*** june typhoon tokyo ***

MISIA@ZEPP TOKYO

Misia_ プロバイダOCN会員限定ライヴである“OCN Members Exclusive MISIA ASIA LIVE 2007 以心伝心 IN TOKYO”@ZEPP TOKYOに行って来た。9月15日に“星空のライヴIV”ツアーが終了したばかりだが、来年で10周年を迎えるということで、特別な思いを持った企画なのかもしれない。

 “星空のライヴ”ツアーとは違って、今回はライヴハウス。バンドは須藤豪、重実徹のキーボーディストを左に、右にASA-CHANGのパーカッション、そして中央の高台にDJ TASSIが陣取る。規模としては少数だが、そこに男女合わせて7名のダンサーが入れ替わり立ち代わりでハードでスキルフルなダンスを披露していく。
 ステージ・デザインは天井から豹柄の太い幕が何本も降りていて、アジアの大陸的なイメージもするか。ホール中央天井部分には、大きなミラーボールが配されている。

 アジアンな風を運んでくるようなASA-CHANGのトライバルなパーカッションのパフォーマンで会場の空気が一瞬にして固唾を呑んだような雰囲気に。今となってはなかなかないが、元来はライヴハウスでの公演も多くこなしていたMISIA、いわば原点というライヴで、どんな展開が待っているのだろう……そんな期待に胸を膨らませたオーディエンスが聴いたのは、ライヴでは恒例のあのイントロ。少なくともこの曲なしにはライヴは成り立たないともいえるライヴでのクライマックス・キラー・チューン「INTO THE LIGHT」。いきなりのこの展開に、即座に反応するオーディエンス。1曲目からフル・スロットル状態だ。ダンサーが激しくキレのあるダンスで煽り、MISIAのテンションも全開に。そのMISIAの衣装は、黒と黄色を基調にしてはいるが、どこかマジシャンみたいだ。遠目から見るとトランプマンの格好をした広瀬香美、みたいな。(爆)
 MISIAの元気よく跳ねる姿を見ていると、彼女の健康的というか清潔感あるイメージといつまでも夢を信じて疑わない純粋さも加わって、ファンタジーの主人公のような気さえする。いうならば、ミッキーマウスやミニーマウスの中にいる人なのでは、いや、中の人はいないか。(笑)それらのキャラクターを地でいく感じがしてならないのだ。ハッキリと見える訳ではないが、きっと瞳をキラキラと輝かせながら歌い踊りしているんだろうなと、直感的に伝わってくるのだ。

 そのようなテンションをスタートからキープして「INTO THE LIGHT」に続くのは、今まで聴いたことがない楽曲。“星空のライヴ”公演でも、新曲を披露してきていたから、次のアルバムに収録される楽曲、あるいはニューシングルなのかもしれない。そのようなにツアーが続きながらも発表出来ることに、彼女の充実と意気込みが強く感じられる。

 続いて、ツアーでは恒例のメドレー・セクション。
 「BACK BLOCKS」から「ESCAPE」そして「Don't Stop Music!」への流れの肝は、MISIAとダンサー、そして彼らを揺り動かす激しいビートの一体感とそこから生まれる高揚感だ。定番となっており完成度も高いのだが、あえてケチをつけるなら(性格悪いな…苦笑)、そろそろ「Escape」などはフル・ヴァージョンも聴いてみたいというのは、贅沢な願いだろうか。「つつみ込むように…」「陽のあたる場所」とR&B路線から彼女の音楽的振幅をさらに広げた曲が「Escape」だと個人的には思っているので(この曲があったからこそ「Everything」のメガ・ヒットに繋がったのだと思うし)。さらに、ハウス・ナンバー好きとしては、ここに「Rhythem Reflection」と「Sweetness」などが入ったら嬉しいんだけれども。

 中盤は最新シングル「ANY LOVE」からの3曲(「太陽のマライカ」は初回盤のみ)を。クライマックスまでの箸休め的なバラード……ではない。ここでも息を抜くことはない、魂の込め方としてはむしろこれらの楽曲の方が凄かったのではないか、と思わせる熱唱だ。“星空のライヴ”でも「太陽のマライカ」を聴いたのだが、その時とはまた印象がガラリと違っていた。“星空のライヴ”では、アフリカの子供たちに幸せをという希求が感じられるコンシャスなヴォーカルだったが、この公演ではどこか母性的な部分と女性的な部分とが見え隠れするような、深みが感じられた。もちろん、どちらもMISIAが伝えたいメッセージを込めて歌っているのだと思うが。

