みなさん、こんにちは。JQ7AREです。
今回からはシリーズで、ゼロから始める和文学習法をお伝えします。
第2回は、符号をひと通り覚えた後にすべきことをお伝えします。
符号を覚えても、すぐに交信するのは難しいです。
実交信になると、符号が取れなくても相手は送信をストップしてくれないですし、1文字でも取れないと、それが気になってしまい以降の受信が総崩れになってしまいます。
はじめのうちは、送信は受信よりも上達しやすいですが、それでも、実交信中に符号が出てこなくて指が動かなくなると、これは恐怖です・・・
低速で実交信ができるようになるまで、もうしばらく練習が必要です。
このステップでの私の練習法は、7Mhzの和文交信を録音して、空き時間に聴きまくることでした。
私は現役世代で、平日は仕事をしていますので、朝の車通勤時、昼休み時間、車での帰宅時、夕食後、寝る前など、細切れの時間を利用して聞いてましたね。
iPhoneの「Audipo」という無料アプリはよく利用しました。
IC-7300MでSDカードに録音したデータを、PC経由でiPhoneのAudipoに取り込みます。土・日の日中に5時間分くらい7Mhzの和文交信を録音しておいて、次の平日のうちにに聞きまくります。
PCで音源を32kbpsで圧縮すれば容量食わないのでスマホに入れて大量に持ち運べます。
さらにこの「Audipo」というアプリは優れもので、再生速度の調整が容易にできるし、ワンタッチで数秒巻き戻し・早送りも自由自在。聞き取れなかったところは何度も聞き返してしらみ潰しにしていきます。
人によっては苦行に思えるかも知れませんが、私の場合は楽しくて仕方がなかったので、時間があればメモ帳と鉛筆を持ってリスニングを続けていきました。
しかしここで落とし穴があります。
和文にチャレンジしている方の中で、ずーっとリスニング練習を続けている方がいると思います。実はこれは無駄です。
リスニングは符号を覚えたてのときは有効ですが、ある程度符号が取れるようになってからは、受信速度向上の役には立ちません。なのでリスニングは卒業して、実交信をしまくりましょう。
今後、詳しく説明しますが、実交信することで送信速度が向上し、これが受信速度アップに結び付きます。速く送信できないと速く受信できないからです。
当時の私はそんなことは露知らず、とにかく楽しくて多局の和文電信を聞きまくっていました。
1カ月間ほど録音した他局の和文交信をリスニングしていたところで、所属している「山形宮城CW愛好会」の定期交信会に参加してみました。これが私の和文デビューになります。
12月だというのに冷や汗をかきながら、心臓バクバクでコールしたことを今でも覚えています。
縦降れ電鍵で人生初の「ホレ」を打電し、「山形宮城CW愛好会 JE7ZDH局」とQRSで交信しました。
何が何だか分からないまま交信が終わったのですが、直後に感じた達成感は言葉には表せないほどのものでした。憧れの7Mhzで和文交信ができた達成感は、和文局のみなさんは想像できるかと思います。
さらに私が幸運だったのは、リスニングで鍛えられる受信能力が頭打ちになったタイミングで初の実交信を終え、自分で自由に送信練習ができるようになったことでした。ちょうどこの後、私に和文の師匠との運命的な出会いがあるのですが・・・これはまた機会があればお話ししたいと思います。
そんなわけで、私の場合は、ゼロの状態から和文モールスの符号を覚え、1カ月ほどリスニングを続けてなんとか低速で符号が取れるようになり、実交信まで進んだわけです。
この後は、ただひたすら和文交信を重ねていくだけです。
自分でゆっくりCQを出すもよし。交信できそうな速度と符号でCQを出している局にコールするもよし。
リスニングを続けていても無駄なので、どんどん電波を出していきましょう。この段階から、上達する人と、何十年経ってもスキルが向上しない人が出てきます。
アマチュア無線なので上達しなくてもまったく問題なく、縦ぶれ電鍵でゆったりラグチューするのが好きな人もいるし、1日1交信、あいさつや天気の情報交換するだけで満足する人もいます。
なので、この段階に達したら、あとは自分が目標設定して、その目標に到達したら終了です。
もうこれであなたは一生楽しむことができる素晴らしい趣味を手に入れたわけです。
無線機やアンテナを変えたり、移動運用で和文を楽しんだり、好きな電鍵を購入して気分に応じて打ち分けたり。もう楽しみ方は無限に広がります!
各エリアにおられる和文局と交信を思う存分楽しんでください。
次回からは、もう一歩受信と送信スキルを向上させるために必要なことについてお話します。
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