*** june typhoon tokyo ***

第93回選抜高等学校野球大会 出場校決定


 今年こそ、“春はセンバツ”から。

 1月29日(金)に阪神甲子園球場で行なわれる第93回選抜高校野球大会(3月19日~13日間)の出場校が、コロナ禍ということもあってオンラインで発表され、一般選考枠28校と21世紀枠4校の合計32校に春の吉報が届いた。例年より1枠追加され4枠となった21世紀枠には、八戸西(青森)、東播磨(兵庫)、具志川商(沖縄)、三島南(静岡)が初出場の切符を手にした。
 昨秋はセンバツの選考に大きな影響を及ぼす明治神宮大会が大学・高校共に開催されなかったため、全国各地区の比較は容易に出来ないが、仙台育英(宮城)、健大高崎(群馬)、常総学院(茨城)、東海大相模(神奈川)、中京大中京(愛知)、智辯学園(奈良)、大阪桐蔭(大阪)、明徳義塾(高知)などの強豪常連校が顔を揃えた。
 一方、初出場となるのは、21世紀枠の4校と、柴田(宮城)、専大松戸(千葉)、上田西(長野)、京都国際(京都)、聖カタリナ(愛媛)、長崎(大崎)の6校の合わせて10校。32校の約3割が初出場となるが、どのくらいまで健闘出来るかにも注目したい。

 昨季の大会が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となっているゆえ、今大会の優勝校が“令和初”の紫紺の優勝旗を手にすることになる。

◇◇◇

【21世紀枠】
八戸西  (青 森)初出場
三島南  (静 岡)初出場
東播磨  (兵 庫)初出場
具志川商 (沖 縄)初出場
【北海道】
北 海  (北海道)10年ぶり13度目
【東 北】
仙台育英 (宮 城)2年連続14回目
柴 田  (宮 城)初出場
【関東】
高崎健康福祉大高崎(群 馬)2年連続5回目
常総学院 (茨 城)5年ぶり10回目
専大松戸 (千 葉)初出場
東海大甲府(山 梨)5年ぶり6回目
東海大相模(神奈川)2年連続12回目
【東 京】
東海大菅生(東 京)6年ぶり4回目
【東 海】
中京大中京(愛 知)2年連続32回目
県岐阜商 (岐 阜)2年連続30回目
【北信越】
敦賀気比 (福 井)5年ぶり8回目
上田西  (長 野)初出場
【近 畿】
智辯学園 (奈 良)2年連続14回目
大阪桐蔭 (大 阪)2年連続12回目
市和歌山 (和歌山)2年ぶり7回目
京都国際 (京 都)初出場
神戸国際大付(兵 庫)4年ぶり5回目
天 理  (奈 良)2年連続25回目
【中 国】
広島新庄 (広 島)2年連続3回目
下関国際 (山 口)3年ぶり2回目
鳥取城北 (鳥 取)2年連続3回目
【四 国】
明徳義塾 (高 知)2年連続20回目
聖カタリナ学園(愛 媛)初出場
【九 州】
大 崎  (長 崎)初出場
福岡大大濠(福 岡)4年ぶり5回目
明 豊  (大 分)3年連続5回目
宮崎商  (宮 崎)52年ぶり3回目

◇◇◇

 さて、注目となったのは関東・東京の6枠目と近畿の5・6枠目だろうか。ここでは関東・東京は、関東大会8強の東海大相模と東京大会準優勝の日大三との比較を詳しく見てみたい。
 
 選考委員によると、東海大相模は準々決勝で東海大甲府に1-2でサヨナラ負けを喫したが、粘りと県大会5季連続優勝するなど総合力が高い。1年夏から甲子園を経験している左腕の石田隼都投手が関東大会を通じて粘り強い投球を見せていたことや、バント安打を駆使し得点を重ねる打線の試合巧者ぶりなどを挙げている。
 一方で、日大三は高い投手力がありながらも東京大会終盤に精彩を欠いたとの評。決勝の東海大菅生戦は2安打、準決勝の二松学舎大付属戦も7回までノーヒット、さらに決勝、準決勝の2試合連続で9三振を喫して得点力不足を露呈。投手力を含め、総合力で東海大相模に分があるという意見でまとまったとの選考理由を示した。

