*** june typhoon tokyo ***

LOVE PSYCHEDELICO@日本武道館

Lovepsychedelico LOVE PSYCHEDELICO“IN CONCERT AT BUDOKAN 2007”に行って来た。前回の武道館ライヴはバック・ステージも開放した大入りだったが、今回は2階席両サイド上部4分の1くらいが黒幕でカヴァーされていた。また、2階席上部などに空席もあり、全体として8割~9割の入りか。開演前はローリングストーンズの曲が流れていた。ステージは前回と同様、上から白い幕布が吊るされて覆われている。ステージ床前方には“LOVE PSYCHEDELICO”の文字が。

 NAOKIもMCで“(僕らのファンは)10代から50代、60代まで幅広い人たちが、音楽でつながってる”と言っていたように、客層は若い人から(制服姿の女子も散見)オジサンオバサンまで多種多様。年配層が幅広いのは、ビートルズフォロワーなサウンド(?)だから、すんなりと違和感なく聴けるということか。
 ちなみに、自分は「どいつもこいつもビートルズ、ビートルズってうるせぇなぁ!( `д´) ケッ!」とビートルズを聴かないばかりか、全く無視して生きてきてしまった人間なのですが、そんな自分でも

デリコは好き

だったりするんですよ。
(なんでビートルズが好きじゃないのかについては、いずれ日記にでも書きましょうかね???ってどうでもいいか)

 メンバーは、左からベース(高桑圭)、キーボード&ギター、ドラム、コンピュータープログラミング(でもホルンみたいなの…テューバか?も吹いてた)にNAOKI(ギター)、KUMI(ヴォーカル、ギター)の6人。デリコのライヴは毎回セット・リストが異なるのだが、今回も一旦武道館前に改めてこの6人で最高のものを創り上げようと、セッションやらを重ねたらしい。KUMIいわく「私たちにとって武道館っていうのは特別で…(私たちが好きな)ビートルズだったりボブ・ディランだったり、そういう凄いアーティストが立った場所でもあるので、同じ場所で演奏できるのは、とても嬉しいです…ありがとう!」とのこと。
 デリコのMCは、だいたい言葉数も多くなく、KUMIは“ありがとう”“サンキュー”“I Love You”の連呼がほとんどだし(笑)(KUMI自身がいうには「何度ありがとうをいってもいい足りない…」ということ)、NAOKIも多くない(むしろ、NAOKIの方が一文(センテンス?)としては多い方か…笑)。でも、なぜか、それ以上の言葉数を要求したくなるってことではないんだよなぁ。その分、楽曲の中で言い尽くしているというか、彼らのテーマでもある“LOVE”というのは、多くの言葉を連ねたからといって、理解や意志が増して伝わっていくことでもないんだということかもしれない。
 ただ、一言一言に込められてる思いは強い。新作『GOLDEN GRAPEFRUIT』にも収録されている「Help!」の前には、「(奇しくも)明日(12/8)はジョン・レノンの命日なので…この曲をやります」(KUMI)とちょこっと言ったり、「これはみんなの歌だ!」と煽って自由と愛を謳歌しようという楽曲を披露する。余計な飾りはいらないのだ。

 NAOKI(なんだかモミアゲが凄かったな…笑)がソロ・セクションの前にちょこっとMC。すでに片手にはビール缶が。(笑)
「すいません…飲んでます。…今日はうちの両親が観に来てくれてるんですけど…いつも母親に『(仕事中に)不謹慎な…飲むのはやめなさい』と言われてるんですけど」
「この前『僕らの音楽』に出たんですけど…観た人~?(観客の大勢の手が挙がる) その時もオノ・ヨーコさんと共演させてもらったんですけど、放送終了したらすぐに母親から電話が掛かってきて、『目上の人と話しているのに、タメ語はやめなさい』といわれちゃって…」
「と、いいながら、今日も飲んじゃいま~す。すいません」というのが、なかなか面白かったな。

