娘達の騒がしい声で目が覚めた。
およそ1ヶ月ぶりのまともな休日の朝8時すぎ。
布団に潜ってからまだ4時間くらいしか経っていない
これではいつもと変わらないじゃないか…
「もう少しだけ寝かせてくれないかなぁ…」という淡い希望は
ニパちゃんのフライングボディアタックによって打ち砕かれた。
重い頭で居間に下りると
すっかり朝食の準備が整っていて
嫁さんは鼻歌まじりにお弁当の仕上げにかかっていた。
コーヒーメーカーがコポコポと香りを立ち上げて
僕の覚醒を催促している。
そうだった。
前夜深夜当番を終えて帰宅した僕は
「明日は桜でも見に行くか」などと
自分から言い出したのを思い出してゲンナリした。
トーストとコーヒーで何とかエンジンを始動させる。
外は厚い雲に覆われているが
雨が降り出しそうな気配はまだない。
「よっしゃ!行くかぁ!」
顔を洗って気合を入れた。
行くと決めたら動きは早い。
着替えを済ませると
荷物を次々と車に積み込み
いざ出発!
と
車を動かしたはいいが
どこへ行くのかまだ決めていなかった(笑)
候補地は2つ「花の文化園」か「錦織公園」
とりあえず幹線道路を南下する。
どっちに行こうかと話していると嫁さんが
「サバーファームはどう?」と新たな提案。
「イチゴ狩りやってるかも知れない」という言葉にチーちゃんが反応!
ということで目的地は「サバーファーム」に決定。
車は進路を左に取り幹線道路を離れた。
相変わらず雲は厚く垂れ込めていたけれど
まだ雨粒は落ちて来そうにない。
気温は高く暑いほど。
桜は満開、菜の花も盛り。
目の前に広がる風景に早くも浮かれ気分で駆け出す。
一番はしゃいでいるのは間違いなく僕だ(笑)


入り口を入るとよもぎ餅つきをやっていたので見学
子供にもつかせてくれると言うのでチーちゃんが参加。
「よいしょー!」という掛け声と
ペッタンと杵が振り下ろされる度に
もち米の蒸した香りとよもぎの香りが漂う。

空はますます暗く低くなってきていて
今にも降り出しそう。
入場の時にイチゴ狩りを申し込んでいたので
とにかく先に済ませてしまおうと園内を進む。

肥料と土の匂いが懐かしい。
次女と手を繋いでのんびり歩いていると
ポツリと頬に冷たいものが当たった。
「雨や!」
長女の号令で僕は次女を抱きかかえて
ちょっと早足でイチゴ狩りのハウスに急いだ。
本降りではないけれど
そのまま屋外にはいられない程度の雨。
イチゴ狩りはハウスの中なので雨の心配はない。
受付でカゴのパックをもらい紙コップに水を入れる。
「中で食べるイチゴはこの水でちょっとゆすいでから食べてくださいね」
なるほどそのための紙コップか。

一区画を割り当てられてその両側のにあるイチゴは
その場で食べてもいいし持って帰ってもいい。
早速一つ摘んで頬張る。
鮮烈な香りが口中に広がる。
ジュースが口を満たす
甘い♪

ニパちゃんは初めての体験だったけれど
器用にイチゴを摘むと次々とパックに入れる。
たまにまだ白いイチゴを摘んでしまうのはご愛嬌(笑)
あっと言う間にカゴはイチゴでいっぱいになった。
チーちゃんは甘そうなイチゴを選んで口に運ぶ。
ニパちゃんは半分土遊びをしながら
摘んだイチゴを嫁さんに渡していく。

時折吹く強い風がハウスを揺らす。
持ち帰りのイチゴが2パック程度になったところで切り上げる。
もう雨はすっかり止んでいた。
お弁当どこで食べようか。
広い農場の中にはところどころにあずまやがあって
雨が降ったせいもあってどこも満員状態。
しばらくゆっくり歩いて行くと
芝生の広場にある桜の側が空いていたので
そこに陣取りお弁当を広げる。
風は強いが気温が高く寒さを感じる事はない。
桜吹雪がお弁当の上に舞い
おにぎりを頬張るニパちゃんの頭に桜の花びらが舞い降りる。
空は晴れ間も見えていて
もう雨の心配は無さそうだった。
お花見気分を満喫してお弁当を食べ終わると
チーちゃんとニパちゃんはきゃーきゃー言いながら走り回り
僕がシートに横になってお昼寝体勢を整える頃には
日も差し始め「いつでも寝てください」と言わんばかりのシチュエーション(笑)

