*** june typhoon tokyo ***

Metro Music Oasis Vol.13@GINZA Oasis

Philly_soul_night_in_ginza 仕事もそれなりにビジーになってきていながら、そういう時に限って周囲にはさまざまな誘惑ってありますよネ。試験が迫ってきているのにやたらとゲームをしたくなったり、ダイエットをしようと思っている矢先に、急に高カロリーなマヨネーズものを食いたくなったり。
 今週もプチビジーなところに、興味をそそるイヴェント情報が。それが、“Metro Music Oasis Vol.13”(メトロ・ミュージック・オアシス13)。東京メトロが、10月10日から開催される「フィラデルフィア美術館展」を記念して、フィラデルフィアを発祥とするソウル音楽「フィリー・ソウル」の名曲を届けるというこのイヴェント。CMソングでおなじみの「愛がすべて」「誓い」(スタイリスティックス)や、「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」などフィリー・ソウルの代表曲をはじめ、「フィラデルフィア美術館展」イメージ・ソングの「You raise me up」も演奏するとのことだった。
 場所は銀座駅日比谷線コンコース“銀座のオアシス”で、入場料は無料ときた。これは行かねば、と思ったのだが、時間が1stステージは17時00分~17時45分、2ndステージは18時30分~19時15分と、ちょっと仕事量がある当日においては微妙な時間帯。えー、そこで、昼休みを17時前からにして、昼休み時間中に見てやろうと思いまして。メシは食わずに、フィリー・ソウルです。まぁ、いつもメシといったってせいぜい紅茶でまったりするくらいなので、そんなことは大したことではない、と。

 17時ちょい前に銀座駅に着くと、もう会場の銀座のオアシスの周りは人だかりがいっぱい。ロープを張って警備員なども動員していた。座席は30席もあればいい方か。もちろんすでに満席でサイドも人だかり。その後ろから立ち止まって覗き見る人も大勢いた。そんななか何とか正面に見られる座席後方の立ち見スペースをキープ。やはり、フィリー・ソウルということで、年配の方々が多数を占めていた。青春時代にソウルをともに聴いてきた(それが縁で結ばれた?)と思わせるような非常に若々しいオールド・カップルや、また、着物姿の母にソウル・サーチャーズの語りを通訳してあげつつ身体を揺らしている母娘などもいて、音楽、そして銀座という土地柄が見える観客もちらほら見られた。

 日テレ女子アナウンサー、山下美穂子の司会でソウル・サーチャーズを呼び入れる。地下鉄構内ということもあってか、ものすごく暑い。つゆだくならぬ汗だくだ。(爆)エアコンもあるのかもしれないが、もはや機能していない感じ。ここそこで扇ぐ姿が見受けられる。
 演奏するのは、ケイリブ&フィリー・ソウル・サーチャーズ。ケイリブは2日前の“THE BASIC'S@東京国際フォーラム”でその演奏を聴いたばかりだ。ただ今回はかなりハッキリと彼を凝視出来る位置に。左にケイリブ、右にゲイリー・スコット。そして中央やや奥目のところにコーラスの3人が陣取る配置だ。

 最初は立ち尽くして聴く人が多かったものの、ゆるやかにグルーヴやコーラスがたゆたう「If You Don't Know Me By Now」あたりになると、観衆もすっかりソウル・ミュージック・マジックに魅了されている模様。地下のコンコースということで、音響についてはいわずもがな、よろしくはない。ただ、それらの要素を打ち消すだけの心地よいヴァイブスが5人によって創り出されていったのも事実だ。
 やはり、スタイリスティックスは人気で、「You Make Me Feel Brand New」「Can't Give You Anything But My Love」の2曲
を披露したが、どちらも観衆の受けは良かった。特に、木村拓哉が出演している「ギャツビー」のCM曲でもある「Can't Give You Anything But My Love」(「愛がすべて」)は盛り上がる。それを知ってか、ケイリブが「暑い、暑い!この(ドレッド風)ヘア・スタイルをキープするにはなんかないとなぁ」というと、「何が必要なの?」と応えるメンバー。「そうだなー、スプレーとかかな」「え、どんなスプレーよ?」「それは…ギャツビーさ!」という寸劇風のトークを繰り広げての導入に、観衆からも朗らかな笑みがこぼれた。そこですかさず“タララララ~”とあのホーン・イントロが流れ出すものだから、そりゃ歓声も上がるというもの。演奏が終わっても、頭や首筋、脇などにスプレーをかけるジェスチャーで“シューシュー”と「ギャツビー」を意識したパフォーマンス。少しでも観衆に喜んでもらいたいとの、気の利いた演出だ。

