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なに様のNHK?海老沢会長参考人招致、生中継せず

2004年09月04日 23時15分06秒 | 社会
制作費の横領、裏金豪遊疑惑など不祥事連発のNHK。9日には、衆院総務委員会で、海老沢勝二会長(70)の参考人招致が行われるが、疑惑政治家の参考人招致を“完全中継”してきた同局なのに、今回は「生中継しない」(海老沢会長)というから、首をかしげるしかない。自らのスキャンダルが取り上げられる国会審議を見せたくない気持ちはよーく分かるが、「みなさまのNHK」が聞いてあきれる。

総務委は9日午後1時から、3時間10分にわたって「NHK問題」という議題で集中審議を行う。自民、公明、民主、共産、社民の順に議員が質問に立つ。

民主党から質問に立つ予定の中村哲二氏は「一番の問題は横領の実態を知りながら、3年間も隠していたこと。こうした隠蔽体質で、公明正大な人事がなされるのか。上を向いてばかりの仕事になっているのではないか」と厳しく指摘。同党の山花郁夫氏も「不祥事の手法がみんな似ている。点検体制はどうなっているのか」と、同局の体質を追及する構えだ。

それにしても、NHKの不祥事連発はあきれるばかりだ。紅白歌合戦も担当したチーフプロデューサー(懲戒免職)による番組制作費の横領、ソウル支局長による取材費名目の裏金豪遊疑惑、カラ出張疑惑…。今週発売の『週刊新潮』には人気番組「プロジェクトX」イベントでの協賛金たかり疑惑や紅白歌合戦入場券のコネ提供疑惑まで報じられている。

一連の諸悪の根源は、北朝鮮の金正日総書記をもじって“エビジョンイル”とあだ名される「海老沢会長の独裁的な体制」との指摘は多い。前出の中村氏も「直接、会長本人に視聴者の方を向いて仕事をされているのかをただしたい」と話す。

そもそも、NHKの収入の根幹は、視聴者が支払う月々1395円(カラー契約)の受信料。その金が横領や豪遊に使われていたとしたら、国会で追及されるのも当然で、視聴者も9日の総務委を注視したいし、同局も中継する義務があるのではないか。

だが、海老沢会長は2日の定例会見で「生中継はしない。われわれの編集権の問題だ」と断言。委員会後の11日、特別番組で横領事件について陳謝し、経過を説明する予定という。

NHKは最近、鈴木宗男被告、田中真紀子氏の参考人招致が行われた衆院予算委員会など数々のスキャンダル審議を生中継してきたのに…だ。

こうした手前勝手な姿勢に、放送評論家の志賀信夫氏は「公明正大、ガラス張りのNHKというのなら何ら恥じることなく中継すればいい。編集権を自主的に運用したいという気持ちは分かるが、国民から受信料をとっている以上、国民が望む中継をすべきだ。国会議員に会長が追及される様子を映し、国民に受信料を払いたくないという印象をもたれたくないという意識が働いているのではないか」と話す。

また、作家の麻生千晶氏も「NHKは、会長が『エビジョンイル』といわれるように一種の独裁国家。会長の覚えがめでたい人が出世する。体質に問題がある」と憤り、「ロッキード事件のときを見ても分かるように、生中継は表情や落ち着きのなさといった様子が加工されず伝わる。後で番組で釈明するといっても、当然、会長の“検閲”が入ったものが放送されるのでしょう。国民の代表である議員に釈明する様子を直接中継すべきです。そうしないと大マスコミとしての示しがつかない」と話している。
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