頬に風を感じながら目を閉じると目の前が影になった。
「ん?」
薄目をあけると長女が仁王立ちで立ってこちらを覗き込んでいて
その右手にはしっかりとフリスビーが…
「パパ、行くで!」
たっぷり1時間以上も僕は汗を流し続けた。
3時を回ったところで帰る事にした。
僕は久々に走り回って運動不足を痛感し
ニパちゃんは遊びつかれて眠りそうになっていて
嫁さんは出口付近の売店のソフトクリームが気になって仕方ない様子(笑)
チーちゃんだけが遊び足りなさそうにしていた。

雨の予報は嘘のようにはずれ。
空は晴天、心も晴天。
気持ち良さそうに泳ぐこいのぼりが
春の終わりを感じさせてくれる。

駐車場脇の直売所で嫁さんは野菜と卵を購入。
チーちゃんはお友達にお土産を。
まるで夏のような陽射しの中帰路についた。
帰宅するとチーちゃんはそのまま
友達のところに遊びに出かけて行った。
ニパちゃんは車の中から引き続きお昼寝、
嫁さんはその隣でお昼寝(笑)
僕は冷蔵庫から発泡酒を取り出して飲む。
昼間の熱と疲労感たっぷりの身体は
まるでスポンジのように吸い込んで行く。
僕は静かな部屋にごろんと横になって
ようやく待ち望んだ睡眠を手に入れた。
またもや娘達の声で目が覚めると
外はもう真っ暗で
机の上は晩御飯の用意が整っていた。
先日、田舎から届いたトマト
帰りに買ってきたほうれん草のおひたし
同じく直売所で買った卵で卵かけご飯。
久しぶりに家族揃ってにぎやかで幸せな食卓。
満足で満腹な休日はこうして暮れて行った。
夜、娘達が寝静まった後
嫁さんといつものコーヒータイム。
珍しくテレビも消してあれやこれやと話をする。
すっかりチーちゃんに引き継いだものだと思っていた
嫁さんのマシンガントークが久々に炸裂!
耳が痛いこともズケズケと言ってくれる(笑)
「ごめんね、ちょっと言い過ぎたかな?」
「いやいや、ちゃんと言ってもらわないと自分じゃ気付かないから」
「jumpくんもちゃんと言いたい事言ってね」
「うん、もちろん」
「さ、もう遅いし寝るね」
「うん、おやすみ」
時計はもうすぐ3時になろうとしていた…
3時間後
気持ち良さそうにいびきをかく家族の寝顔に見送られて
僕はいつものように出社したのだった。
およそ1ヶ月ぶりのまともな休日の朝8時すぎ。
布団に潜ってからまだ4時間くらいしか経っていない
これではいつもと変わらないじゃないか…
「もう少しだけ寝かせてくれないかなぁ…」という淡い希望は
ニパちゃんのフライングボディアタックによって打ち砕かれた。
重い頭で居間に下りると
すっかり朝食の準備が整っていて
嫁さんは鼻歌まじりにお弁当の仕上げにかかっていた。
コーヒーメーカーがコポコポと香りを立ち上げて
僕の覚醒を催促している。
そうだった。
前夜深夜当番を終えて帰宅した僕は
「明日は桜でも見に行くか」などと
自分から言い出したのを思い出してゲンナリした。
トーストとコーヒーで何とかエンジンを始動させる。
外は厚い雲に覆われているが
雨が降り出しそうな気配はまだない。
「よっしゃ!行くかぁ!」
顔を洗って気合を入れた。
行くと決めたら動きは早い。
着替えを済ませると
荷物を次々と車に積み込み
いざ出発!
と
車を動かしたはいいが
どこへ行くのかまだ決めていなかった(笑)
候補地は2つ「花の文化園」か「錦織公園」
とりあえず幹線道路を南下する。
どっちに行こうかと話していると嫁さんが
「サバーファームはどう?」と新たな提案。
「イチゴ狩りやってるかも知れない」という言葉にチーちゃんが反応!
ということで目的地は「サバーファーム」に決定。
車は進路を左に取り幹線道路を離れた。
相変わらず雲は厚く垂れ込めていたけれど
まだ雨粒は落ちて来そうにない。
気温は高く暑いほど。
桜は満開、菜の花も盛り。
目の前に広がる風景に早くも浮かれ気分で駆け出す。
一番はしゃいでいるのは間違いなく僕だ(笑)


入り口を入るとよもぎ餅つきをやっていたので見学
子供にもつかせてくれると言うのでチーちゃんが参加。
「よいしょー!」という掛け声と
ペッタンと杵が振り下ろされる度に
もち米の蒸した香りとよもぎの香りが漂う。