 これ以降も心地よい空気が流れつつも、ヴォルテージがあがる楽曲が続く。
 「Me & Mrs. Jones」では、そのサビのところでケイリブが“ミーーーィィィ・・・ミセス、ミセス・・・サイトウ”“…カワサキ~”“…ミセス、ヨシオカ!ワタシノオクサンデス!(笑)…ヨシオカー!ヨシオカー!”と連呼。これには観衆、メンバー、スタッフとも爆笑。ヨシオカ、吉岡…?ソウル・サーチャーの吉岡氏のことを言っていたのかな。こんな遊びも、イヴェントならではの楽しさだ。
 そして、「Ain't No Stoppin' Us Now」へ。この曲はダンス☆マン風にいえば「英語を使って話したい」となるか。思わずコーラスの“エイント・ノーォ・ストッピン・アス・ナァァ~ウッ”のところを“エイゴーヲツカッテハナシタァァーイー”と歌いたくなったり。(笑)“S・T・O・P・P・I・N”のアウトロ・コーラスが非常に心地よく身体をめぐる中で、大きな拍手とともに幕。

 考えてみると、5人ともヴォーカルを披露していた。それぞれ声色というか同じソウル・ミュージックなのだけれども、微妙にそのヴォーカル・アプローチが異なっていて、決していい環境ではないなかで、ソウルの深みを体現してくれたと思う。

 昼休憩の制限時間が迫ってきたので、アンコールの拍手に応えるバンド・メンバーが、フィラデルフィア美術館展のイメージ・ソング「You Raise Me Up」が流れるのを背中に聴きながら、銀座駅をあとにしたのだった。
 個人的には、「愛はすべて」からの本編ラスト3曲もよかったが、スウィング・アウト・シスターもカヴァーしているデルフォニクス「La La Means I Love You」(ララは愛の言葉)もなかなか良かった。“ラララララララララーミーンズ…アイ・ラーヴュー”のコーラスは、鳥肌ものでしたな。

◇◇◇
 
<SET LIST>

01 Mighty Love (Original by Spinners)
02 When Will I See You Again (Original by Theree Degrees)
03 If You Don’t Know Me By Now (Original by Harold Melvin & Bluenotes)
04 ≪MEDLEY≫
You Make Me Feel Brand New (Original by Stylistics)
Sideshow (Original by Blue Magic)
La La Means I Love You (Original by Delfonics)
Betcha By Golly Wow (Original by Stylistics)
05 Can't Give You Anything But My Love (Original by Stylistics)
06 Me & Mrs. Jones (Original by Billy Paul)
07 Ain't No Stoppin' Us Now (Original by MacFadden & Whitehead)
≪ENCORE≫
08 You Raise Me Up (Original by Josh Grovan)


<MEMBER>

ケイリブ&フィリー・ソウル・サーチャーズ(Kaleb James & Philly Soul Searchers)
are...

ケイリブ・ジェイムス(Kaleb James) (Key&Vo)
ゲイリー・スコット(Gary Scott) (Sax、per&Vo)
グリニス・マーティン(Glynis Martin) (Vo)
アージー・パイン(Argie Phine) (Vo)
ポーラ・ジョンソン(Paula Johnson) (Vo)

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