*** june typhoon tokyo ***

ERIC BENET@BLUENOTE

Eric_benet_1 “アメリカの平井堅”(違った、平井堅が和製エリック・ベネイか。いや、そんなこと誰も言ってないか)ことエリック・ベネイの公演、ERIC BENET with MICHAEL PAULO BAND@BLUENOTE TOKYOに観に行った。リニューアル・オープンしてからは初めてのブルーノートになる。旧システムの、15時に整理券ゲットのために並ぶ……ということも解消され、支払いも食事後に一括となり、スムースになった。
 整理番号が早めの番号をゲット出来たので、ほぼ中央の最前列のテーブルで待機。目の前にマイケル・パウロのお陽気な顔が。(笑)

 今回はサックス奏者のマイケル・パウロとのコラボ名義での公演。マイケルは、ハワイ生まれで母親はジャパニーズとのこと。アル・ジャロウのバンドに長年参加していて、日本にも親交が深く、安室奈美恵、矢沢永吉、シング・ライク・トーキング、飯島真理らと制作したこともあるとか。(たぶん、そう言っていたと思います。英語だったので自信なし…汗)
 このマイケルが、調子がいい。調子がいいというと軽薄な感じがするが、そうではなくて、とにかくノリが抜群にいい。派手なステップはもちろんのこと、ステージ眼前の客の前に立ってサックスを近づけて煽ったり、反応が良さそうな客を独自の嗅覚で発見しては、ステージを降りてその客のもとで吹きまくったり。バンド・メンバーともそんな感じのやりとりでコミカルに笑わせたりと、芸達者だ(ラストは、サックスを吹きながら、客席の椅子から椅子、テーブルからテーブルを渡り歩いてフィニッシュしたり)。MCでもなにかひとつ笑わせるような話をしてくる。「(観客の拍手に対して)よかった?そう!それなら今回は2時間ステージをやろう!今から2時間やると帰れなくなるかもしれないけど。で、2時間だからチャージ(料金)は2倍で」とか。演奏は、大小のサックスを交互に使い(エリックとのセッションではフルートやギーロなども)、多くは陽気なものだが、時にはハワイの美しい情景を浮かび上がらせるようなムーディな演奏も披露し、エリック・ベネイがステージ・インする前から、会場に南国ハワイのような暑さをもたらしていた。

 バンドとのセッションを3曲ほどやったところで、マイケルがエリック・ベネイを呼び込むと、場内はさらにヒート・アップ。黒のスーツに白のシャツ、ブラウン基調のサングラスで、平井堅モード全開だ。(笑)「トーキョー、コンニチハ」だけかと思ったら、結構いろいろ日本語でしゃべていた。誰が教えたのか。もしかしたら、隣にいたマイケル・パウロかもしれない。(笑)
 前回の2005年の当ブルーノート公演の時は、アルバム『ハリケーン』リリース後のライヴだったが、それから今日までにアルバム・リリースはなし。だが、「来年の3月には、ニューCDが出ます」とのこと。その中に収録される新曲も早速披露してくれた。
 
 最初は『ハリケーン』に収録された、スウィートでハートフルな「インディア」から。女優ハル・ベリーと結婚するも女性問題を抱え、SEX依存症などともいわれ、結局離婚するなど、プライヴェートが泥沼化するのと同じように、エリックの音楽活動も混迷を極めたが、『ハリケーン』が好評を得て充実期へとふたたび走り出そうとしている現在。それまで、そしておそらくこれからも彼を心で支えているだろう愛娘をテーマにしたこの曲を歌うエリックは、優しくそしてソウルフル、まさに彼の魂のささやきだ。
 
