山本大貴 -Dignity of Realism-
2022年1月25日〜3月21日
千葉県立美術館
千葉市美術館にてこのチラシを見かける。
主に若い女性をモデルとした写実絵画を制作しているらしい作家さんの個展。
千葉県立美術館は千葉市美術館から近いと分かり、急遽、計画外のはしご。
千葉県立美術館には、大昔(たぶん20世紀)に西洋美術の展覧会を見て以来、2度目の訪問。
千葉市美術館から徒歩約5分(公称)の「葭川公園駅」で千葉都市モノレールに初乗車。4駅目「千葉みなと」駅下車。駅出口から左へ数本いったところの大通りを千葉ポートタワーを正面に見ながら進んで(正面に見ながら進むことだけは記憶に残っていた)徒歩約10分(公称)。
千葉市出身の山本大貴(やまもと・ひろき 1982年生まれ)は、次代の写実絵画を担う画家として、最も注目を集める画家の一人です。
山本は武蔵野美術大学で油彩の古典技法を学び、初期から⼀貫して写実表現を追求しています。映画を撮ることにもなぞらえるように、脚本を構想し、人物のポーズ、衣装、調度品などの小道具、全体の配置、照明等を細部まで計算して演出し、油絵というフィルムで何百年も鑑賞できる作品を制作しているのだ、と山本は言います。写真と見紛うばかりに睫毛の一本、指先の動きひとつまで緻密に描き込んだ作品は、独特な質感を持ちます。
クラシックで優雅なドレスを纏い、重厚な調度の中に身を置く女性。近未来的で精巧なデバイスを装着して、鋭い視線を投げかける女性。山本の描く人物は、どこか近寄りがたい品格を漂わせ、謎めいたストーリーを感じさせます。山本が目指すのは、現代に生きる写実絵画です。アニメーションやゲームなどのポップカルチャーに慣れ親しんだ1980年代生まれならではの感性で、従来の写実絵画の枠組みを拡張しています。
本展では、学生時代の作品から最新作まで、山本の代表作約40点を展示します。これまでの画業を振り返ると共に、今後の展望を見据える展示構成となります。
メインは女性像。
その緻密な写実に感心するばかり。
ただ女性像は、鑑賞者との距離がある感じかな。
40点強の展示。 1点を除き写真撮影可。
1:Preface
2:Nostalgia
3:Urban Fragments
4:Futuristic Devices
5:Dancers/Others
山本の初期作品群。
右から3番目の《Symptome》(卒業制作、2007年)と5番目の《静寂の声》(2010年)は、ホキ美術館(本展には3点を出品)が2019年の集中豪雨で浸水被害を受けた際に被災した作品。
河津明美氏は、2017年より山本のモデル衣装を制作。
河津氏制作のクラシックな衣装を纏った女性像群。
ポップカルチャー的、近未来的、メカニックな装具を身に付けた女性像群。アイドル業(コスプレーヤー)の方をモデルとされるようだ。
本展のメインビジュアルはこの群から選ばれているので、山本の代名詞なのだろう。以下、2選。
《ATOMIC GIRL(feat.IKEUCHI Hiroto)》(2018-19年、個人蔵)のメカニックな重装マスクは、隙間もなさそうで、コロナにも強そう?
《2.5-DIMENSIONAL GIRL(feat.あまつ様×BLUE EGG)》(2020年、個人蔵)は、2020年の池永康晟氏との初の「対決」展にて、同じ女性モデルを画題として対決したという作品。画中画として池永氏の作品が描かれる。
池永康晟氏は、現代美人画の名手として人気の日本画家と聞くが、私的にはその作品をまだ実見したことがない。
牧阿佐美バレヱ団のダンサーを描いた作品群で締める。
本展を含む美術館入場料は300円。お得感あり。
そしてこの美術館の床のリフレクション、これを利用した写真を撮りたいと思いました。
ライティングは好き好きですね。
コメントありがとうございます。
写実絵画の作家さんの個展を見るのは初めてでその世界には疎いのですが、クラシック衣装系は他の作家さんにもある感じですが、デバイス装着系は作家さん独自の路線のようですね。
ちなみに、本展での撮影は、携帯電話(スマートフォンを含む)に限られていました。