国宝土偶 縄文の女神
2016年3月23日~4月17日
東京国立博物館本館特別4室
最初の出会いは、2009-10年の東博「国宝土偶展」。当時は重要文化財。その抜群のスタイルに惹かれ、同展でのマイ・ベスト作品とさせていただいた。
2回目は、国宝指定(2012年)後の、2014年の東博「日本国宝展」。「国宝土偶5点が勢ぞろい!」の1点として登場。
そして3回目の今回は、主役。
場所は本館特別4室。
特別4室は、特別5室での特別展開催時のミュージアム・ショップ用、あるいは入場者待ち行列用・コインロッカー設置用として活用している部屋と思い込んでいて、展示室として使用されるイメージがない。
そんな本館特別4室の中央に「女神」君臨。
国宝《土偶 縄文の女神》
山形県舟形町 西ノ前遺跡
縄文時代(中期)・前3000~前2000年
山形県蔵(山形県立博物館保管)
小さな頭、くびれた腰、大きな尻に、太い脚。美しい装飾模様。身長45cmは現存の立像土偶で最大。側面から見ると驚くほど薄い身体。
正面から観ても、真後から観ても、横から観ても、斜め前から観ても、実に魅力的な土偶である。
「女神」の展示ケースは、山形県内の企業たちが最新の技術を用いて開発した「博物館向け次世代展示ケース」とのことで、有機EL照明や超高透過ガラスなどが一層「女神」を引き立てる。
本展では「女神」に加え、ともに出土されて国宝の附(つけたり)指定された土偶残欠47個のうち41個が展示されている。
「女神」の頭部なしミニサイズバージョンがあったり、「女神」と似た造形のパーツがあったりして、「女神」の魅力的な造形は、当時のその地でよく試みられた造形であることが伺える。
総数48個の出土した土偶のうち、完全な形に復元できたのは「女神」のみとのこと。今回展示の41個の残欠は言葉どおりの残欠という様(元々の大きさも「女神」より小さい感)であるが、非上京の6個はどんな感じなのか気になるところ。
土偶残欠が展示される2台の展示ケースは、東博の昭和初期に製作された歴史的展示ケースで、それに最新の有機EL照明器具とコラボさせたという。
普段は気にしていないけど、そういえば、以前の東博には、こんな感じの展示ケースが結構あったような気がする。最近は見ないかも、と本館の展示室を回ってみたら、全く同じものが1台あった、根付-高円宮コレクションにて。似合うな。
本展は撮影不可。
代わりに総合文化展展示中の土偶の画像を載せる。
本館2階1室
《土偶》
山梨県御坂町上黒駒出土
縄文時代(中期)
前3000~前2000年
本館2階特別1室
《河童形土偶》
新潟県糸魚川市一の宮出土
縄文時代(中期)・前3000~前2000年
平成館考古展示室
右:重文《ハート形土偶》
群馬県東吾妻町郷原出土
縄文時代(後期)・前2000~前1000年
左:《筒形土偶》
横浜市 稲荷山貝塚出土
縄文時代(後期)・前2000~前1000年
重文《みみずく土偶》
さいたま市 真福寺貝塚出土
縄文時代(後期)・前2000~前1000年
東博は、特別展のみならず、総合文化展での特集や今回のような特別公開もマークしておかないと、後で残念な思いをしかねない。
特別公開の次の予定は、
新発見!天正遣欧少年使節 伊東マンショの肖像
2016年5月17日~7月10日
本館7室
これも訪問!