*** june typhoon tokyo ***

第94回選抜高等学校野球大会 8強展望・結果


 貫禄の大阪桐蔭、昨季の敗戦をバネに捲土重来し、4度目の頂点に。
 
 第94回選抜高校野球大会は3月31日(木)に決勝戦が行なわれ、大阪桐蔭(大阪)が近江(滋賀)との近畿対決を制して、4年ぶり4度目の優勝を果した。大阪桐蔭は初戦の鳴門(徳島)戦こそ3-1と接戦だったが、広島商(広島)の辞退による不戦勝を経て、準々決勝の市立和歌山(和歌山)戦を17-0、準決勝の國學院久我山(東京)戦を13-4、決勝の近江戦を18-1と圧勝。走攻守いずれにおいても高いレヴェルを保ち、他校と比べて一つ頭が抜きん出ている実力を存分に見せつけた。

 一方、決勝では敗れたものの、近江は大会直前に出場を辞退した京都国際の代替出場となったが、初戦で延長13回タイブレークで長崎日大(長崎)を6-2で下すと、聖光学院(福島)を7-2、準々決勝で金光大阪(大阪)を6-1、準決勝で浦和学院(埼玉)を延長11回のサヨナラ3ランで5-2で破り、滋賀県勢初の決勝進出に駒を進めた。代替出場での決勝進出も初。“近江ブルー”と呼ばれる水色のユニフォームは、優勝した大阪桐蔭と比肩するほどの輝きを見せていたことは間違いないだろう。

 4強には浦和学院と國學院久我山が進出。準決勝は近畿対関東・東京という構図となったが、いずれも近畿勢が勝利。8強には近畿勢の大阪桐蔭、近江、金光大阪、市立和歌山と半数の4校が進出。残りが星稜(石川)、九州国際大附(福岡)が入った。

 ところで、先日、拙ブログにて大会前に8強展望をし、8強進出校を予想したが(→「第94回選抜高等学校野球大会 組み合わせ決定&8強展望」)、その展望・予想を振り返ってみたい。 

〈8強予想 → 結果〉
A 浦和学院(埼 玉) → 〇(浦和学院)
B 広 陵 (広 島) → ✕(九州国際大附)
C 二松学舎大付(東 京) → ✕(近 江)
D 木更津総合(千 葉) → ✕(金光大阪)
E 高 知 (高 知) → ✕(國學院久我山)
F 天 理 (奈 良) → ✕(星 稜)
G 大 島 (鹿児島) → ✕(市和歌山)
H 鳴 門 (徳 島) → ✕(大阪桐蔭)

※8強展望・予想の詳細は→(→「第94回選抜高等学校野球大会 組み合わせ決定&8強展望」)

 予想結果は、浦和学院の1つのみ的中という惨憺たる結果に(苦笑)。ただ、AブロックとHブロック以外は当初から接戦が予想されていたため、致し方ないところも。Cブロックは京都国際と二松学舎の再戦を期待したのだが、京都国際の辞退により代替校の近江が出場する流れは、予測出来ず。東京の秋季大会決勝を観て、優勝した國學院久我山より二松学舎大附の方が総合力で上かと思ったが初戦で聖光学院に完敗。今大会では國學院久我山が勢いをつけて4強と明暗が分かれた形となった。

 大阪桐蔭を挙げなかったのは愚答と思われるかもしれないが、初戦で対戦した鳴門は、今大会で一番大阪桐蔭を苦しめたと言える。もし大阪桐蔭が負けるならというシミュレーションをしたとしたら、鳴門がその一番手となるという予測は間違ってはいなかった。大阪桐蔭はこの鳴門戦をクリアし、本来なら試合間隔が短く、日程が厳しいところを、広島商戦を不戦勝によって駒を進めるなど、ラッキーな部分も確かにあった。だが、それを差し引いても、攻守ともにレヴェルが違う圧倒的な力を見せつけ、相当なことがない限り負けない実力を身に付けていた。夏も優勝候補筆頭で、春夏連覇達成も大いに期待できるチームといえそうだ。ただ、その前に激戦の大阪大会を勝ち抜くという壁が待っている。
 