 新作に収録されるという「スパニッシュ・フライ」は、タイトルどおりラテン調のアレンジの効いた、腰を揺らすグルーヴが魅力のナンバー。赤系のスポットライトの効果もあって、情熱的なステージングとなった。続いて披露した「スペンド・マイ・ライフ・ウィズ・ユー」は、メンバーで紅一点のベル・ジョンソンとのデュエット。手を絡めあい、見つめあいながらのハーモニーは、とめどなくあふれ出す感情を内に秘めることさえままならない恋人同士の情熱そのままを表現しているよう。今公演で初来日というベルは、見た目若い感じ(20代前半?)。シャイな部分も垣間見られ、強烈なインパクトはないが、丁寧に細やかに歌う。ハートフルで繊細な楽曲も多いエリックのコーラスとしては、相性はいいのではないかと感じた。
 
 バック・バンドの演奏は強引な主張をすることはないのだが、しっかりと耳に身体に伝わるグルーヴを生んでいて、その押し引き加減が素晴らしい。これが熟年達者の技というところか。個人的には、ベースのメルヴィン・デイヴィスの爪弾く濃いながらも軽快な、推進力のあるビートが特に印象に残った。
 バック・バンドの上質だがワイルドなグルーヴに導かれた本編ラストは、待ってましたの「ジョージィ・ポージィ」。もちろん会場のヴォルテージも最高潮に。サビのコール&レスポンスはもちろん、エリックも場内を歩きながら歌う。アドリブのコール&レスポンスでのオーディエンスの反応の良さに、「トーキョー、アリガトー」と満面の笑顔だった。
 エリックがステージ・アウトし、マイケル・パウロのサックスのアウトロで幕。やおら、アンコールの拍手が場内に響くと、バンド・メンバーが登場。マイケルが「グレート、グレート……エリック・ベネイ!」と呼び込んで、アンコールがスタート。「ラヴ・アンド・ハピネス」でもタイトル・フレーズをコール&レスポンス。アドリブでのフリにしっかりと呼応するオーディエンスに充実感を得たような笑みを振りまいて終演。エリック・ベネイ単独の楽曲数がやや少なくはあるが、心身ともに活力を漲らせた状態をキープしたパフォーマンスには、好感が持てた。来年3月にリリース予定の新作の出来が『ハリケーン』以上に期待出来そうな予感が持てそうである。

◇◇◇
 
<SET LIST>

≪MICHAEL PAULO BAND SECTION≫
00 INTRO WITH SAX & PIANO
01 SAMPLED JOE
02 ONE PASSION
03 BUMPIN'

≪ERIC BENET with MICHAEL PAULO BAND SECTION≫
04 INDIA
05 I WANNA BE LOVED
06 SPANISH FLY
07 SPEND MY LIFE WITH YOU
08 YOU'RE THE ONLY ONE
09 GEORGY PORGY
≪ENCORE≫
10 LOVE & HAPPINESS


≪MEMBER≫

ERIC BENET(vo)
MICHAEL PAULO(sax)
BELLE JOHNSON(back vocal)
BRIAN SIMPSON(key)
MARK McMILLEN(key,vo)
FRED SCHREUDERS(g)
MELVIN DAVIS(b)
SERGIO GONZALEZ(ds)

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コメント一覧

野球狂。
コメントありがとうございます。
コメントありがとうございます。
ってか、さすがはっちさんですね!マイケル・パウロとも親交があったとは!

エリック&マイケル・パウロ名義で東京JAZZに出演もしていましたが、ブルーノート公演はそのついで(笑)なのかもしれません。

セルジオは主張しすぎないけど、ガツンと芯にくるドラミングをしてましたよ。ド素人の印象ですが…。(汗;)

エリックが来年にアルバムを出すといってましたが、もしかしたらマイケルも制作陣に加わっているのかもしれません。
はっち
いいい、意外な組み合わせかも、僕にはw。
いいい、意外な組み合わせかも、僕にはw。

eric benetに、マイケル パウロが絡むとは。。。

最近、マイケルには会ってないので、どうしてるんだろう~って思ってたら、こんな風に情報を仕入れるとはw。
しかも、セルジオがドラムか~と、色々回想してみる。
マイケルには3年以上、セルジオには2年以上会ってないから、忘れられてそうだw
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