のんびり茶屋

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Gのレコンギスタと鉄血のオルフェンズのメモが出てきたので上げる。

2019-01-09 13:09:43 | 紹介・感想・レヴュー

Gのレコンギスタと鉄血のオルフェンズのメモが出てきたので上げる。

脱線して長くなるの確定なので先にまとめ。

・鉄血のオルフェンズはGのレコンギスタでやった
超ハイコンテクスト路線への反抗だと解釈して観ていました。

・鉄血のオルフェンズ一期(1話~25話)が
世間一般な「作り話」の枠の内で

しっかりきっちりしたものを作っていて感銘する。
半年後に始まった二期(26話~50話)は
「続編の壁」に挑み苦戦したZガンダムが越えられなかったifを観られるかもと期待するも
話数を重ねる毎に文字通り雲行きが怪しくなり
ガンダムバエル登場のくだりで決定的になり残念な評価に。

--------

・『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』一期が始まる半年前に終了した
『ガンダム Gのレコンギスタ』(以下Gレコ)が
作り話のフォーマットを積極的に捨てに行っていて
悪く言えば無責任だけど、
今までのやり方に乗っかってるうちは
受け手も「フィクション観てる枠」の中でしか、
受け取らない≒伝わらない訳で
Gレコのやり方は制作側の誠意だなぁと感じながら視聴していました。

矢追純一さんのこの発言が思っている事に近い
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170319-00001784-bunshun-ent&p=1

> あれくらい世の中に悪いものはないと思ってるんです。
> ドラマって、人間として一番ダメなところを拡張する代物なんですよね。
> 今、映画なんかもそうだけど、一生懸命感情をくすぐって泣かそうとするわけですよ。
> 「絶対泣けます」みたいな。
> バカじゃないかと思ってるんですよ。
> 人は、つらいことがあって泣くんだけど、つらいことはないほうがいいわけじゃない。
> それなのに、負の感情を植え付けようとするのがドラマなんです。
> ホームドラマにしても、何とかしてニコニコ気分よくしようとする。
> 要するに、感情を左右しようとするんだよ。くだらないんだよな。

そんな作りなんで
Gレコ自体は成功とは言い難いけれど
こういう方法をやった事そのものが大切と思えて
時間かけて色々反芻していたところでの
鉄血のオルフェンズ一期放送開始。

そしたらこっちはカリッカリに作り込んだ"作り話"が出てきてびっくり。

一番驚いたのは戦闘シーンが何してるのかわかる事。
どうして不利なのか、じゃあどうやって有利に立つのか
戦っている時の立ち位置と立ち回りがこんなにちゃんと描かれるガンダムは初めてで
どうせなんか混戦して撃ち合ってる風にしか描けないんだったら
マクロスがやるようなそれっぽく華麗に動かしといて見栄え良くしとくしかないじゃん、
程度に思ってた戦闘シーンに
こんな正面からの解決法があるとは思わなくて目から鱗。

ドラマ部分はミステリーを読むような意識で
クエスチョンに対する答えや
起こりうる事件と事前状況とがしっかりと対になっていて
制作者によって作られた箱庭感が心地よかった。

まぁ、全部台詞または露骨なカットで説明して
観てる人を納得させちゃうやり方で。
ぶっちゃけ登場人物の視点と価値観が全員一緒。
ドラマ創りとしては二流なんだろうけど
徹頭徹尾劇中の台詞でつじつま合わせが完結しているっていうのは
それはそれで「閉じられた世界」というか箱庭的というかで
心地良いと思えたんです。

# ドラマ『アンナチュラル』も全く同じ感想だったので
# こういう表現技法は最近のトレンドなのかもしれない。

あとテンポの速さは間違いなくスタッフの誠意。
生き別れの弟がいるんだって言ったハナから弟出てくるし
謎の仮面の男が登場したと思ったら速攻で正体見破られるしで
じらさずにどんどん次に進んでいくのが爽快でした。

メッセージ的な部分も物語内に含むんだけど
ドラマ内のギミックにとどまった印象。

そんな私の当時のコメントはこれ。
http://b.hatena.ne.jp/entry/281200857/comment/junnishikaw

・他に気になったのは
富野ガンダムの表層的なギミックだけを拝借して

娯楽としてのフィクションにチューニングしていくんだな、という感じを受けた事。

後付け設定ながら白い悪魔と呼ばれた初代ガンダムに対し
ソロモンの悪魔の名を冠したモビルスーツがガンダムという設定だったり
("ソロモン"も初代ガンダムに登場する重要な名詞)

敵ロボはザクだけで最終回までやるつもりだったという逸話を
一期ではギャラルホルン側はグレイズだけという形で実現したり

人間だけを殺戮する無人機械という設定
(F91のバグ)の再利用をしつつモビルアーマーを再定義したり
少年と女しかいない部隊というのも
Vガンダムを思い出すには充分(Vガンダムには老人が加わる)。

ヒューマン・デブリもGレコのクンタラがモチーフだと勝手に思っていて、
ヒューマン・デブリ=現在進行形、クンタラ=過去形で
ヒューマン・デブリあがりの鉄華団メンバーの生き残り達が
ヒューマン・デブリを酷使した宇宙海賊から鹵獲したモビルスーツを自ら選ぶのに対して
クンタラのマスクは自分の乗るモビルスーツに
クンタラの魂の安住の地とその守護神を合わせた夢見がちな名前付けてたりと
ヒューマン・デブリとの温度差が最高でした。
最後は劇中でヒューマン・デブリの禁止が決まり
何年後かにはクンタラ化していくのかと色々考える。