◇◇◇

 ついでに、地区別勝ち上がりを見ていきたい。

【21世紀枠】
只 見  (福 島)初 → ✕
丹 生  (福 井)初 → ✕
大分舞鶴 (大 分)初 → ✕
【北海道】
クラーク記念国際(北海道)初 → ✕
【東 北】
花巻東  (岩 手)4年ぶり4回目 → ✕
聖光学院 (福 島)4年ぶり6回目 → 〇✕
【関東・東京】
明秀学園日立(茨 城)4年ぶり2回目 → 〇✕
山梨学院 (山 梨)2年ぶり5回目 → ✕
木更津総合(千 葉)6年ぶり4回目 → 〇✕
浦和学院 (埼 玉)7年ぶり11回目 → 〇〇〇✕
國學院久我山(東 京)11年ぶり4回目 → 〇〇〇✕
二松学舎大附(東 京)7年ぶり6回目 → ✕
【東 海】
日大三島 (静 岡)38年ぶり2回目 → ✕
大垣日大 (岐 阜)11年ぶり4回目 → 〇✕
【北信越】
敦賀気比 (福 井)2年連続9回目 → ✕
星 稜  (石 川)2年ぶり15回目 → 〇〇✕
【近 畿】
大阪桐蔭 (大 阪)3年連続13回目 → 〇〇〇〇〇
和歌山東 (和歌山)初出場 → 〇✕
天 理  (奈 良)3年連続26回目 → ✕
​​金光大阪 (大 阪)13年ぶり3回目 → 〇〇✕
京都国際(京 都)近 江(滋 賀) → 〇〇〇〇✕
市立和歌山(和歌山)2年連続8回目 → 〇〇✕
東洋大姫路(兵 庫)14年ぶり8回目 → ✕
【中国・四国】
広 陵  (広 島)3年ぶり25回目 → 〇✕
広島商  (広 島)20年ぶり22回目 → 〇-
高 知  (高 知)4年ぶり19回目 → 〇✕
鳴 門  (徳 島)9年ぶり9回目 → ✕
倉敷工  (岡 山)13年ぶり11回目 → ✕
【九 州】
九州国際大付(福 岡)11年ぶり3回目 → 〇〇✕
大 島  (鹿児島)8年ぶり2回目 → ✕
有田工  (佐 賀)初出場 → ✕
長崎日大 (長 崎)23年ぶり3回目 → ✕

 3校とも初出場となった21世紀枠は今大会でも勝利には遠かった。それでも開会式直後の試合で大分舞鶴(大分)は浦和学院に0-4、只見(福島)は大垣日大(岐阜)に1-6も4回まで1-2と接戦を繰り広げるなど、良さは見せたと思う。

 初戦突破校数は近畿が7校中5校、関東・東京が6校中4校と地区のレヴェルを反映した形に。中国・四国も5校中3校が初戦を突破した。やや力を発揮出来なかったのは東海と九州か。東海は選出に“ひと悶着”あったが、かつて3枠あった時の強さまではもう一つか。九州は離島の大島が出場を果たすなど注目されたが、4校中で九州国際大附のみが初戦突破と、やや寂しい結果となった。

 選抜は終わったばかりだが、既に各地区では春季大会が開催中。これを経て、夏の甲子園の予選へと雪崩れ込む。選抜の経験を活かして夏への切符を掴むか、はたまた選抜出場が叶わなかった高校が捲土重来で勝ち上がってくるか。夏への戦いはもう始まっている。

◇◇◇

■第1日目 3月19日(土)
〈1回戦〉
第1試合 浦和学院(埼 玉)4-0 大分舞鶴(大 分)
第2試合 和歌山東(和歌山)8-2 倉敷工 (岡 山)※延長11回
第3試合 クラーク記念国際(北海道)2-3 九州国際大付(福 岡)※延長10回

■第2日目 3月20日(日)
第1試合 広 陵 (広 島)9-0 敦賀気比(福 井)
第2試合 長崎日大(長 崎)2-6 近 江(滋 賀)※延長13回タイブレーク
第3試合 二松学舎大付(東 京)3-9 聖光学院(福 島)

■第3日目 3月21日(月)
第1試合 山梨学院(山 梨)1-2 木更津総合(千 葉)※延長13回タイブレーク
第2試合 日大三島(静 岡)0-4 金光大阪(大 阪)
第3試合 高 知 (高 知)4-2 東洋大姫路(兵 庫)

■第4日目 3月22日(火)
第1試合 國學院久我山(東 京)4-2 有田工(佐 賀)
第2試合 星 稜 (石 川)5-4 天 理 (奈 良)※延長11回
第3試合 只 見 (福 島)1-6 大垣日大(岐 阜)

■第5日目 3月23日(水)
第1試合 花巻東 (岩 手)4-5 市和歌山(和歌山)
第2試合 大 島 (鹿児島)0-8 明秀日立(茨 城)
第3試合 丹 生 (福 井)7-22 広島商 (広 島)

