東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

【画像】「関東大震災 あれから100年語り継ぐべき記憶」(消防博物館/東京消防庁)

2023年09月02日 | 展覧会(その他)
夏の特別企画展
関東大震災 あれから100年語り継ぐべき記憶
2023年7月14日〜9月10日
消防博物館 6階企画展示室
 
 
 最寄駅が東京メトロ丸の内線四谷三丁目駅の消防博物館を初訪問。
 正式名称は、東京消防庁消防防災資料センター。四谷消防署と併設。10・6・5・4・3・1・B1階が博物館展示フロアとなっている(2階は四谷消防署)。入館無料。
 常設展示も含め、小さな子ども連れの方が多く、皆さん熱く防災教育をなさっている。
 
 
 本展は、展示点数は特に多いというわけではないが、見応えがある。
 以下、印象に残る展示。
 
 
「震災翌日の大阪毎日新聞および大阪朝日新聞の号外」
 ラジオ放送すら存在しなかった当時、新聞は最大の情報源であった。
 その新聞は、衝撃的かつ刺激的な見出しを並べる。
 
 
 
 
「帝都大震火災系統図」
 東京帝国大学罹災者情報局が調査した地図。1923年12月発行。火災発生場所(赤丸)、延焼状況(→) 、罹災者数などが記載。
 展示に際して、テプラで地名を表示してくれているため、どの地域が燃えて、どの地域が燃えずに済んだのかが実によく分かって、非常に生々しく感じる。
 和泉町・佐久間町の奇跡も奇跡だと分かる。
 
 
「大正震火災木版画集」
 東京の画報社から出版された木版画集。1924年1〜12月にかけて毎月3点の版画を予約販売するもの。6名の画家が計36点の震災風景を描く。
 本展には6点が展示。うち2点(反射がきつい)。
・国技館炎上(両国)
・雨の天幕病院(築地聖路加病院)
 常設展示にも4点展示されていたので、そちらからも2点。
・西郷の銅像(上野公園)
・震火災後の三越(日本橋)
 
 
 震災後の神田小川町より望む風景(写真9点)
 10月撮影。
・展示風景
・神田小川町から宮城、丸の内方面を望む。
 
 
「地震乃用心、火乃用心」(伊勢辰立退所発行)
 震災直後の刊行、「当時の東京の状況をよく反映して現在でも驚くほど要領を得ている」と評される教訓集。
 
 
上記以外にも、
・火災旋風の熱により発生した火焔雲(写真)
・「関東震災全地域鳥瞰図絵」吉田初三郎作、大阪朝日新聞9月15日付朝刊付録。
・「関東大震災畫帖」(大阪金尾文淵堂発行)の表紙および6図
・「帝都大震災画報」火災に襲われる町をケバケバしい色で描いた石版画6図(同名だが発行者が異なり、天正堂・集画堂発行が5図、浦島堂発行が1図)
・大震災から数日後の被害と復興(写真)
などが展示されている。
 
 
 
 
 
 
 
 もう一つの主要な展示が、20分間の映像『ノブさんからのメッセージ 手記に学ぶ関東大な震災』の上映。
 被服廠跡から生還した松本ノブさんの手記『大正大震災遭難之記』をもとにする。
 朗読・ナビゲーターは女優の上野樹里さんが務める。上野さんの語りはいいですね。
 YouTubeでも視聴可。
 
 


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (クリン)
2023-09-03 10:45:19
こちらのほうがより「震災の記録」を細かくリアルに伝えていますね!さすが消防博物館✨✨
うちの家族、歴史関係の仕事をしていまして✨この展示室には見に行ってみるって言ってました!ご紹介ありがとうございます🐻💛
(炊き出しのおむすびをにぎっている方々に笑顔があるのが救われる思いです🍀🍀✨✨)
返信する
Unknown (k-caravaggio)
2023-09-03 14:13:28
クリン様
コメントありがとうございます。
クリンさんのコメントを受けて、拙記事に「ノブさんの手記」の一文を紹介したパネルの画像を追加しました。

 其時はもう避難者に夕食を食べさせる為に亀戸の学校で炊き出しをして、一人に大きな握り飯を一つ宛与えていましたので、~中略
此の時の塩付け結びは平生のさしみ付きの御馳走よりも甘く戴く事が出来ました。ほんとにひもじい時にまずいものはありません。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。