原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

終章 東京ブラックアウト ※4回目の紹介

2015-06-18 22:00:00 | 【東京ブラックアウト】

*『東京ブラックアウト』著者:若杉冽

章 東京ブラックアウトを複数回に分け紹介します。4回目の紹介

 

Amazon カスタマーレビュー )から
恐ろしい本です。小説という体裁はとっていますが、帯に「95%ノンフィクション」とあるように、限りなく現実に近い話でしょう。これを読んでも、原発再稼働に賛成と言えるでしょうか。一人でも多くの国民に読んでほしい本です。

作中に登場する資源エネルギー庁次長の日村直史は、経産官僚の今井尚哉氏だと、国会議員の河野太郎氏がTwitterで言及しています。現在、安倍首相の政務秘書官を務めている人物です。

 

過去に紹介した記事(【原発ホワイトアウト】終章 爆弾低気圧(45) )から

救いがあるとすれば著者・若杉冽氏の次の言葉だ。
「まだまだ驚くべき事実はたくさんあるのです。
こうした情報が国民に届けば、きっと世論のうねりが起きる。
私が役所に残り続け、素性を明かさないのは、情報をとり続けるためです。
さらに第二、第三の『若杉冽』を世に送り出すためにも」

 

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**『東京ブラックアウト』著書 「章 東京ブラックアウト」の紹介

前回の話:終章 東京ブラックアウト ※3回目の紹介

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 東京は、昼間は除染のためのトラックやブルドーザーが行き来するも、夜はすっかり人気のない暗黒のエリアとなった。

 月の光にかすかに照らされて、ザハ・ハディドがデザインした建設途中の新国立競技場と東京スカイツリーが不気味にそびえている。もちろん新国立競技場の建設は中止となっていた。

 そこがかつて繁栄する日本国の首都だったことを忘れないようにするためか、東京タワーだけがオレンジ色にライトアップされている。この灯りがあるだけでも、少しは防犯対策になっているらしい。

 JR東海が社運をかけて着手したリニア中央新幹線の建設も中止となった。東京は既にもぬけの殻で、乗客は見込めない。

 しかし、火力発電を中心に、日本国内には電力が十分に供給されている。それにもかかわらず、放射能汚染がゆえに、東京の首都機能は麻痺し、暗黒が支配するブラックアウトの状態となっていた。

 それは、原発という、神ならぬ人類には制御不能のモンスターを生かし続けたゆえなのか・・・過去に目を閉ざす者は、現在に対しても盲目となる、ということだったのか。


 ー新崎原発の事故から10年後、除染しても除染しても線量の減らない関東平野に、世界中の放射性廃棄物を貯蔵する施設が設置された。

 施設といいながらも、コスト削減のために建屋は設けられず、野ざらしで、コンクリートキャスクがいくつもいくつも並んでいるだけ・・・首都高の高架下には、続々とキャスクが並べられていく。

 ちょうどそれは、新崎原発の事故によって急性放射性障害やその後の甲状腺がんなどで亡くなった者たちの墓標のようでもあった。

※続き「終章 東京ブラックアウト」は、6/1922:00に投稿予定です


東京ブラックアウト(若杉冽)

原発ホワイトアウト(若杉冽)

 


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