■第6日目 3月24日(木)
第1試合 鳴 門 (徳 島)1-3 大阪桐蔭(大 阪)
〈2回戦〉
第2試合 和歌山東(和歌山)0-7 浦和学院(埼 玉)
第3試合 九州国際大附(福 岡)4-1 広 陵(広 島)

■第7日目 3月25日(金)
第1試合 聖光学院(福 島)2-7 近 江(滋 賀)
第2試合 木更津総合(千 葉)3-4 金光大阪(大 阪)※延長13回タイブレーク
第3試合 國學院久我山(東 京)4-3 高 知(高 知)

■第8日目 3月26日(土)
第1試合 大阪桐蔭(大 阪)不戦勝 広島商(広 島)※広島商辞退

■第9日目 3月27日(日)
第1試合 大垣日大(岐 阜)2-6 星 稜(石 川)
第2試合 明秀日立(茨 城)1-2 市和歌山(和歌山)

■第10日目 3月28日(月)
〈準々決勝〉
第1試合 九州国際大附(福 岡)3-6 浦和学院(埼 玉)
第2試合 金光大阪(大 阪)1-6 近 江(滋 賀)
第3試合 星 稜(石 川)2-4 國學院久我山(東 京)
第4試合 大阪桐蔭(大 阪)17-0 市和歌山(和歌山)

■第11日目 3月30日(水)
〈準決勝〉
第1試合 浦和学院(埼 玉)2-5 近 江(滋 賀)※延長11回
第2試合 大阪桐蔭(大 阪)13-4 國學院久我山(東 京)

■第12日目 3月31日(木)
〈決勝〉
第1試合 大阪桐蔭(大 阪)18-1 近 江(滋 賀)


       (センバツ応援イメージキャラクターの伊丹彩華)


◇◇◇

〈第94回選抜高等学校野球大会 出場校〉
【21世紀枠】
只 見  (福 島)初
丹 生  (福 井)初
大分舞鶴 (大 分)初
【北海道】
クラーク記念国際(北海道)初
【東 北】
花巻東  (岩 手)4年ぶり4回目
聖光学院 (福 島)4年ぶり6回目
【関東・東京】
明秀学園日立(茨 城)4年ぶり2回目
山梨学院 (山 梨)2年ぶり5回目
木更津総合(千 葉)6年ぶり4回目
浦和学院 (埼 玉)7年ぶり11回目
國學院久我山(東 京)11年ぶり4回目
二松学舎大附(東 京)7年ぶり6回目
【東 海】
日大三島 (静 岡)38年ぶり2回目
大垣日大 (岐 阜)11年ぶり4回目
【北信越】
敦賀気比 (福 井)2年連続9回目
星 稜  (石 川)2年ぶり15回目
【近 畿】
大阪桐蔭 (大 阪)3年連続13回目
和歌山東 (和歌山)初出場
天 理  (奈 良)3年連続26回目
​​金光大阪 (大 阪)13年ぶり3回目
京都国際 (京 都)2年連続2回目
市立和歌山(和歌山)2年連続8回目
東洋大姫路(兵 庫)14年ぶり8回目
【中国・四国】
広 陵  (広 島)3年ぶり25回目
広島商  (広 島)20年ぶり22回目
高 知  (高 知)4年ぶり19回目
鳴 門  (徳 島)9年ぶり9回目
倉敷工  (岡 山)13年ぶり11回目
【九 州】
九州国際大付(福 岡)11年ぶり3回目
大 島  (鹿児島)8年ぶり2回目
有田工  (佐 賀)初出場
長崎日大 (長 崎)23年ぶり3回目

◇◇◇

<補欠校>
【21世紀枠】
札幌国際情報(北海道)
倉吉総合産業(鳥 取)
【北海道】
旭川実  (北海道)
東海大札幌(北海道)
【東 北】
八戸工大一(青 森)
青森山田 (青 森)
【関東・東京】
東海大相模(神奈川)
桐生一  (群 馬)
関東一  (東 京)
日大三  (東 京)
【東 海】
聖隷クリストファー(静 岡)
至学館  (愛 知)
【北信越】
小松大谷 (石 川)
富山商  (富 山)
【近 畿】
近 江  (滋 賀)
八幡商  (滋 賀)
【中国・四国】
岡山学芸館(岡 山)
下関国際 (山 口)
明徳義塾 (高 知)
徳島商  (徳 島)
【九 州】
興 南  (沖 縄)
海 星  (長 崎)


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