空はますます暗く低くなってきていて
今にも降り出しそう。
入場の時にイチゴ狩りを申し込んでいたので
とにかく先に済ませてしまおうと園内を進む。

肥料と土の匂いが懐かしい。
次女と手を繋いでのんびり歩いていると
ポツリと頬に冷たいものが当たった。
「雨や!」
長女の号令で僕は次女を抱きかかえて
ちょっと早足でイチゴ狩りのハウスに急いだ。
本降りではないけれど
そのまま屋外にはいられない程度の雨。
イチゴ狩りはハウスの中なので雨の心配はない。
受付でカゴのパックをもらい紙コップに水を入れる。
「中で食べるイチゴはこの水でちょっとゆすいでから食べてくださいね」
なるほどそのための紙コップか。

一区画を割り当てられてその両側のにあるイチゴは
その場で食べてもいいし持って帰ってもいい。
早速一つ摘んで頬張る。
鮮烈な香りが口中に広がる。
ジュースが口を満たす
甘い♪

ニパちゃんは初めての体験だったけれど
器用にイチゴを摘むと次々とパックに入れる。
たまにまだ白いイチゴを摘んでしまうのはご愛嬌(笑)
あっと言う間にカゴはイチゴでいっぱいになった。
チーちゃんは甘そうなイチゴを選んで口に運ぶ。
ニパちゃんは半分土遊びをしながら
摘んだイチゴを嫁さんに渡していく。

時折吹く強い風がハウスを揺らす。
持ち帰りのイチゴが2パック程度になったところで切り上げる。
もう雨はすっかり止んでいた。
お弁当どこで食べようか。
広い農場の中にはところどころにあずまやがあって
雨が降ったせいもあってどこも満員状態。
しばらくゆっくり歩いて行くと
芝生の広場にある桜の側が空いていたので
そこに陣取りお弁当を広げる。
風は強いが気温が高く寒さを感じる事はない。
桜吹雪がお弁当の上に舞い
おにぎりを頬張るニパちゃんの頭に桜の花びらが舞い降りる。
空は晴れ間も見えていて
もう雨の心配は無さそうだった。
お花見気分を満喫してお弁当を食べ終わると
チーちゃんとニパちゃんはきゃーきゃー言いながら走り回り
僕がシートに横になってお昼寝体勢を整える頃には
日も差し始め「いつでも寝てください」と言わんばかりのシチュエーション(笑)

頬に風を感じながら目を閉じると目の前が影になった。
「ん?」
薄目をあけると長女が仁王立ちで立ってこちらを覗き込んでいて
その右手にはしっかりとフリスビーが…
「パパ、行くで!」
たっぷり1時間以上も僕は汗を流し続けた。
3時を回ったところで帰る事にした。
僕は久々に走り回って運動不足を痛感し
ニパちゃんは遊びつかれて眠りそうになっていて
嫁さんは出口付近の売店のソフトクリームが気になって仕方ない様子(笑)
チーちゃんだけが遊び足りなさそうにしていた。

雨の予報は嘘のようにはずれ。
空は晴天、心も晴天。
気持ち良さそうに泳ぐこいのぼりが
春の終わりを感じさせてくれる。

駐車場脇の直売所で嫁さんは野菜と卵を購入。
チーちゃんはお友達にお土産を。
まるで夏のような陽射しの中帰路についた。
帰宅するとチーちゃんはそのまま
友達のところに遊びに出かけて行った。
ニパちゃんは車の中から引き続きお昼寝、
嫁さんはその隣でお昼寝(笑)
僕は冷蔵庫から発泡酒を取り出して飲む。
昼間の熱と疲労感たっぷりの身体は
まるでスポンジのように吸い込んで行く。
僕は静かな部屋にごろんと横になって
ようやく待ち望んだ睡眠を手に入れた。
またもや娘達の声で目が覚めると
外はもう真っ暗で
机の上は晩御飯の用意が整っていた。
先日、田舎から届いたトマト
帰りに買ってきたほうれん草のおひたし
同じく直売所で買った卵で卵かけご飯。
久しぶりに家族揃ってにぎやかで幸せな食卓。
満足で満腹な休日はこうして暮れて行った。
夜、娘達が寝静まった後
嫁さんといつものコーヒータイム。
珍しくテレビも消してあれやこれやと話をする。
すっかりチーちゃんに引き継いだものだと思っていた
嫁さんのマシンガントークが久々に炸裂!
耳が痛いこともズケズケと言ってくれる(笑)
「ごめんね、ちょっと言い過ぎたかな?」
「いやいや、ちゃんと言ってもらわないと自分じゃ気付かないから」
「jumpくんもちゃんと言いたい事言ってね」
「うん、もちろん」
「さ、もう遅いし寝るね」
「うん、おやすみ」
時計はもうすぐ3時になろうとしていた…
3時間後
気持ち良さそうにいびきをかく家族の寝顔に見送られて
僕はいつものように出社したのだった。