東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

「ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」(東京都美術館)

2021年10月16日 | 展覧会(西洋美術)
ゴッホ展
響きあう魂  ヘレーネとフィンセント
2021年9月18日〜12月12日
東京都美術館
 
   ゴッホ展となればいつもならば開幕すぐに訪問するのだが、今回は開幕1ヶ月近く経ってからの訪問。
   平日の訪問+美術館窓口での当日券購入を狙っていたためである。
 
   週末の日時指定予約は、非常に厳しい。例えば10/14時点だと、直近の週末10/16〜17は完売、次の週末も完売、次の次の週末もほぼ完売であり、最速で11/3の祝日か、予約未開始の11/6〜7を狙うしかない状況。
   また、美術館窓口での当日券販売も用意されているが、公式Twitterを見ると、週末は午前の早めの時間に到着しない限り、随分先の時間枠となるか、売り切れとなっているようだ。
 
   私の平日狙いは成功で、12時過ぎの到着で、12時30分からの時間枠を購入できる。
(なお、当日券購入では、時間枠の選択は不可であり、その時点での最も早い空き時間枠が割り当てられる模様)。
   会期が進むに連れ、さらに厳しい状況となるだろう。
 
 
 
   本展は、クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を主とするゴッホ展。
 
   日本でのクレラー=ミュラー美術館所蔵作品を主とするゴッホ展は、これまで、私の認識の範囲では、1958年の東博・京都、1995年の横浜・名古屋、1999年の渋谷・福岡と3度開催されている。
 
   以降は、ゴッホ美術館所蔵作品との混成(2005年、2010年、2016年)であったり、世界各国の所蔵者から集めるなかで多めの出品数を担当(2017年、2019年)したり、(加えて、2013-14年にクレラー=ミュラー美術館所蔵作品を主とする「印象派を超えてー点描の画家たち」展が開催され、ゴッホ油彩7点・素描2点が出品されたり、)という感じで、クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を観る機会は多く、今回の出品作品のなかには直近のゴッホ展を「皆勤」しているかのような作品も見られるが、クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を主とするゴッホ展ということでは、22年ぶりとなる。
 
 
   本展では、世界で2番目のゴッホ・コレクションを作り上げ、クレラー=ミュラー美術館を創設したヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869〜1939)にも焦点をあてている。
 
   具体的には、第1章として、ヘレーネの肖像画およびヘレーネの美術コレクション形成のアドバイザーであった美術評論家ブレマーの肖像画が、続いて、第2章として、ゴッホ以外の画家たちの作品18点が展示される。
 
   クレラー=ミュラー美術館が所蔵するゴッホ以外の画家たちの作品と言えば、私的には、スーラ《シャユ踊り》とルドン《キュクプロス(一つ目の巨人)》がトップ2だと長年思っていたところ。
   ルドン《キュクプロス》の今回の来日は、初めてか否かは確認できていないが、少なくとも私が美術鑑賞を始めてからは初めてであり、嬉しく観る。
 
 
   第3章には、クレラー=ミュラー美術館所蔵のゴッホ作品が並ぶ。
 
   本展の目玉作品の一つとして、《夜のプロヴァンスの田舎道》が、2005年以来16年ぶりに来日。
   ただ、2005年の前に1995年・1999年と連続して来日していて、その印象があるためだろう、前回からそれほどの年月が経っていることに軽い驚き。
 
 
   特別出品として、ゴッホ美術館からゴッホ油彩画4点が並ぶ。
 
   そのなかで、《黄色い家(通り)》は本展のもう一つの目玉作品。
   《黄色い家》も、2005年以来16年ぶりの来日であることは同じであるが、ゴッホ美術館のサイトを確認する限り、その2005年が初来日らしく、今回が2回目の来日と、観る機会がレア。
   私的には、本展の最大のお目当て作品で、じっくりと観る。
 
 
   気になったのは、フランス時代(パリ、アルル、サンレミ、オーヴェール)の出品作品に、自画像や人物肖像画が含まれていないこと(模写を除く)。
   クレラー=ミュラー美術館がそのような作品を所蔵していないわけではないので、何らかの考え、あるいは事情があるのだろうか。
 
 
【本展の出品内容】
クレラー=ミュラー美術館所蔵   68点
・ゴッホの油彩画   28点
・ゴッホの素描等   20点
・ゴッホ以外の画家たちの作品   18点
・ヘレーネ関係肖像画   2点
ゴッホ美術館所蔵   4点
・ゴッホの油彩画   4点
 
 
【本展の構成】
1.芸術に魅せられて:ヘレーネ・クレラー=ミュラー、収集家、クレラー=ミュラー美術館の創立者
2.ヘレーネの愛した芸術家たち:写実主義からキュビスムまで
3.ファン・ゴッホを収集する
3-1.素描家ファン・ゴッホ、オランダ時代
3-2.画家ファン・ゴッホ、オランダ時代
3-3.画家ファン・ゴッホ、フランス時代
3-3-1.パリ
3-3-2.アルル
3-3-3.サン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズ
特別出品.ファン・ゴッホ美術館のファン・ゴッホ家コレクション:オランダにあるもう一つの素晴らしいコレクション


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