いよいよ明日から、カラヴァッジョ展!! が始まる。
芸術新潮2016年3月号の特集「カラヴァッジョをつかまえろ!」で予習する。
気になった話題を3点。
1)Who is マタイ
ローマのサン・ルイージ・ディ・フランチェージ聖堂の《聖マタイの召命》のマタイ論争。
主人公のマタイはどの人物なのか。画面左手中央に座る髭の男なのか、画面左端のうつむいた若い男なのか。1980年代後半に若い男説が提唱されて以降、今も論争が続く。
本誌によると、石鍋真澄氏は髭の男説、宮下規久朗氏は若い男説を支持する。
加えて、ここ2年ほどの間に、にわかに浮上した「マタイあいまい」説があるのだそうだ。画家はもともとマタイを特定せずに描いたという説。
意図して髭の男・若い男どちらでも解釈できるようにしたという説か。実はどの登場人物もさらには画面外の人物(観者を含む)も、誰もがマタイでありマタイではないという説か。
説の根拠も含めて詳細が知りたいところ。
2)カジノ・ボンコンバーニ・ルドヴィージは見学可能
カラヴァッジョの唯一の天井画《ユピテル、ネプトゥルヌス、プルート》、そしてグエルチーノの代表作の天井画《アウロラ》が描かれた邸宅。
現在も個人の住居として使われている。
一般公開はされていないものと思っていたが、予約すれば見学可能らしい。
本誌には、一人20ユーロで15名以上と、具体的な数字の記載がある。見学可能な日時の記載はない。予約先の記載はある。予約時に指定されるのだろうか。
300ユーロ用意すれば、一人でもOKなのかな。
3)ヴァチカン美術館蔵《キリストの埋葬》の模写
オラトリオ会の本山ヌオーヴォ聖堂の礼拝堂のために描かれた《キリストの埋葬》。
1797年、ナポレオン軍に接収されフランスに持ち去られるが、1815年のウィーン会議後イタリアに返還される。しかし、もとの聖堂ではなく、ヴァチカンへ。もとの聖堂には、18世紀に制作された模写が置かれ、今もある。
本誌で始めてもとの聖堂の写真を見る。《キリストの埋葬》の模写が置かれたヴィットリーチェ礼拝堂。この礼拝堂にも行ってみたい。
なお、同聖堂の主祭壇画は若きルーベンスによるもの。それも見たい。
以上、展覧会出品作とは直接関係のない3題。