*** june typhoon tokyo ***

Nate James@Billboard Live TOKYO

Nate_james_afro

 “ファンキー・アフロ”、ビルボードに降臨す。

 ビルボードライブ東京でネイト・ジェームス。2007年の『キングダム・フォールズ』の後、オリジナル作のリリースがない彼が、今年の3月に日本先行でリリースしたのが洋楽カヴァー・アルバム『リバイバル』。ネイト・ジェームス自身が愛したというナンバー11曲が収録されたそのアルバムの楽曲を中心に披露したステージとなった。

 メンバーは左奥から右へ、キーボードのアンドリュー・ジェイ・エイ・ヘイ、ベースのアレクセイ・エルフェンビアン、ドラムのカルロス・エドワーズ、ギターのベン・ジョーンズ、サックスのリチャード・ビーズリー、トランペットのベン・エドワーズ。左手前にバック・コーラスの二人、サイモン・キングとセシリア・スターリンが並ぶ。
 ネイトはチェック地のシャツにエメラルドグリーンのパンツにサスペンダー(UK出身だからブレイシーズとかガーターって呼ぶべきか…笑)、コンバースのハイカットという姿で、なんだか冴えない大学生みたいだった。前回観た時(@duo)がたぶんジャケット姿だったような気がするんで、それだと凄い変わりようだ。

 オープナーは「セット・ザ・トーン」からとやや抑え気味でスタートしたのだが、『リバイバル』からの一曲でダンス・クラシックスの「エイント・ノー・ストッピング・アス・ナウ」からはファンキー度がアップ。 「ファンクディファイニング」「ユニヴァーサル」と続くオリジナルも安定感があっていい。
 90年代あたりが好きな(というか思春期がそのあたりの)彼だから、カヴァー作の選曲も自分の時代に合うこともあり、イントロ・フレーズを聴いただけで満ち足りてくるような感覚に襲われるのは致し方ないところか。ジョージ・ベンソン「ギヴ・ミー・ザ・ナイト」から「ランナウェイ」、そしてオリジナルの「メッセージ」のあたりは、ヴォルテージも上がりっぱなし。

 曲間にこまごまとMCを入れるなど、陽気でお茶目な面があるネイトだが、当ステージでは彼から見て右側(客席から見て左側)の中・上段席の思い通りのレスポンスを受けられず苦戦した模様。ただ、それは女性比率が多かったのと、おそらくネイトの英語が解からずどう反応していいか解からない状態であったんだと思う。見る限り、ネイトの問いかけに手は振っていたし(だから、日常会話のスピードで英語話されても、日本人はそんなに解からないんだって…苦笑)。中央、右サイド、ステージ同階席は盛り上がったレスポンスしていたが。

 スロー・ジャムの「チョーク」や「ジャスティファイ・ミー」で終盤を締めくくったネイト。ふむふむ、ここで焦らしておいてアンコールで爆発するって魂胆だな、と期待しつつ拍手を送っていると、1、2分でバンド・メンバーそしてネイトが登場。バックのカーテンも開いたことだし、超ファンキーで行くのかと思ったら、PE'Zとの共演曲のあと一旦「ビコーズ・アイ・ラヴ・ユー」でスロー・ダウンして、最後は「ジョージ・マイケルは好きかい?」と聞いた後に「フェイス」でステージ・アウト。どちらも日本で流行った曲だが、「フェイス」の吐息のようなサビ・フレーズでの客席との大団円はなかなか難しいかと。『リバイバル』中心ということもあるんだろうが、そこは「インポッシブル」とか「キャント・ストップ」とか「S M F」とかで来ようよ、と思ったり。(笑) ネイトがステージ・アウトした後は、ジャズ・ファンクの定番インスト曲(曲名失念)をバンド・メンバーで演奏してアンコール終了。
 ただ、それじゃ物足りない空気を察知してくれたのか、カルロスがドラムを刻むとバックが呼応してセッションを開始、カルロスが「まずい、火をつけちゃったか…」みたいな感じでドラム演奏を止めてステージを去ると、残された人たちで演奏が続けられる。それからは演奏を終えたパートごとにステージを去っていくような流れに。途中でビヨンセの「デジャ・ヴ」のリフも挟み込みながら、ギターが抜け、キーボードが抜け、ラストにベースのみの演奏で幕となった。こんなサーヴィスなら大歓迎だ。

 この上なく突き抜けたとか痺れる場面が特にあったということはないが、ファンキーなサウンドでオーディエンスを楽しませるということに関しては、やはり長けた人であったというのは確か。オーディエンスのノリもよく、おおよその時間をスタンディングで過ごしたという充実振りだった。
 次回はオリジナルの新作を引っ提げつつ、オリジナルにちょっぴりカヴァーをアクセントしたファンク満載のステージを披露してもらいたいところだ。


◇◇◇


<SET LIST>

01 SET THE TONE
02 TOO MUCH TOO SOON
03 AIN'T NO STOPPIN' US NOW (Original by McFadden&Whitehead)
04 FUNKDEFINING
05 UNIVERSAL
06 LABOUR OF LOVE (Original by Hue & Cry)
07 BACK TO YOU
08 GIVE ME THE NIGHT (Original by George Benson)
09 RUN AWAY (Original by Salsoul Orchestra)
10 THE MESSAGE
11 SEXUAL HEALING (Original by Marvin Gaye)
12 CHOKE
13 HARD TO HANDLE (Original by Otis Redding)
14 JUSTIFY ME
≪ENCORE≫
15 LIVE FOR THE GROOVE
16 BECAUSE I LOVE YOU (Original by Stevie B)
17 FAITH (Original by George Michael)
18 OUTRO (Including Phrase “DEJA VU”)


<MEMBER>

Nate James (Vocals)
Karlos Edwards(Drums)
Andrew J A Haye(Keyboards)
Ben Jones(Guitar)
Alexei Elfenbien(Bass)
Ben Edwards(Trumpet)
Richard Beesley(Saxophone)
Cecilia Stalin(Background Vocals)
Simon King(Background Vocals)

◇◇◇

 セット・リストは、コツーンと抜けてしまっていますが、失念回復次第追記します。

※ 上記セット・リストには“11 SEXUAL HEALING”がありますが、たぶんこの曲は演奏してないです。(正規)セット・リストから時間の関係上、その1曲を抜けにした模様。

 ダンクラやアシッド・ジャズが好きなようで(以前は、“ルックスはレニクラ、テイストはスティーヴィーの、ひとりジャミロクワイ”とか言われていたっけ……笑)、開演前と終演後にはホールにブラン・ニュー・ヘヴィーズの曲がかかりまくってました。そこは、さすがUK出身というところですな。

 で、そのBNHのBGMを聴きながら、最新作『リバイバル』のバックレイにサイン&握手してもらいましたヨ。

Natejamessign

 うーん、ネイト、いいやつなんだけど、今日の衣装がいかんせんイケてない大学生みたいだったんで、間近で見て笑いそうになっちまいました。(笑)

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