✳️陰謀【機の残骸がない】
まさに、陰謀論の圧巻である、この説を、ヴォンクライスト氏は、写真を見せながら熱心に解説する。
「すべての写真を調べても、尾翼部や機首、胴体、主翼、エンジン、車輪、荷物、座席などが写っている写真が1枚もないのです。757型機の残骸と思われるものの写真はまったくありません」(中略)
きくちゆみ氏も、ブログでこう書いている。
「この作品は私が911事件の公式発表に疑問を持つきっかけになった『911ボーイングを捜せ』のダイジェスト版(10分)です。
この作品の最大のポイントは:
1、ペンタゴンの壁が崩壊する前の穴の大きさとボーイング757型機の大きさの食い違い。どうやって5メートル以下の穴に尾翼の幅が38メートルもある、しかもチタン合金とかも使っているボーイング757型機が入り込んで、完全燃焼するんでしょう(これが公式発表なのよ。なんとおそまつ。)?
真相【機の残骸はそこらじゅうに散らばっていた】(中略)
以下に、ペンタゴン内部での遺体の断片回収に関する記事を一部引用しておく。語るのは海軍犯罪捜査局のシンディ・アルヴァレス氏である。(中略)
『機長を殺めたカッター、身分証明書、お金、宝石、遺体の一部を見つけました。私たちは遺体の断片を貴重な宝物のように扱いました。私たちにはこれがどなたかの家族であることがわかっていたからです。遺体を待っているご家族のもとに戻し、正式に葬っていただくことで癒やしが始まると私たちは思っていました』
機上にいた子供の持ち物を回収する仕事は、特に心を痛んだと彼女はいう。
『子供の靴、彼らの小さなスーツケース、動物のぬいぐるみを見つけたときは心が乱れました』
さらに、テロ直後に現場に到着した人のなかには、機体の一部、ブラックボックス、制服が付着したままの搭乗員の遺体を拾った人もいる。
つまり、ペンタゴンに突っ込んだのは、ボーイングであり、それ以外の軍用無人機や巡航ミサイルなどではけっしてない。「ボーイングを捜せ、あなたの視力を試せ」などと言う前に、証拠は山とあるのだ。
「ペンタゴンのボーイング」は陰謀論者にとって最後の砦、最終防衛ラインだが、これほど明白なウソはないと、私は思う。 奥菜秀次〈陰謀論の罠〉より
✔️【逆デバンキング〈ペンタゴン・レポートは信用できない〉】
奥菜秀次が根拠として挙げているのは〈ペンタゴン・レポート〉、〈DEBUNKING9/11 MYTHS〉、シンディ・アルヴァレスの証言、この3つです。
まずほかの記事でも書いたことですが、〈ペンタゴン・レポート〉は信用できません。
【無名の人物の証言vs高い地位の人物たちの証言】
次に「テロ直後の現場で遺体を拾った」という〈DEBUNKING9/11 MYTHS〉の報告ですが、なんという名前の、どのような地位の人が拾ったのでしょうか?これは非常に重要なポイントです。
ちなみにテロ直後のペンタゴンの現場に駆けつけた「高い地位」についている人たちの証言に次のようなものがあります。
●CNNのレポーター、ジェイミー・マッキンタイアー「この建物の周囲のどこを探しても飛行機が激突したという証拠になるものはまったくない」
●空軍大尉、リンカーン・リーブナー「建物に到着した。意外なことに、飛行機の残骸なんてなにもなかった」
●空軍大尉、アラン・リンズリー「建物から90メートル以内の衝突箇所の真ん前に行った。飛行機なんて見なかった」
●救助に駆けつけたヘルスクリニックの看護婦長、アイリーン・マーフィー「そこに着く前に飛行機が衝突したことを知ったの。現場がどんなことになっているのか想像もつかなかったわ。建物は岩のように頑丈だから機体が残っていると思ったけど、最初に感じたのは『飛行機はどこ?なんで機体がないの?』。建物が飛行機を受け止めて、なんらかの方法で機体の半分、いや一部でも、または底部、もしくは飛行機の尾部のようななにかを見ることになると思ったわ。だから機体がそこになかったのは、本当にサプライズだったわ」
●救助に駆けつけたヘルスクリニックの外科医、メイボン・ポーラック「私はとても感心した。飛行機のサイズを聞いてから、建物がまだ立っていたのを見て感心した。それから機体が見あたらず、機体の一部さえもないことに気づいて今度は恐怖を感じた。大型飛行機はあたかも建物の中に入り込んでしまって、分解して消えてしまったかのようだった」
……これらの証言と〈DEBUNKING9/11 MYTHS〉の報告、どちらが信憑性が高いかは論をまたないと思います。
【アメリカ政府の苦しい説明】
次にペンタゴン内部で身分証明書、ぬいぐるみ、遺体の一部などを発見したというシンディ・アルヴァレスの証言。
奥菜秀次は触れていないのですが、ペンタゴンにぶつかったボーイング757の残骸が少ししか残っていない理由を、アメリカ政府は次のように説明しているのです。
「高速で突入したので機体の最後尾まで建物の中に入り込んでしまい、ビル内部の高熱によってエンジンも機体の大部分も溶けてしまった」
これが本当なら、遺体、身分証明書、靴、ぬいぐるみなどが、ボーイングのエンジンに使われているチタン合金の溶解温度(摂氏1648度)に耐えて館内に残っていたことになります。
懐疑論者はこれをどう説明するのでしょうか?
ダメ押しにフランスの事故調査管、フランソワ・グランジェの言葉を紹介しておきます。
「この無傷のままの正面壁の写真を見てたしかに言えることは、そこから大型旅客機が中に入らなかったのは明らかだということである」
【ジェットエンジンが残っている謎】
最後にもう1つ。
前述したように、ペンタゴンの事故現場にボーイングの残骸がまったくなかったわけではないのです。
奥菜秀次も〈陰謀論の罠〉の77ページに、ボーイングの残骸の「エンジンの一部」の写真を載せています。
が、これもまた奥菜秀次は触れていないのですが、テロ翌日のペンタゴンの記者会見で、群の主任消防官、エド・プラウアーの証言にこういうものがあるのです。
「小さな部品のようなものはあったが、大きな残骸はなかった。……胴体の一部とかそんなものはなかった」
大きな部品──つまり「ジェットエンジンのようなものはなかった」というわけなのです。
ところが専門家によると「ジェットエンジンは機体より熱や衝撃に強いので、普通事故現場 に残りやすい」そうです。これをどう説明するのでしょうか?
ところで奥菜秀次はペンタゴンのボーイング陰謀論を「これほど明白な嘘はない」などと言っていますが、そっくりそのままお返しします。
【まとめ】
●ペンタゴンの事故現場で、ボーイングの残骸を見た人はいなかった。
●ペンタゴン内部で遺体やぬいぐるみを見つけたという話は到底信用できない。
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