 「もっと盛り上がっていくよー!」の掛け声から、“ラーラッラララッ”のフレーズに合わせてタオルのブンブン回しのフリで人気の「TYO」へ。“スクリーム!”のコールでオーディエンスの拳が一斉に突きあがる光景は圧巻だ。
 続いて、久しぶりに聴いた感じのする「MELODY」。若々しさと弾ける元気が会場いっぱいに響き渡るヴァイタリティあふれるナンバーだ。この曲と冒頭の「INTO THE LIGHT」を収録した『THE GLORY DAY』は、ミニ・アルバムながら名盤だと再確認。リスニングにもライヴ・ユースにも耐えうる佳曲揃いだ。
 手を左右に高速にスウィングするフリで盛り上がる「Fly Away」からタイトルよろしくパレードの華やかさとジャンプ・アクションが楽しい「LUV PARADE」で幕。ラストでは終わりと見せかけて、「これで終わりだと思ったら…まだまだ、いくでしょぉぉ~!」と再度“One! More!”で「LUV PARADE」のサビを。ライヴ・ハウスでも生き生きと笑顔を絶やさないパフォーマンスだ。

Zepp_tokyo アンコールは、「Everything」をオリジナル・ヴァージョンで。コバルトブルーというかエメラルドグリーンという感じのハットにラメが輝くドレス風の衣装に。なぜか今日の衣装は、マジックショーに見えてしまう。(笑)
 続いて初期2曲「陽のあたる場所」、そして「つつみ込むように...」。“恋人と呼び合える時間の中で…Say!”のコールに“特別な言葉をいくつ話そう~”とレスポンスするオーディエンス。ステージ上のMISIAは実に満足そうな笑顔を浮かべながら歌っていた。
 ここで終わりかと思ったら、ダンサーたちがステージ・アウトせずに「恒例の“あれ”をここで一緒に…」とのこと。最後の恒例のMISIAへの呼び掛けか、と思ったら、MISIAがバンドに頼み込んだのか“ラーラッラララッ”とア・カペラで歌い出す。ダンサー、オーディエンスがこれに続き、次第にパーカッション、DJ、キーボードが加わってなんと「TYO」を再びやることに。予定していなかった即興のプレゼントで場内は興奮のスクリーム。いつヴァースを切り出すかの確認をキーボードの須藤豪のところへ行って確認するMISIAのチョコチョコっというしぐさが可愛かった。

 何度も「最高~!」を連呼していたMISIA。会場のノリのよさも実感していたようで、“プロバイダーは”とコールすると予定調和のように“OCN”とレスポンスするオーディエンスに驚きの笑顔。“MSA~”“OCN~”のコール&レスポンスも飛び出すほど。10周年を迎えようとする今の意気込み、伝えるべきメッセージ、突き進むべき道、そして感謝の心。何をすべきかをしっかりと把握した彼女の最高の表現の場=ステージで、さらなる輝きを増しまた高みへと上っていく、彼女の充実度がビシビシと感じられるパフォーマンスだった。

 日程的にこの公演の準備としては、決して多くの時間を割いた訳ではないと思われるが、その中でまったく意を異にしたライヴをこなしてしまう彼女には脱帽だ。準備万端にクラブ・ハウス・ツアーをやってくれたら、曲構成もクラブ・ユースに特化したライヴになるのだろうか……そう考えてしまうと、まだ物足りないという思考が宿ってしまう。(苦笑)しかし、その期待に必ずや応えられるはずだと思えるほど、今の彼女は充実しているのだ。


◇◇◇

<SET LIST>

00 Percussion INTRO
01 INTO THE LIGHT
02 ?(未発表新曲?)
03 ≪MEDLEY≫
BACK BLOCKS
ESCAPE
Don't Stop Music!
めくばせのブルース
FUTURE FUNK
GROOVIN'
04 SUNNY DAY
05 ANY LOVE
06 そばにいて...
07 太陽のマライカ
08 TYO
09 MELODY
10 Fly Away
11 LUV PARADE
≪ENCORE≫
12 Everything
13 陽のあたる場所
14 つつみ込むように…
15 TYO  

≪MEMBER≫
須藤豪(Key)
重実徹(Key)
ASA-CHANG(Per)
DJ TASSI(DJ)

DANCER: MICHIE、YOSHIE、HIROSHI、HIRO、YUGE、SUTEZO、TAKUYA

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