
確定診断が出るまでに時間がかかってしまったものの、手術では運良く順番待ちの繰り上げもあり、最初の発見から手術・退院まで10ヶ月間の顛末記です。大都市では、もっといろんな選択肢や時間軸があるのかもしれませんが、地方の住人の一記録としてご参考になるところが少しでもあれば幸いです。
今まで、甲状腺という名前は知っているものの、どこにあってどんな機能があるのか、ましてや、その手術を受けるのに数ヶ月単位で順番待ちになるほど患者さんがいることなど、全くもって何も知らなかった私でした。
甲状腺癌をたまたま見つけてくれた会社の健康診断、それを毎年受ける機会を与えられていることにまずは感謝。入院では、味気ない食事だなとは思いながらも食事が出来ること、術後最初の便通、洗髪や入浴できること、声が出ること、などなど当たり前と思っていたことや、病院スタッフや会社の産業医、家族など世話をしてくれる皆さんへのありがたさ、などなどに気づかされました。日常生活に復帰したら、いつまで覚えていられるか。。。
いえいえ、忘れません。そのために、この想いを自宅療養中に纏めておきたかったのです。
(慢性甲状腺炎があるなら全摘にしても良かったのではないか、というのがこれをまとめていて今更ながら思うところです。これで終わったのではないので、定期検査で自分の体を見守って生きたいと思っています。)
2012/2/18
2012年2月の甲状腺の雑談掲示板
http://www.ne.jp/asahi/my/thyroid/BBS2Log/bbs2_1202.html より
かなりつらいです 投稿者:やよい 投稿日:2012年 2月27日(月)00時02分8秒
今月中旬に甲状腺乳頭癌の診断がでました。
はじめまして 投稿者:きちもん 投稿日:2012年 2月20日(月)09時51分21秒
4月の30日に入院・手術が決まった者です。
初めて受けた人間ドックでたまたま甲状腺腫瘍が見つかり、
近所の甲状腺専門クリニックで3cmと診断してもらって、腫瘍が大きいとのことで
神戸の甲状腺で有名な病院に移りました。
専門病院に移ってからの診断は3cmではなく、左が7cmとかなり大きく、
さらに右にも8mm見つかり、モコモコした表面とカルテに記載がありました。
健診で・・・ 投稿者:megu13 投稿日:2012年 2月18日(土)11時00分20秒
初めて投稿させていただきます。
先月、主人が健診で頸動脈エコーを行い、左甲状腺に腫瘍が見つかりました。