 面白かったというか、注目してしまったのは、バック・スクリーン。
「Everyone, everyone」は壮大なゴスペル・コーラスからはじまるのだが、白の吊るし幕が降りた後に出てきたのは、バンド後方に映し出された数十名のコーラス隊の映像。“エヴリワンエヴリワン~”はサンプラーでの音だと思うが、その映像のためかちゃちな感じに聴こえない。そのコーラス・フレーズを背に“Good People~!”と歌うKUMIは、オープニングから恍惚の表情だった気がする。
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 「Good day, celebration」では、インフォメーションマークに使われそうな擬人化した画像(Crystal Kay loves m-flo「I Like It」やm-flo loves Crystal Kay「REEEWIND!」みたいなの)が、軽快でちょっぴりコミカルなリズムに合わせて背伸びしたりする。4人ならんでいて、左から3番目(?)がKUMI(右端が帽子かぶっていたからNAOKIで、左端がやたらと股下が長く背が高い感じだったから高桑圭か?)を表わしていて、バンドだけのパートになると、KUMIのマークだけが消えたりしていた。ちょっとしたアイディアだが、何だか惹き込まれてしまった。
 そして、終盤の「Free World」では画面一面に“Free World”の文字のみが。これ以上のインパクトある端的なメッセージはなかった。あと、どの曲か忘れたが、NAOKIがバックの画像(赤や黒や白の直線ラインが四方から伸びている)にあるデザインを模したギターを使っていたなあ。

 19:30に暗転して、22:15くらいに終幕。
NAOKI「今日は(開始が)遅くなっちゃってゴメンね。みんなが帰れるようにサクサクっとやって終わるから…(当然「エーッ」の声)」「…いっぱいやるよ」というやりとりもアリ。結構なヴォリュームのライヴとなった。スタートから「Last smile」くらいまではKUMIの声もそれほど出ている感じではなかったが、「Good day, celebration」や「Aha!」の頃にはそれも気にならなくなっていた。
 「Mind across the universe」からラストまでの畳み掛けるような流れは圧巻と貫禄のそれで、ロックという音楽を通して人生を謳歌しようぜというメッセージが武道館を包む。ラストの「LADY MADONNA」では、KUMIが左右に翼のように伸びているステージの先へ陣取ったかと思うと、ステージ中央ではNAOKIによる「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」を組み込んできた。まさに“自由を謳歌しようぜ”というメッセージを体現したカヴァーだった。

 デリコの音楽メッセージは至ってシンプル。人それぞれ捉え方はあるが、根底や芯ではみな一つ(=“As One”)なんだというテーマを常に歌っている。(一つのテーマを、さまざまな題材ではありながら、常に説いていくという意味では、宮崎駿アニメに似ているところがあるかもしれない) サウンドもおおよそそれに則っていて、ゆえに、意外性や斬新さに乏しいというきらいもあるのかもしれない。だが、サウンドというのは、聴き方楽しみ方一つでそれぞれさまざまな味わいをもたらす。十人十色、個人個人で感じ方が異なるものだ。ただ、芯にあるものは常に同じ。それが“Free”であり“Love”であるのだ。
 ステージ・アウトする最後にNAOKIが照れながら言った“愛してるよ”“愛し合ってるかい?”の言葉。これが自分らにデリコから投げかけられた究極のメッセージなんだろう。単純にその“Love”にさえ気にかけなることの出来ない現在、それをシンプルに追求し、訴えかけているのがデリコなんだと思う。会場周辺に浮かんでいた、アルバム『GOLDEN GRAPEFRUIT』のジャケにもある赤いハート型の風船が、いつかすべての人の心に宿る時まで、彼らは走り続けるのだ。


◇◇◇

<SET LIST>

01 Everyone, everyone
02 Freedom
03 7days
04 Standing Bird
05 Like A Rolling Stone (Original by Bob Dylan)
06 Help! (Original by The Beatles)
07 I saw you in the rainbow
08 Carnation
09 裸の王様
10 Last smile

≪NAOKI's Solo Section≫
11 green
12 N29
13 Cross Road (Original by Eric Clapton)

14 Good day, celebration
15 You Realy Got Me (Origial by Van Halen)
16 Aha! (All We Want)
17 Your Song
18 fantastic world
19 Mind across the universe
20 Right now
21 Free World
22 Everybody needs somebody
23 LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~(Including “Born To Be Wild” Original by Steppenwolf)
≪ENCORE≫
24 Sad story
25 Freedom

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