東山御物の美-足利将軍家の至宝-
2014年10月4日~11月24日
三井記念美術館
中国絵画にはこれまでスルーの私。
本展も1回(第5週目)訪問で済のつもりでいた。
「日本人にとって「東山御物」に見える美意識は絵画・工芸を鑑賞する一つの規範となり、桃山・江戸時代、さらには現代に至るまで「古典」として理解されてきた」「その意味で、まさに中世以降の美の規範といえる」
という「東山御物」。
中国絵画に親しむ取っ掛かりとしては、うってつけではないか。
と思い直し、残り2週も訪問することに決める。
鑑賞は、中国絵画、つまり展示室4と展示室7に限定する方針。
第6週目(2回目)
第5週目と同じ訪問時間帯だが、観客はやや少ない感。
展示室4
19点の展示。冒頭の≪足利義教像≫を除き、第5週目と同じ。
以下の作品を、単眼鏡も適宜使いながら観る。
No.13 国宝≪鶉図≫
(伝)李安忠筆 根津美術館
No.5 重文≪茉莉花図≫
(伝)趙昌筆 常盤山文庫
No.19 重文≪梅花双雀図≫
(伝)馬麟筆 東博
No.4 ≪鴨図≫
(伝)徽宗筆 五島美術館
No.2 国宝≪夏景山水図≫
(伝)胡直夫筆 山梨・久遠寺
No.3 国宝≪秋景山水・冬景山水図≫
(伝)徽宗筆 京都・金地院
No.23 国宝≪出山釈迦・雪景山水図≫
梁楷筆 東博
展示室7
15点の展示。3点入替え。
主に次の作品を観る。
No.34 ≪馬郎婦観音図≫
(伝)胡直夫筆 個人蔵
No.40 重文≪遠浦帰帆図≫
牧谿筆 京博
第7週目(3回目)
10年振りの公開という国宝≪桃鳩図≫が登場。
さらに、急遽決定したという特別出品、3日間(11/22~24)限定の≪猫図≫も展示。
過去2回訪問時より観客は多いが、驚くほどではない。
観客数が多く感じるのは、列が進まないため、長居する人が多いためで、実数はそれほどでもないかもしれない。
なにせ、双眼鏡などをつかってじっくり眺める人が多いのだ。
館は、鑑賞を急がせるような、一歩ずつ進め攻撃などは、一切しない。
また、進まないことに不満を漏らすような人も、私の見る範囲では、見当たらない。順番を待っている。
さすがに、高度専門的(?)な展覧会。観客は皆自分と同類と認識し、また、館もそのことを認識しているのだろうか。
展示室4
20点の展示。3点が新登場。
以下の新登場作品を中心に、前回とじっくり観た作品を改めてじっくり観る。
真ん丸真ん丸な猫も印象的だが、≪桃鳩図≫の構図や鳩の羽根の描写は特に印象的。
特別出品 ≪猫図≫
(伝)徽宗 個人蔵
No.18 重文≪夕陽山水図≫
馬麟筆・理宗賛 根津美術館
No.1 国宝≪桃鳩図≫
徽宗(款)個人蔵
展示室7
15点の展示。以下の新登場作品1点をじっくり観る。
No.41 国宝≪漁村夕照図≫
牧谿筆 根津美術館
後期に3回というバランスの悪い訪問となった。
中国絵画に目覚める状態には至らないが、これからの契機になった気がする。