あとガンダムちゃうけど最初のクーデリアってまんまイデオンのカララよね。

・個人的趣味の発言でしかないけれど
モビルスーツ演出は全然かっこよく感じなかった。

銃やビームの飛び道具なし、爆発全壊なし、っていうのは
状況説明としてすごくいい設定なのに

ドラゴンボールのバトルみたいに高速バトルしだしたのは違うだろと。
唯一二期OPのランドマン・ロディだけは
個人的趣味ながらかっこえぇ、ってなったんだけどほんとそれだけだった。

・物語的には一期は気になる部分本当に少なくて
強いてフミタンがいつノブリスのスパイになったのか?
フミタンはクーデリアが小さいころからバーンスタイン家のメイドをしていて
ノブリスがクーデリアに目を付けたのは革命の乙女として世に出てからのはずで
どこかのタイミングでスパイになったはずで
でもその流れがイメージできず。

近い件だとラディーチェがガランといつ手を組んだのか、は
ガランがラスタルの権力使って下調べしてラディーチェを見つけて接触、
…っていう流れが想像つくのだけどフミタンはそういう想像ができない。

・以下は二期の不満をたらたらと。

しょっぱなでアリウムがクーデリア暗殺を大規模な海賊に依頼するんだけど
クーデリアを自分の配下or対等な関係に置けなかったとしても
自身がクーデリアをクローズアップさせた功績は残るんだから
いくらでもテラ・リベリオニスの立て直しはできたはず。
資金援助を絶たれて冷静さを失っていたとしても
そこで戦艦複数隻所持している大規模な海賊に依頼するのが懐的に違和感。
ここでの戦闘もなんか戦況説明が今まで比ぼんやりしていて
あれ?とは思って、ほんと、少しずつほころびていくのよね。

二期は色々ツッコミたい所あるけれど
まず、バエルに月光蝶クラスの無力化兵器があったり
超広範囲+超多数のオールレンジ攻撃を搭載してたりでない限り
バエルに乗れただけであんなに強気にはなれないと思うの。

孤児の男娼(だよね?)から貴族の養子にとられ党首にまで上り詰め、
その裏で秘密裏にモンターク商会という老舗の商社も仕切っている。
それだけ多方面に頭が回り実行力のある人間が
バエルに乗れたから俺リーダーだお!…はないわ、と。

どうしてバエルに誰も乗れなかったのか?
どうしてマクギリスは乗れたのか?
そこらへんっていつもうまく台詞でまとめて納得させてたのに
バエルの件は具体的に説明しきれてなかった。
アインの手術で得たデータで大人のマクギリスに阿頼耶識の外科手術ができた?
手術してる間がいつあった?その設備や人脈のバックグラウンドは?

カイエル家がギャラルホルンに残っていないのも伏線と思ってて
マクギリスがカイエル家の末裔で…っていう
シャアのようなパターンだと思っていたのに。

以下細かい事。

・一期も二期もエピローグにじっくり時間を割いて
必要な描写をしてくれたのは好印象。
エピローグって内容でしくじると目も当てられなくなるので
それならやらないでおこうとなるのが定石の中でよくやってくれたと思う。

ダインスレイヴ、モビルスーツの携行武器にできるって万能すぎやろ。

・演技とか基本気にしないけど
コロニー編あたりのクーデリアの演技が台本の足引っ張ってるように感じたのと
ラスタが死んだ時のアジーの悲鳴は逆に演技で脚本を超えた瞬間を感じた。

・『太陽にほえろ!』は視聴率下がると
人気キャラを殺すって言われてたけど同じ事をやってた印象。
例えばシノとヤマギの関係ってわかる人だけ用のお遊び要素にしか見えなかったのに
シノを殺す為だけにピックアップしたよね?と感じた。

・オルフェンズ世界の火星は
僕らの知ってる火星とは別の星で
1/3Gじゃなくて1Gと思い込んで観てました。
それなら火星地球間の航路3日とかに縮めてよかった印象。
ぶっちゃけデロイアでよかったんじゃね、と(笑)。
ただデロイアと決定的に違うのは
オルフェンズの火星は資源を掘りつくした後という事。
デロイアが同じ資源状況ならああはならなかったはずで。

以下当時のTwitterから

・一期の最終回ではモビルスーツの腕(フレーム)が切断された時に物凄く驚いたのに
二期の後半から手足が容易にもげるのに納得がいかない。
あと二期からモビルスーツ操縦中の独り言が
相手に伝わって会話になるの前提になったのも気になる。

・ヴィダール(人物、MS共に)の種明かしと
マクギリスの勝利の定義に藤子Aばりにズコー、と。
感覚的にはバイファムの再生装置の正体でずっこけたのを大盛りにした感じ。
地球支部編終わりあたりから造りがガタついてきてたとはいえ
ここまで持ち崩さなくても。

マクギリスまさかのラコック(ダグラムの登場人物)化で
これほんとにトドに「寄生虫めが!」って言っちゃって
銃殺エンドなるでぇ、とドキドキしている。

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