 関東大会を見てみると、東海大相模は1回戦で石橋(栃木)を7対0(7回コールド)、準々決勝 で東海大甲府に2対1と逆転負け。準々決勝は9回表までは1対0でリードしていたことも含めての“粘り”の評だとは思うが、東海大相模に逆転勝ちした東海大甲府は、準決勝で常総学院に10対0の6回コールド負けを喰らっている。そして、東海大相模が1回戦で勝利した石橋は、栃木県大会決勝で国学院栃木に5対6の惜敗しているが、その国学院栃木は関東大会準々決勝で健大高崎に8対1(8回コールド)で負けていることを考えると、関東大会を制した健大高崎、常総学院以外はそれほどレヴェルが高いとはいえないのではないか。
 日大三は確かに準決勝、決勝の内容はイマイチというのもわかる。それでも準々決勝で日大豊山に6対2、準決勝で二松学舎に3対2と甲子園出場経験校を下して、決勝で東海大菅生に6対1と敗れた。

 昨秋の公式戦の成績をみると、東海大相模は8試合7勝1敗、総得点71、総失点11なのに対し、日大三は8試合7勝1敗、総得点71、総失点8と僅かに得失点差で上回るものの、ほぼ変わらない戦績。ただ、東海大相模の石田投手の好投と防御率、日大三の貧打を比較させると、印象として東海大相模の方が上回るという判断なのだろう。試合巧者ぶりという意味も含めて、東海大相模を推すというのは理解は出来る。
 ただ、「県大会5季連続優勝するなど総合力が高い」のくだりで判断するのはどうか。あくまでもその代で強いかどうかを推しはかるべきだと思う。今回は以前の横浜選出の時のような理不尽さはなく、総合値を考慮して東海大相模を選出する意見も納得するゆえ、わだかまりはないが、関東・東京の選考委員は、東京の2校目落選理由をエースに頼り過ぎている(二松学舎)とか、打線に頼り過ぎている(帝京)という首を傾げたくなる落選理由を平然と言い放ってくることがあるので、言い訳がましい落選理由は正直考え物だと常々感じていることはある。

 ちなみに、近畿は、昨秋の近畿大会4強がすんなり決まった後、残りの2枠を8強の神戸国際大付、天理、智弁和歌山、龍谷大平安、1回戦で敗退するも大会優勝校の智弁学園と延長戦までもつれた滋賀学園の5校で争う形に。最終的には8強のうち、総合力の高さと地域性で神戸国際大付、奈良大会決勝で智辯学園を下した天理の2校が決まったが、以前から言っているが、近畿はそもそも6枠は多過ぎる。

 出場選考のたびに、東京は2枠も要らないと判を押したように繰り返す人がいるが、出場校数が200校を超えているのが北海道と東京のみゆえ、それぞれ南北・北海道と東西・東京に分かれているのだ。また、関東・東京も近畿同様に6枠だが、関東・東京は200校超の東京をはじめ、神奈川が200校弱、千葉が180台、埼玉が160超と1都6県に1000校以上がひしめいている。
 これに対して近畿は、大阪は180台、兵庫は160台と多いものの、京都が70台、滋賀が約50校で、奈良、和歌山は50校以下。総数でも500校台と関東・東京の約半数強でしかなく、2府4県に6枠だから、1府県に1枠与えられているのと同じである。
 興行上、甲子園球場のある近畿地区の出場校を多くしたいという思惑が働いているのだろうが、それこそ票の格差的な考え方をすれば、近畿は1枠減にして他地区に1枠与えてもいいくらいだ。とはいえ、仮にその1枠を減らしたところで、8強以下から2枠選考するのが1枠に変わるだけで、頭を悩ませることには変わらないのだろうが。

◇◇◇

■補欠校
【21世紀枠】
富山北部・水橋(富 山)
知 内  (北海道)
【北海道】
旭川実  (北海道)
知 内  (北海道)
【東 北】
花巻東  (岩 手)
日大山形 (山 形)
【関 東】
国学院栃木(栃 木)
鎌倉学園 (神奈川)
【東 京】
日大三  (東 京)
二松学舎大付(東 京)
【東 海】
三 重  (三 重)
岐阜第一 (岐 阜)
【北信越】
星 稜  (石 川)
関根学園 (新 潟)
【近 畿】
智辯和歌山(和歌山)
龍谷大平安(京 都)
【中 国】
米子東  (鳥 取)
桜ケ丘  (山 口)
【四 国】
小 松  (愛 媛)
鳴 門  (徳 島)
【九 州】
神村学園 (鹿児島)
延岡学園 (宮 崎)

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