所在地 滋賀県大津市 比叡山
年月日 2013.5.12 日曜日 晴
伝教大師の教えは素晴らしい。だが、素晴らしい教えでも、武力の前では何の価値もなくなる。だが、素晴らしい教えは残るものだ。世の中が乱れると広大な寺領を持つ寺院は、武装勢力との紛争を抱えることとなり、これに対抗するために寺院も武装することになった。これを僧兵と呼んだ。僧兵の武装勢力が大きくなると、今度は宗教戦争が起る。南都(奈良)と北嶺(比叡山)の争い、山門派(延暦寺)と寺門派(園城寺)の争いなど僧兵の激しい争いが繰り返され、益々僧兵の勢力は拡大された。白河法皇は自分の意のままにならないものとして「賀茂川の洪水・双六の賽の目・比叡山の僧兵」を挙げている。時代が変わり戦国時代になると、織田信長が、比叡山を焼き討ちして全山を燃やし、数千人の僧侶を殺した。そして付近の天台宗の寺もことごとく燃やし延暦寺を潰滅的にした。それは元亀2年(1571)の出来事だった。それでも伝教大師の教えは残ったのだ。徳川家康のブレーンであった天海僧正によって見事に復興したのだ。するとまた、近年になり明治の廃仏毀釈にあうが、その波にも呑み込まれることなく伝教大師の教えは守られ続いている。
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